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連れていかれそうになった話

それは特養(特別養護老人ホーム)に勤めていたある夏の日のこと🌃

その建物は
天皇御夫妻が来訪されたりもする国内でも古いホームだった

4階建てのその建物の
3階のフロアを担当していたのだが
立位の保てない車椅子の方と寝たきりの方
そして意識のないターミナルケアの方ばかりのフロア

「なんでこのホームに居るの?」
と首を傾げたくなるほぼほぼ健常者の方(元新聞記者だったらしい)が紛れ込んでいたりもしましたが😅

⭐︎

各階に5〜6人入れるお風呂がある

3階の利用者さんはほとんどの方が一階の
"機械浴" を利用するので
お風呂だけ2階の利用者さんを担当することがあった

その中にやたら元気なお婆ちゃんがいて
仮にAさんとする
Aさんは認知症なのだけど
わたしのことはよく覚えていた

いつも手を繋いできて
わたしを誘導するようにスタスタと歩く方だった

ご家族の面会はほとんどない

長い年月入所している方の中にはそんな方もたくさんいる

チャリで3分ほどの距離に住んでいたわたし

バリアフリー手すり付き
障害者対応型の都営住宅🏘️

なので時々そんな方を職員さん達と話し合って順番に家に招待していた

「次回はAさんがいいんじゃない?」

そんな話を職員さんとしていたので
ある日Aさんに言った

「今度わたしの家に遊びに来ませんか?」

「えー!いいのー?😃」

とても喜んでくれてその日を心待ちにしてくれていたらしい

⭐︎

「Aさん亡くなったのよ」

出勤すると職員さんが駆け寄ってきて開口一番で言われた

ベッドの中で眠るように亡くなっているのを
早番の職員さんが見つけたらしい

霊安室にてお坊さんがお経をあげてそのまま火葬場に直葬される

最後のお見送りだけすることが出来た

⭐︎

仕事終わり

自転車置き場は霊安室の横にあったのだけど
なんとなくAさんがまだいる気配を感じていた

⭐︎

当時 息子の部屋にはエアコンがついていなかったので
夏になるとリビング横の部屋で一緒に寝ることが常だった

「ママ!ママどうしたの???」

息子に起こされた

⁉️

何故か息子の部屋のベッドに寝ていた
そんなことはただの一度もなかった

不安げに見ている小学生の息子

σ( ¨̮ ) 「今何時⁈」

👦 「夜中の3時だよ」

エアコンのない30℃の室温の中
わたしの身体は芯まで冷え切っていた

𓈒𓏸┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈❁𖥧ܾ☼
(୨୧•͈ᴗ•͈)◞︎ᵗʱᵃᵑᵏઽ*♡︎

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