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storytelling_ひとりぼっちのくろ

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ある夜、目が覚めたら一人ぼっちになっていた、子猫の「くろ」。小さな島々が浮かぶ海を舞台に、懸命に生きるくろの冒険物語。水彩や鉛筆画などのオリジナルイラストレーションとともに、連載…
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記事一覧

ひとりぼっちのくろ_8

くろは真夜中にふと目がさめ、「このお母さんは、くろのお母さんとにおいが違う」と気づいた。…

月夜と猫
2年前
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ひとりぼっちのくろ_7

キジトラが言った場所には、たしかに黒猫の家族がいた。子どもが5匹と、そのそばにはお母さん…

月夜と猫
3年前
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ひとりぼっちのくろ_6

「猫島」は、人間が住んでいない小さな島だ。 ホーホはくろを島に降ろし、「じゃあな、グッド…

月夜と猫
3年前
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ひとりぼっちのくろ_5

甲板の上で毛づくろいしていると、空から声をかけられた。 「くろ!なんだって、こんなところ…

月夜と猫
3年前
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ひとりぼっちのくろ_4

くろは日が暮れると、窓にぴったりと鼻をくっつけて、外を見た。海を隔てて、小さな灯台のある…

月夜と猫
3年前
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ひとりぼっちのくろ_3

「ここでお別れだ。頑張れよ、くろ」 ホーホは、窓辺にくろを降ろした。すると、その子の憂鬱…

月夜と猫
3年前
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ひとりぼっちのくろ_2

夜が明けると、空はよく晴れていた。 「あたしの背中につかまりな!」 ホーホはくろを乗せて飛び上がり、となりの島を目指した。 風に飛ばされないよう、ホーホの肩にしがみつきながら、くろは聞いた。 「ねえホーホ、お母さんには、人間に近づいちゃいけない、って言われてたよ。ほんとに人間と一緒に暮らすことなんてできるの?」 「できるとも!たくさんの猫が、人間と暮らしてるよ」ホーホは自信たっぷりに答えた。 「でも、よく見分けないとね。人間にも、猫と暮らしたいのと、そうでないのが

ひとりぼっちのくろ_1

子猫が目を開けたとき、周りは真っ暗だった。 真っ暗で、ひんやりとしていて、何も見えなかっ…

月夜と猫
3年前
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