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禁酒

実は今わたしは「禁酒中」なのである。

「禁酒してるんだ」

そう、色んなところで色んな人に、言いまくってるわけなのだが、それはまぁ、わたしなりの「作戦」なのである。

まぁでも・・・

だーーーーれも、
「結果出せるほどは続かないだろう」
そう思ってる感は伝わってくる。

「あ、信じてないなコイツ......」と、思う場面はめちゃくちゃ多い。

「えーー?あなたが禁酒ぅ???(一_一)」
「ちょっとだけの休みみたいなもんでしょ?」
「でも次の宴会では飲んでそうですよね!」
「うちの旦那もぜーんぜん続かないのよぉ」
「飲んでるの見つけたら突っ込みますよ~」

反応は様々。色々言うけど、根っこにあるもんは同じよ。

「その内、元に戻るに違いない」

ま。当たり前か。今までが今までだもんね。

職場の飲み会や宴会でも、大体は途中で酔って倒れてるとか。飲んで酔って必ず、どっか怪我してるだとか。若い頃は特にそんなのだったし。ここ数年は大体、酔って途中で寝てるだとかだ。そしてクラフトビールを語らせたら止まらないくらいに好きなのは、周囲の知れるところなのだ。

急に、酒を辞めたから信じろ、だなんて無理がある。

思えばお酒にハマりだしたのは、ぶっちゃけな話高校生の時からだった。ロックバンドでギターをやっていた頃。思えば長い付き合いだな。

その間、日本酒にハマったり。ワインやカクテルに凝ってみたり。そして数十年、酒と付き合って突き詰めていったたところが、クラフトビールだったな。

健康を害し始めてお酒やめようとしたことも、節酒しようとしたことも、何度も何度もあるわけで。その度に挫折していたのも事実で。その間を知ってる人もいるわけで。

だけどそんな事実、そんな経験があるからこそ、今の自分が目指すべきところは、
「また元のように飲めるようになること」
なんかじゃない。そう思えるんだ。
だけど今まではそう思えていなかった。

飲めるように健康になる

そう思っていたわけだ。だからこそわたしも含め、みんな元の木阿弥になるわけだ。だけど禁酒を始めた今、その頃とは確実に違う実感を持って今、日々を味わえているから不思議だ。

これはこの3年、心理学を勉強したおかげ。そう実感してる。そして何より、ポリヴェーガル理論との出逢いも大きかった。

あれがなかったら今、ここまで確信と自信をもって禁酒は出来ていない。

自分がなぜ、高校生の時に酒にハマって。
今までなぜ、健康を害するほどに飲んでしまっていたのか。

解決すべきはその、根本だったのだ。

〇〇という酒に美味しいからハマる、というのも結局はその「なぜ」のために、脳が言い訳にしていただけだ。

本当のところ、美味しいものはそれだけじゃないはずだし。楽しい生活は、そこにはないのだ。それを気づいていながら気づかないふりをすることで、生きづらさをごまかしていた。

そこに戻るのは正直・・・もう嫌だ!!!!そんな思いが今、とても強くなっている。

お酒を我慢する、というよりも、「欲しい生活・叶えたい未来」そこに目を向けたい。

そんな気持ちに変わった。

自分の殻に閉じこもりがちだった10代の頃。高校生の時に、外の世界に思い切って飛び出た。

音楽、ギター、バンド・・・

今思えば自分にとってはそれらも結局は、生きづらさをカバーするためのものだった。だけどそれだけじゃぁ、生きづらさはカバーできなかった。

苦手だった人付き合い、対人恐怖症、自分は他人から見るとおかしい人なんじゃないかと言う錯覚...それらを不思議なくらいに麻痺させてくれるのが、お酒だった。

社会に出て、会社に入って、居心地のいい職場と出逢って、コミュニケーションの技術も学んで、仕事も頑張って、今の地位を得て。だけどそれでも根本の生きづらさは、わたしに付きまとって離れてはくれなかった。

色んな生きづらさを麻痺させるために、飲んでいたのがお酒というツール。1日のしんどさを乗り切ってビールを飲む。味わう。不思議なくらいにすぐに、副交感神経のスイッチが入った。手っ取り早いスイッチだった。大好きなビアバーも出来た。仕事終わりに立ち寄って、マスターと話すのが好きだった。イライラもしんどさも何もかも、消えゆく泡と泡のような会話と、共に消えていくようだった。

そう。それがお酒。ただ、それだけのもの。

だけどそれはもう、今は必要がなくなっていたんだ。自分の全てを受け入れてくれる人が出来たことで、自分の全てを受け入れれた。わたしはもう、大丈夫なんだ。

本当はもう、必要がないんだよ!

そうずっと自分の中の奥から聴こえていたのに。無視していたんだよ。確信がなかったし、やっていける自信もなかったから。

きっかけは、彼女がくれたポリヴェーガル理論の本だった。

あ、これだ。

そう腑に落ちた瞬間に、鮮やかな色が自分の中に沸き起こってきた。我慢なんて必要ないんだ。違うんだ。そうじゃないんだ。わたしはわたしの本当の声に、耳を傾けるべきだったんだ。

やってみたら不思議なくらいに、楽で楽しい日々が待っていた。

五感をフルに使ってご飯を食べてみたり。ハーブティーに凝ってみたり。夜、布団の上に座ってアロマを焚いて、ストレッチにふけったり。彼女が描いた絵をみて、布団に入る。お酒が無くっても、落ち着いた優しさに包まれたように眠れる。

酒は美味しくても、そこに戻るのはもう嫌だ。根本原因を掴めた今、お酒を辞めてみて、色々試して手にできたこの、心地いい生活、楽しい自分、そんなのを手放したくはない。

今そんな思いがとっても強くなってる。

彼女も力を貸してくれる。わたしはもう、大丈夫だったんだ。そう思うと感慨深かった。

相談できる人、信頼してる人、頼れる人、たくさんいる。丸ごと愛してくれる、彼女がいる。

そんな人たちと共に、一人立つってことは、一人ぼっちで立つのとは、まったく違う。

ここから見る景色が今、どんどんと明るくなって、未来から光が射してる。

そこに向かって歩いていこう。





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