発達障害長男【幼い時から歴史好き】
好きなことで人と繋がってきた
自閉スペクトラム症(ADHD・ASD)
成人した長男の高校までの成長記録です。
こだわりが強く
社会性に課題があり
成人した現在も様々な困難を抱えています。
ただ、興味があることには
過集中で知識を得て
そのことで助けられたことも
数多くありました。
この記事が
発達障害があるお子さんを
育てている親御さんや
教育関連の(学校・塾・療育)先生方の
参考になればと思っています。
長男が興味を持ったことで
どのように社会と繋がってきたかを
下記にまとめて書きたいと思います。
はじめに
未就学期間は新版K式発達検査
就学後はWISC検査を行っています。
新版K式の数値を参考にするなら
支援学校が視野に入るのですが
WISC検査では
言語理解や処理速度の数値が高く
平均すると高IQ傾向になっていました。
小学生の時の
ひと月にかかる書籍代は
平均すると2万円越え。
検査数値にとらわれず
常に、長男の興味を優先して
本を選んできました。
普段は多動の長男も
本を読むことで落ち着くことが
多かったように思います。
就園前
小学生で行ったWISC検査では
言語理解が高い長男ですが
言葉を話しはじめるのが遅く
2語文が出るのは
3歳頃からでした。
はじめて話した言葉は
インターフォンを鳴らしながら
「ピンポーン」。
正確には
「ピ」も「ポ」も言えておらず
「ミンモーン」でした。
赤ちゃんの頃から
常に絵本を手放さず
特に数字の本がお気に入りでした。
保育園
よく読んでいた本は
・地球の図鑑
・宇宙の図鑑
・気象の図鑑
・路線図
・時刻表 でした。
この頃には爆発的に言葉があふれ出し
所かまわず、会う人すべてに
パンゲア大陸の話をしていました。
(どうやって大陸が移動していくか動作もつけて)
お気に入りの路線図を
いつも眺めていて
新しい路線を作ることが趣味。
保育園では
昼寝の時間に寝ることができず
保育園の先生の配慮で
特別に本を読む許可を得て
比較的落ち着いた時間を
過ごすことができていました。
本来なら
集団生活の規律を乱す行為ですが
保育園の先生もどーんと構えていて
周囲の友達も「長男くんスキやな~」と
好意的に理解してくれており
本当に助かりました。
なかなか昼寝ができなかった長男も
活動量が増えると昼寝の時間には
本を持ったまま眠っていたそうです。
小学生
よく読んでいた本は
・将棋の本
・三国志
・水滸伝
・項羽と劉邦
・日本地図
・世界地図
・日本の歴史
・世界の歴史
小1で1回将棋の本を読むと
すぐにマスター。
相手が母では物足りず
将棋のスクールに連れて行きました。
当時は勝ち負けに非常にこだわっており
負けることが許せず
通うことはできませんでした。
個別療育(SST)では
決められたことをやるのが苦痛で
なかなか課題に乗れない状況が
続きましたが
療育の先生の工夫で
好きなことを10分(時間厳守)話してから
課題に取り組むことにチャレンジ。
この個別療育で
長男は頭ごなしに怒らず
小さな約束を守ってくれる
大人(療育の先生)を信じることができ
様々な可能性を伸ばす
きっかけとなります。
小児発達外来で
ドクターのひとことにより
中学受験を決意。
小6から個別塾に通いました。
担当の先生は
大学の文学部で中国史を専攻。
勉強する前に
先生独自の歴史クイズを
出してくれていました。
小学校生活に
あまりなじめなかった長男は
担当の先生と歴史の話をすることが
唯一の楽しみとなり
心の拠り所になっていきます。
無事希望の学校に合格。
長男の合格を
担当の先生は
誰よりも喜んでくれました。
長男は頑張ったことで
他者の心を動かすことができると
学んだのではないでしょうか。
担当の先生は就職で地元を離れましたが
今頃どうしてるかなぁなど
長男は今でも気になるようです。
中学生
よく読んでいた本
・日本史
・中国史
・ドイツ史
・フランス史
・イタリア史
・イギリス史
・ロシア史
・政治関連の本
好きなテレビ番組は
国会中継でした。
長男が社会で
100点を取ったとき
社会の先生は
廊下でハイタッチをして
喜んでくれたそうです。
社会に出て
好きなことで
他者から認められることは
長男に大きく自信を
つけることとなりました。
社会の先生は
長男と頻繁に時間を作り
会話をしてくれていたそうです。
社会だけ常に学年トップでした。
地理や防災にも興味があり
修学旅行に突然行きたくないと
言い出しました。
確率的に、震災の不安があるのが理由でした。
不安に打ち勝つには
情報を得るしかありません。
修学旅行先の地形から
震災や津波が起きた時
どの方向に逃げればよいか
高い建物の場所について調べ上げ
地図を持参で
何かあった時は担任の先生に
プレゼンする!と
おまもりのように資料を持って
修学旅行にやっと行くことが
できました。
ちなみにその資料は
使うことなく無事終了しています。
高校生
よく読んでいた本
・公民関連
・政治家の自叙伝
・近代史
・法律
・地政学
世界史が得意でした。
世界史の先生からも
いつも目をかけて
もらっており
そのことも
存在価値を見出し
自信に繋がっていった
ようです。
暇だからと
何も見ずに
5分程度で描いた
ヨーロッパの地図は
全ての国を網羅し
国境や湖まで
完璧に仕上げられていました。
塾の先生とも
頻繁に歴史の話をしていました。
個別塾だったので
卒業後は
講師になって欲しいと
打診されましたが
そこまでの自信はなく
株で生きていきたいと
お断りしていました。
まとめ
私立中高では
社会以外の成績はさっぱり。
毎年進級について
ギリギリの状態でした。
平均点で評価されるシステムで
社会の高得点に助けられ
無事進級することができていました。
芸は身を助く。
担任の先生からも
「特技があることはよいこと」と
いつも褒めていただいてました。
良かったことばかり
書いていますが
本当は
周囲にもなじめず
辛い思いもかなりしています。
子育てに不器用だったので
長男には随分
迷惑をかけてきたと
反省しています。
今後の課題は就労ですが
あまり先回りをせず
長男の人生なので
生きたいように
生きていけばよいと思います。