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記事一覧

いつか辿り着けなかった場所に

「この歌は、対岸まで泳ぎきれなくて
溺れてしまったひとたちに捧げられているの」
彼女は歌い始める前に、
その歌をそうやって短く紹介する。
レクイエム。
ありふれたことばを使えば、
夢の在り処、希望の彼方。
レクイエム。
「きっと僕たちは幸せな場所がどこかにあるんだって幻想に長らく苦しめられてきた」
彼は歌い始める前に、
その歌をそうやって短く紹介する。
レクイエム。
気の触れたことばを使えば、

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your imagination

途中で止まっていた物語の続きを綴るには、ちょうどいい季節が巡ってきて、
ブライアン・ウィルソンの「your imagination」の7インチレコードをあげたあの子は、まだそのシングルを持ってくれてるだろうか?。
僕たちの未来の欠片。きみのいまとこれからの歌。

僕は弱く、脆い。
僕たちは弱くて、儚い。
崩れていくのは、よくある話、御伽噺のようには、助けてくれる誰かはやってこない。
だから、せめて

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ウィスキーと歩く

死ぬ場所を探していたのは、いつだったっけ?
ひとり、夜の海を飽きることなく眺めてから、どのくらい経ったんだっけ?
死ぬ場所を探してる、なんて呟くもんだから、いま考えても迷惑なはなしだ
相変わらず、混乱したままの頭で、
街を歩く、ウィスキーと歩く

「あなたには自殺する勇気なんかないくせに」
ああそうだね。きみのいうとおりだね。
まるで呪いにかけられたまま、
説明なんて出来っこないから、
黙って歩く

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時計

崩れていくあなたを見ていた。
差し出された手をはねのけて、
「落ちてく」と呟くあなたを。
それが最後の会話なら、
少しは美しく語ることもできるのに。
そうじゃないってのも、また。
最後に交わした会話すら覚えちゃいない。
「そんなもんだね」と嗤うくらいには、
それなりに生きてきた。

崩れていくあなたを何もできない無力な僕は、ただ見ていた。
とても話せる状態じゃないってことに気付きながら、
とおく離

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みじめな少年は。

いつからか、自分を惨めに思っていた少年は、「僕はここだよ、早く見つけてよ」と、
そればかりを願ったけれど、
口をついて出てくるのは、悪態ばかり。

何を思い出しても、悲しくなるから、
彼にはもう帰る場所もなく、
きっと誰かの呆れ顔にも見飽きたから、
諦めに取り残されることもなく、
みすぼらしく、俯いて笑う。

「僕はここだよ、早く見つけてよ」
ただひとこと、それだけで救われたはずの、
彼にできるこ

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月へと向かう道すがら

友達が言う。「月が綺麗ですね」の月は、
満月なのかな?。
僕は答える。どこか欠けている気がする、と。
満月だと、それ自体で完結していて、
例えばあなたと2人で見上げる月は、
だから、どこか欠けている方が美しい。

夏の空を見上げながら、小さな詩人の歌声に耳を傾けている。
「今日からはふたりぼっち」
ことばはいらない。ひとりぼっちのまま、
同じ星を見ている。
「流れ星に願いを込めよう」なんて茶化して

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きみが生まれてきた日のそら

君がやがて生まれてくる時の空を僕は見ている、
そうとは知らずに。
くもり空でも、あかね空でも、
太陽がかがやく空でも、
お月さまがピンクに染まるロマンチックな空でも
君と出会う前のはなし。

君がやがて歩く街並みを僕は見ている、
そうとは知らずに。
傘をさして、誰かと一緒に、
汗ばんで仕事へ向かう途中で、
願いを込めて、空を見上げている
君が大人になる前のはなし。

君がやがて読み聞かせられる物語

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踏み出すにせよ、とどまるにせよ

美しさに名前をつけたなら
それはきみの名前だ
きみの名前を呼ぶとき
それはぼくの希望となるだろう

美しさに名前をつけたなら
それはきみの名前だ
きみに名前を呼ばれたとき
それはぼくの希望となるだろう

ひとはそれぞれの選択を生きる
とどまるにせよ、踏み出すにせよ
ひとはそれぞれの選択を生きる
果たされなかった約束ばかり、追いかけてきた気がする

ずっとつかまえていてね
ぎゅーっと抱き

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2020/5/18

夜道、不意に鼻歌が聴こえてくる
耳をすませば 懐かしいメロディーが流れ出す
どれだけの季節を過ごしてきたのかな?
たくさんの光景が過ぎ去っていく

帰り道、弱って歩けなくなる僕は見る
身体をシートに沈めて 運転席の君を見ている
どれだけの季節を過ごしていくのかな?
たくさんの景色が窓の外を流れていく

いつまでも二人で歩いていきましょう
そんなことばを頼りに、月の灯りの下
歩き出す 歩いて

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重みに耐えかねてよろけるリズム 初稿

幽霊列車に飛び乗るよ
幻の街から見果てぬ果てへ
破れた地図をセロテープで貼り付けて
引き裂かれた声、便りに

幽霊列車に飛び乗るよ
幻の太陽を背に、未だ見ぬ海を目指して
破れた靴の踵、ガムテープでグルグル巻いて
ひび割れた地面、蹴飛ばして

幽霊列車に飛び乗るよ
幻の街から、未だ見ぬ自らの果てへ
破れた地図をセロテープで貼り付けて
引き裂かれた声に導かれるまま
#詩 #ポエム

夕暮れコーヒー

俺たちだけの 未来の小さな欠片
駅まで繋いだ手の優しい気持ち
大切に 壊さないように 守ることにした
夕焼けに未来が見えた

夕暮れに見えた未来
悲しみは永遠に消えさらないけど
夢見る力だけが 2人を支える
暗い闇に呑まれる前に 君を連れ去る夕暮れ
#ポエム #フラグメンツ #ことのは

今日かかるすべての歌は

1976年10月トムヨークと同じ日に産まれた
女の子みたいにかわいい男の子は
太平洋のように広い愛をもった少年として育つ
1979年1月に生まれた出会ったひと誰もが恋に落ちるようなダンスを踊る女の子は
太陽のように熱い情熱を持った少女として育つ

やがて二人は恋におちる
二人だけの恋
特別な恋

航空公園からモジョへの道すがら
すれ違うひとびと
誰もが特別を待ってる
誰もが特別を持ってる

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歌が歌に出会う

もうどうしたらいいかわかんないよってひと昔まえ
泣き崩れた友達がかわいい子供の写真をくれた
お互い死ぬなよって、また春に会おうって約束した友達の子供と遊んだ
ちょっとぎこちなく 笑う
街を歩いてるとき 男の子がおかあさんに手を引かれて歩いていくテクテクテクテク
公園じゃ奇声があがる 生きてることが楽しくて 気も狂うほど

誰もが愛されて生まれてきたんだ
気付かないときもあるけれど
そんなことを

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きみが生まれてきた日

きみが生まれてきた日
ぼくはきみのおばあちゃんと、きみのおばあちゃんちの木を切っていたよ
切っていた長く伸びていく木の途中に腰掛けて、夕暮れが綺麗で
それはいつかきみのおとうさんや きみのおばさんや きみのおじさんが見ていたのだと思うと
このうちのなかをきみと同じように走り回っていたのだと思うと

秋はね ぼくにとっては さよならの季節だったんだ
それがね、きみが来たことによって 変わったんだ

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