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読書記録49 『読んでいない本について堂々と語る方法』ピエール・バイヤール
〈感想〉
本を読んだ、とはどういう状態か考えさせられた。
今まで『本を読む本』をはじめ、「本を読むこと」について考えてきたが、「本を読まないこと」については考えていなかった。
読むことと読まないことの間にはかなりのグラデーションがある。
本を読むこと=善いこと
という図式にあまりにも慣れすぎていた。
本を読みすぎることは、自身が本を書く=創造する機会を奪い去ってしまう。
研究が始まって、積み上がる「読むべき本」に恐れ慄いていた時にこの本に出会えて良かったと思う。
以上、最初の50ページを読んで書いた感想です。
『読んでいない本について堂々と語る方法』というタイトルの本をちゃんと読むのは、なんだか癪に触るので全部読まないで堂々と感想を書いてみよう!と思ったのです。
ただ、なかなか内容が面白いので先を読んでしまいました。
以下、通読した後に書いた感想です。
〈再びの感想〉
本を完璧に読んだ、という状態は現実にはありえない。本の中身を全部覚えたとしても、自分の内なる図書館にフィルターがかかった状態で保存されるだけだ。
他者と同じ本を共有し、感想を語ったところで、他者(ここには自分自身も含む)とコンテクストを合致させることは不可能だ。というか目指さなくて良い。
これを書いているそばから、昨日読み切ったこの本の内容をどんどん忘れていく。
あ、そうそう。教養についての考察が興味深かった。本の中に入り込むのではなく、その本の全体を通した立ち位置を把握し理解するのが本当の教養らしい。
本のタイトルと目次、作者の権威などからその本のポジションを確認できる。だから、内容はそんな一生懸命読まなくていいんだそう。
本を読んでないことを恥じることないんやで。むしろ読んでない方がええんや。
本当にこんなこと書いてあったのか?
私たちは、本を読んだ気になって、内容を都合の良いように捏造し、かなりテキトーに喋っている。
そんなに感想が変わらないですね。
でも第3章くらいから読書だけの話じゃなくなっていくので、面白かったです。
全く本を開かなくてもいいとは思わないけれど、あまりに研究で読む本が多いと、てんてこまいになります。
とりあえずリスト化して本と本の関係を考えるのも大事だなと。(膨大なリストにうんうん唸っています)
本を読むことについて、また一つ学びました。
かしこ