
私の一番好きなクラシック音楽はこれ!
私は最近、オペラが苦手だという話を書いたんですが、まあ批判覚悟で書いたのですが、意外と皆さん温かい反応で安心しました。もっとも、私の記事に関心のない人はスキしないでしょうし、noteは基本的に自分の主張を通す場ではないので、嫌ならスキもしないしコメントも残さないのが「暗黙のルール」なんじゃないかなと思うんです。まあそれはさて置き、
なんでそんな前振りをしたのかと言いますと、私が一番好きなクラシック音楽は、実は合唱曲だからです。基本的にクラシック音楽の中で私は歌曲を好んで聴くことはありません。私はクラシック音楽も他のジャンルと同じように、フレーズやハーモニーを楽しんでいるだけで、「言葉」があっても、私にとっては楽器が奏でている音符と同じような感覚でしかありません。言葉もまたフレーズやハーモニーと同化していて、声でなく「響き」として受け入れています。
私の一番好きなクラシック音楽はこれです!
ご存じモーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス 」です。私はバーンスタインの演奏が一番好きで、たまたまYouTube動画にあったのでチョイスしました。本当に心の洗われる良い演奏だと思います。因みにバーンスタインは私の好きな指揮者の一人です。
モーツァルト最晩年の作品で、編成も弦とオルガン、合唱というシンプルな物。たった46小節という短さも良いです。彼は「死は人間の無二の親友」と手紙に書いてますが、それを地で言ったような天国的な音楽ですね。もう私などがあれこれ説明するのはおこがましいです。それくらいクラシックファンなら誰でも知っているという曲ですね。
私は特に何かの信仰心がある人間ではないし、ましてクリスチャンではないので、この曲が持つ宗教的な意味とか、ステイタスとかは全く分かりません。歌詞も正直、何を言っているのか分からぬままずっと聴いています。(歌詞はほとんど見ないです)本当にポップスやアニソンを聴いているのと何ら変わらない程度に聴いているだけです。(アニソンに関しては歌詞を味わって聴いるものもあります)でも、聴いていると涙が出ちゃう。なぜだろう。言葉がわからないのに。安らぎを覚える曲。こんな自堕落な私でも生きていても良いんだと思える曲。不思議だ。私はモーツァルトが好きというのを抜きにして、今まで聴いたクラシック音楽の中でこの曲が一番なんです。
実は私は今までずっと、この曲を私が好きでいても良いのか分かりませんでした。クリスチャンでもないし、歌曲好きじゃないからそもそも「歌」として聴いてないし。でも素人である私にとって「音楽は娯楽でも良い」との言葉に接して、じゃあ別に私がこの曲を好きで聴いていても何も問題ないなと納得したんですね。この曲はジャンル関係なく味わえる貴重な曲じゃないかなあと思っています。国の違いも、人種の違いも言葉の壁も飛び越えてこの曲は味わえる曲なのかなあと思います。聴くだけなら何も余分な知識は要らないので、肩の力を抜いてただ音楽に耳を傾けたらいい一曲だと思います。
昔、私がまだクラシック音楽を知らない頃、家にあったクラシック音楽のレコードをフリスビーのように投げて遊んでいました。親から「それは投げて遊ぶ物ではない。音楽を聴くものだ」と言われ、レコードプレイヤーに針を落とすようになりました。投げて割れてしまった数枚のレコードの中に、何とこの曲が入っていました。まさか数十年後にその曲を大好きになるとは思ってもいませんでした。
私にとって、この曲との衝撃的な出会いの瞬間でした。
おしまい