#37 「値引きして」の要求には、「ご不満な点はどこですか?」
営業職が頭を悩ませる課題のひとつに、お客さまからの「値引き要求」があります。
私は「採用コンサルティング」「人材紹介」などのサービスを扱っていますが、このような業種は明確な形がないだけに、値引き交渉を持ちかけられやすい業種だといえます。
ほかにも、IT、ネットサービス、広告、各領域のコンサルティングなど、「ソフト面」を売りにする業種の営業の方は、価格設定の根拠を明確に伝えづらいだけに、値引き要求への対応に苦労することが多いのではないでしょうか。
私の場合、値引きを要求されたら、まずは「どういう理由から値引きを求めるのか」ということを相手に確認します。
「これまでご提供してきたサービスに、何かご不満な点があるのでしょうか?」
「価値が見合わないと思われる要素があるのでしょうか?」
「私が提供するサービスのクオリティは、この価格に見合っていないのでしょうか」
…といった言い方でたずねます。
確認すべきポイントは、問題が自分側になるのか、相手側にあるのか、という点です。私の働きが十分でない、あるいは落ち度があって迷惑をかけた、といったことがあるのなら、そこは逃げずに向き合わなくてはなりません。
一方、「上から採用コストを削減するように命じられて」など、相手の社内事情によるものであるケースもあります。そうした場合は、安易には応じないようにします。1社で値引きの前例を作ると、それを聞きつけた他社が「あの会社は値引きしてくれる」と思われ、なし崩し的に値引きの習慣が広がってしまうことになりかねません。
「あの会社はなぜ値引きしてもらえるのか?と他社から聞かれたとき、納得いただけるような理由を説明できる場合にかぎり、交渉に応じます」
…そんなスタンスで、意思を強く持って対応します。
また、「同業他社はこの値段なんだから、それと同じまで下げて」という交渉をされるケースも多いかと思います。この場合は、同業他社にはない自社ならではの価値を、納得いただけるまで説明すればいいのです。
ちなみに私の場合、今では「値引きして」と言われることはほとんどなくなりました。仮に、お客様の社内で「値引きを要請しろ」という指示が出たとしても、担当者の方が「森本さんをがっかりさせたくない」「森本さんのモチベーションを下げることは、自社にとってマイナス」と、社内調整に努めてくださっているようです。
普段から、お客さまに100%満足していただける仕事、全幅の信頼を寄せていただけるような仕事をすること。それが最大の「値引き交渉対策」といえるでしょう。
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お客様や周囲の人々とよりよい関係を築き、あなたのビジネスがより大きく、喜びに満ちたものとなるよう、人生がキラキラと輝かしいものになるよう、心よりお祈りしています。