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いつか辿り着けなかった場所に
「この歌は、対岸まで泳ぎきれなくて
溺れてしまったひとたちに捧げられているの」
彼女は歌い始める前に、
その歌をそうやって短く紹介する。
レクイエム。
ありふれたことばを使えば、
夢の在り処、希望の彼方。
レクイエム。
「きっと僕たちは幸せな場所がどこかにあるんだって幻想に長らく苦しめられてきた」
彼は歌い始める前に、
その歌をそうやって短く紹介する。
レクイエム。
気の触れたことばを使えば、
終
your imagination
途中で止まっていた物語の続きを綴るには、ちょうどいい季節が巡ってきて、
ブライアン・ウィルソンの「your imagination」の7インチレコードをあげたあの子は、まだそのシングルを持ってくれてるだろうか?。
僕たちの未来の欠片。きみのいまとこれからの歌。
僕は弱く、脆い。
僕たちは弱くて、儚い。
崩れていくのは、よくある話、御伽噺のようには、助けてくれる誰かはやってこない。
だから、せめて
月へと向かう道すがら
友達が言う。「月が綺麗ですね」の月は、
満月なのかな?。
僕は答える。どこか欠けている気がする、と。
満月だと、それ自体で完結していて、
例えばあなたと2人で見上げる月は、
だから、どこか欠けている方が美しい。
夏の空を見上げながら、小さな詩人の歌声に耳を傾けている。
「今日からはふたりぼっち」
ことばはいらない。ひとりぼっちのまま、
同じ星を見ている。
「流れ星に願いを込めよう」なんて茶化して
きみが生まれてきた日のそら
君がやがて生まれてくる時の空を僕は見ている、
そうとは知らずに。
くもり空でも、あかね空でも、
太陽がかがやく空でも、
お月さまがピンクに染まるロマンチックな空でも
君と出会う前のはなし。
君がやがて歩く街並みを僕は見ている、
そうとは知らずに。
傘をさして、誰かと一緒に、
汗ばんで仕事へ向かう途中で、
願いを込めて、空を見上げている
君が大人になる前のはなし。
君がやがて読み聞かせられる物語
踏み出すにせよ、とどまるにせよ
美しさに名前をつけたなら
それはきみの名前だ
きみの名前を呼ぶとき
それはぼくの希望となるだろう
美しさに名前をつけたなら
それはきみの名前だ
きみに名前を呼ばれたとき
それはぼくの希望となるだろう
ひとはそれぞれの選択を生きる
とどまるにせよ、踏み出すにせよ
ひとはそれぞれの選択を生きる
果たされなかった約束ばかり、追いかけてきた気がする
ずっとつかまえていてね
ぎゅーっと抱き
重みに耐えかねてよろけるリズム 初稿
幽霊列車に飛び乗るよ
幻の街から見果てぬ果てへ
破れた地図をセロテープで貼り付けて
引き裂かれた声、便りに
幽霊列車に飛び乗るよ
幻の太陽を背に、未だ見ぬ海を目指して
破れた靴の踵、ガムテープでグルグル巻いて
ひび割れた地面、蹴飛ばして
幽霊列車に飛び乗るよ
幻の街から、未だ見ぬ自らの果てへ
破れた地図をセロテープで貼り付けて
引き裂かれた声に導かれるまま
#詩 #ポエム
今日かかるすべての歌は
1976年10月トムヨークと同じ日に産まれた
女の子みたいにかわいい男の子は
太平洋のように広い愛をもった少年として育つ
1979年1月に生まれた出会ったひと誰もが恋に落ちるようなダンスを踊る女の子は
太陽のように熱い情熱を持った少女として育つ
やがて二人は恋におちる
二人だけの恋
特別な恋
航空公園からモジョへの道すがら
すれ違うひとびと
誰もが特別を待ってる
誰もが特別を持ってる
きみが生まれてきた日
きみが生まれてきた日
ぼくはきみのおばあちゃんと、きみのおばあちゃんちの木を切っていたよ
切っていた長く伸びていく木の途中に腰掛けて、夕暮れが綺麗で
それはいつかきみのおとうさんや きみのおばさんや きみのおじさんが見ていたのだと思うと
このうちのなかをきみと同じように走り回っていたのだと思うと
秋はね ぼくにとっては さよならの季節だったんだ
それがね、きみが来たことによって 変わったんだ
た