【読書記録】老人と海/ヘミングウェイ
あらすじ
キューバのハバナに住む漁師サンチャゴ。
不漁が80日以上も続いていたサンチャゴが、長い格闘の末、見たこともない大魚を獲る。
しかし街へ帰る道中、鮫に大魚を食べ尽くされてしまう。
他の漁師から冷めた目で見られても誇りを持って闘うサンチャゴ、自然の美しさや過酷さが描かれる。
本のこと
老人と海
ヘミングウェイ
新潮文庫
Memo
海のことを考えるばあい、老人はいつもラ・マルということばを思いうかべた。それは、愛情をこめて海を呼ぶときに、この地方の人々が口にするスペイン語だった。(p24)
きっときょうこそは。とにかく、毎日が新しい日なんだ。(p27)
海の上に孤独はない。(p54)
「けれど、人間は負けるように造られてはいないんだ」(p94)
感想
「老人が漁をして大魚を獲るけど、鮫に食べ尽くされて徒労に終わる」
一言でいえばこんな話になるが、その中で繰り広げられる自然との格闘や、老人サンチャゴの自分語りが、どれも生々しくリアルに感じられた。
結局、大格闘の末に獲った大魚は鮫に食べ尽くされ、漁は徒労に終わる。
しかし、サンチャゴはどの場面でも漁師としての誇りと、海や魚への愛情と敬意を持って闘いに臨んでいて、漁から帰ったときには、「残念だった」というのではなく、「よく闘った」と、サンチャゴに対して思った。
「どんな境遇でも誇りと希望を捨てるな」という気持ちを『老人と海』から感じた。