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短編小説「ナイルの庭」執筆を終えて。

初めに

「ナイルの庭」という短編小説を執筆しました。


小説、SS、等は沢山書いて来ましたが、ほとんどが二次創作で、腐女子故BL小説ばかりを書いてきた私が、初めて極めてノーマルな恋愛小説に挑みました。
ですが、このストーリーはある人の独白が元になっています。腐女子故妄想は得意です。その独白から妄想した結果がこの「ナイルの庭」という短編小説になります。

「橘晃」について。

独白をした人、が「晃」のモデルです。彼が語った人生のほんの一編からここまで膨らますか、とも思いました。その独白は5分ほどの短い動画として存在しています。ただ観られる人は限られてきます。世の中のほぼほぼの方は観ることができません。私はその動画がとても好きです。ただ再生回数ばかり伸ばすのは怖すぎるので、保存して再生しています。休日など、観る日は1日に7、8回観たりします。朝に撮影されたその独白動画が、何故こんなにもあたしの印象に強く残ったのかはわかりませんが、とにかく好きです。寝ずに朝になってしまって撮った動画、何かとても深いものを感じます。動画でこのような話が語られているわけではなく、ただ、「人妻に恋をしてしまったことがある」というだけの、動画です。誤解なきよう。想像と言うか妄想では、どうにもただ好きになっただけでは済んでいない、というところがそもそもこの「ナイルの庭」の出発点。妄想です。事実とは異なります。(異ならなかったらどうしようか(笑))この人物の名前については、私自身が考えました。「晃」という字を使いたかったのと、この字は「ヒカル」よりも「アキラ」とかが多いかもしれませんが、どうしても「ヒカル」という音は譲れない思いでした。「ヒカル」という響きには色々思い入れがあります。まず、とても宇多田ヒカルさんが好きです。そして、私の中で、櫻坂46の森田ひかるさんが熱いです。他にも色々理由はありますが、どうしても「ヒカル」という名前でこの話を展開させたかった。男性で「ヒカル」というのも気に入っています。「晃」という文字を使った意味もあるのですがここでは触れないでおきます。「橘」についてですが、このあと、「立花爽香」について。で触れます。
「晃」はJRの社員と言う設定です。設定というか、モデルの方が元JRの社員だった(現在は退社されています。)ということから発展した設定です。話の端々に彼の昔話などが挟まれています。一番笑ったのが「遅刻をしないように皆で出勤」です。本当に笑ったので、これは何とか入れてみたかった。鉄道会社というのは本当に遅刻は笑いごとで済まされないらしいのですが。(結構それに関する悲しいニュースなども耳にしたことがあります。確かに列車が走らなかったら大変。私の親友のご主人が鉄道会社にお勤めなのですが、強制的に起こす装置みたいのがあるらしいです。その方が「星統(スバル)」という凄く素敵な名前で、「スバル」にひっかけて「ヒカル」という発想も実はあります。)「晃」の高校無遅刻無欠席もそのモデルさん通りの設定。

「立花爽香」について。

「爽香」については、友人に名前を考えて頂きました。どうにも二次創作ばかりをしてきたので、ネーミングセンスがないのです。今回、キーワード(というかタイトルそのものにしてしまっていますが)「ナイルの庭」という、エルメスの香水があります。これは「晃」のモデルの人が好んでいる(いた?)らしいです。「香り」「匂い」というものには、感情が伴います。そしてそのナイルの庭の香りの特徴から、爽香という名前が生み出されたそうです。「タチバナ」という苗字については、爽香の苗字が先に決まっていました。この「花」が、私のペンネームの「櫻ハナ」から来ていることを後に聴かされ、実は卒倒しそうになりました。特に爽香というキャラクターに自分の感情移入などは全くしていなかったので、「立花」の「花」は「ハナ」さん、と言われた時は正直このまま書けなくなるのでは・・・とまで思いましたが、これを書いているという事はおそらく最後まで書けたのだと思います。この「立花爽香」にもモデルが存在します。わかる人が読んだら、多分すぐわかってしまう方です。私は小説などを書く際、酷く「設定」というのを気にするので、どうしてもこのモデルになった方の設定で書き進めたかった、ですが、このモデルになった方は、「立花爽香」というキャラクターとは全くの無関係なので、もし気づいても心に仕舞っておいて欲しい・・・。その方は、20年くらい前に友人に連れられて初めてそのお店で服を買った時に知り、その後私がかなりその洋服店の服を買っている時など、ずっと担当をしていただいていました。今は少しそのお店とは離れましたが、今でも一応担当みたいです。ダイレクトメールとかは直筆のメッセージ入りで頂きます。私はとてもその方に憧れていて(仕事がとにかくできる。年の重ね方がとても美しい。など理由は多々)、たまたまストーリーにハマりそうだったのでモデルとしました。ご本人にはこんな悪女?のモデルにしてしまって本当に申し訳ないので、ファンの方にはバレたらシバかれますね。「立花」という苗字が友人に決められた後、「晃」の苗字を「橘」として、響きを「タチバナ」で統一させました。繋がりみたいなものを表現したかっただけです。

「萱」について。

萱については、一切モデルなどが存在しません。設定としては、表参道駅近くにある大学の学生、という設定です。イメージがしにくいと、とても書きにくいのですが、最後にこの「萱」を完全に切り捨ててしまうため、モデルを作りたくなかったというのが正直なところです。「萱」も友人が名前を考えてくれました。架空のモデルはいます。「anewhite」というアーティストの「カヤ」という楽曲から来ているそうです。ざっくり言えば煙草についての曲ですが、この「カヤ」という名前がついてから、急にこの短編小説は「煙草」がキーワードに加わりました。「煙草」と「香水」の関係もとてもいいので、執筆がすすんだひとつの理由です。「晃」のモデルの方が、昔煙草を吸っていた、でもその独白動画を撮影した時は紙煙草は吸っていないなかったようなので、煙草をやめた理由として妄想を膨らませただけの話です。

「翔」について。

「翔」については、軽くモデルがいます。この字を別読みした方がモデルですが、あまり性格とか身体的な特徴などは全く視野に入れていないです。ただ、「晃」の親友ということで、一応モデルとして存在しますが、実際その方は「晃」のモデルの方より年上ですし、設定では「晃」の同期なので、あまりモデルとしては意味をなしていないかもしれません。「翔」は「晃」の理解者ということで話に入れましたが、あまり思い入れを持って描いてはいないと思います。

主な舞台について。

2016年~2017年の「東京駅」「社員寮」「表参道~原宿」「渋谷」「新宿」などで話は展開します。話の前半は、「晃」のいるところで話が進みます。主人公なので当たり前ですが。「東京駅」はモデルの方が勤めていたことがある駅。社員寮はよくわからないので無設定。表参道はあたしがとても好きな街なので、ここを「晃」と「萱」に歩いてもらいたかった。ジャン=ポール・エヴァンのお菓子やコンフィチュールはとても好きです。なかなか一般庶民の私には手が出ないですが、サロンデュショコラなどでは必ず行く店です。(今年はコロナ禍ということなどから私は不参加です。)サロンデュショコラで販売されるイートインのお菓子を毎年楽しみにしていたりします。ジャン=ポール・エヴァンは、表参道だけでなく、「晃」の言う新宿伊勢丹や、銀座三越などにもブティックがあります。詳しくないですが、全国に展開されているはずです。バレンタインシーズンなどには、店頭に入店待ちの行列ができたりします。渋谷、での夜景のシーンですが、本当は「スクランブルスクエア」の展望台のつもりで書き始めたのですが、よく調べたら、2017年にスクランブルスクエアは存在していませんでした。そこで代替で考えたのが「ヒカリエ」にある展望室みたいなところ。屋内で寒くない、これはアリ、と思いました。ここから新宿副都心を臨むことができます。

後半はほぼ西新宿、新宿副都心の「ヒルトン東京」というホテルの「タワースイートキング」という部屋でのお話になります。どうにも設定が気になる私は、実はヒルトン東京さんにお電話したりしました。何の取材だよ(笑)。(関係者の皆様ご迷惑をおかけしました。)この話は、約4年前の話、という設定です。その当時、ヒルトン東京は、34階が喫煙可能な部屋になっていました。今は全て禁煙だそうです。その34階に「タワースイートキング」という部屋が存在していました。37階には実際ラウンジがあります。部屋の間取りとかもかなり調べました。何処にソファーやベッド、浴室などがあるか、検索をかけると結構お部屋の写真が出てくるもので参考にさせていただきました。そして、カーテンでなく、障子という、外国人観光客の利用も考えられている、少し和を取り入れたお部屋みたいです。
ルームサービスはもうよくわからないので完全に想像。調べると色々な情報が出て来てよくわからず、もはやヒルトン東京さんに電話をかける勇気もなく、検索で出て来たメニューをそのまま設定しました。ただ、肉は「晃」に食べて欲しいなというイメージ、20歳設定なので、肉は食べそう・・・という予想。丼にしたのは高級なものもリーズナブルなものもあると言うのが良かったです。
特にヒルトン東京に思い出があるわけではなく、宿泊したこともありません。関東在住なので新宿に宿泊しなくてはならないことがまずないです。毎年恒例のストロベリーのビュッフェは、何度か行ったことがあります。あれもなかなか予約が困難だったのですが、最近はどうなのでしょうか。「翔」の関係で、何となく新宿設定が欲しかったのも、ヒルトン東京を舞台に選んだ理由のひとつかもしれません。「翔」のモデルの方はどちらかというと西口より東口なイメージ。というよりほぼ西口のイメージはゼロ。ですが東口はハイクオリテイなホテルが存在しないので、(どうにも歌舞伎町のラブホテル系ばかり)爽香をチープな感じで出すのが嫌で、ヒルトン東京を舞台にしました。

最後に。

爽香と晃が親子かどうか、書いている本人も良くわかっていませんが、そういう風にとらえられてもいいし、全くの他人ととらえられてもいいなというフワフワとした感じに書き終えました。やはり今回の登場人物の中では主人公に当然思い入れがあって、何となく・・・「晃」のモデルの人に幸せに生きて欲しいという願いです。「晃」を通して、何となくそう思っているだけです。何か彼女と別れただのなんだの言ってたきり女っ気がないので(実際はわからないけれど)もうね、男性はいいから女性にしよ、彼女紹介して、という謎の感情です。そして強く生きて欲しいなという願い。(強い方とは思いますが。)
実は、この話は爽香の「私、実は子供が2人いるの。」の衝撃発言のところ辺りで2週間くらい頓挫していて、全く進まず(まず高校生の時産んだ子供をどうしたかで全く進まなくなった)焦っていたのですが、このあとがきを書いている前の日の夜、(主人公のモデルの方の)衝撃事実が明るみに出て何かもう生きていることすら人間は奇跡に思えてきて、書かなければと、書き進めました。最近様子はおかしかったのですが、まさかとは思っていたのですが、まあまあそんなことです。昨年末も好きなアーティストさんにも昨今のあれが降りかかりそうになり、そこでも生きていることは奇跡と思ったので、まあ、生きるという事は奇跡なのだ、というメッセージを最後にこめるに至りました。
この状況で「推しは生きているだけでファンサ」という言葉に反発を覚えるようになりました。生きていなければが、確実に生きていることを知らなければ、幸せに生きていなければ、確実に幸せな人生を歩んでくれなくては、という酷く我儘な願いです。とにかく一度推してしまうと感情のコントロールはとても難しい。他の記事で書いたりしていますが、不安定な心のせいだとは思います。
結果的に、話の筋としてはただの童貞喪失の話です。(モデルの方がそうだったと言ってるわけではないです。あくまでモデル。事実とは異なります。(異ならなかったらどうしようか(笑)。)まあ初めて書く恋愛小説としてはわかりやすい筋道のついた進めやすい設定だったかなとは思います。とりあえずベッドシーンは薄めてその前の感情の動きを書くことに力を入れた感じかもしれません。浴室のシーンはリアルに書きたかった。しかしモデルの方が居て、その方にはそれぞれファンの方がいるので、あからさまに書くのもなあと・・・。(普段BL的にあからさまに書いているのはどうしようか(笑)。)BLは全くの想像の域にできますが、男女だと結構リアルな感じが出てしまったら嫌だなと思った次第です。そして最後のキャラメルを舐める描写、これは「晃」の口寂しさみたいなものを暗示しています。「食」ではなく、「性」の方です。

とりあえず、「晃」のこの先は一筋縄ではいかなくなる人生だと思いますが、そこそこ感情移入したキャラクターなので、フィクションの世界で幸せに生きてくれれば。この先に話は続きません、「ナイルの庭」は続編はない。(2021.2.7訂正。あるきっかけで続編を執筆しました。)モデルがいるにしろ、自分で生み出したキャラクターというのは愛おしいものだと、「晃」にしろ、「爽香」にしろ、それこそ「萱」も「翔」も。
本当はあの部屋を出て行った後の「爽香」の感情も書きたかったのですが、食べ過ぎはもたれますので、静かに去ってもらいました。そして「萱」は今度こそ煙草繋がりの彼など作らんで欲しいな、と思います。「翔」は酒を浴びるように飲んだらいいかと。とりあえず一人で出勤できるようになれよ、という感じです。もう「遅刻しないように皆で出勤」は可笑し過ぎるのでやめよう(笑)

この「ヒカル」と「サヤカ」の「モデル」の存在が誰かにに気づいた方は、そおっと心に仕舞っておいて下さい。気づかず読んで頂くのがとても理想的です。

「ナイルの庭」執筆を終えて。 櫻ハナ



【続編】




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