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月ふたつ

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嬉しかったこと、楽しかったこと、辛かったこと、悲しかったこと。生きてたら、みんなそれなりに何かある。それを全部ひっくるめて私という人間ができあがる。もちろん、あなたも。日常と、想…
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2020年10月の記事一覧

“わたし”が“ぼく”だった頃

“わたし”が“ぼく”だった頃

幼い頃、わたしは「ぼく」だった。

性別の話ではない。

性別は女だが、自分のことを「ぼく」と呼んでいたのだ。家族からそれに関して止めるように言われた覚えはない。だからそれがおかしなことだと気づいたのは、小学生になってからだった。

帰りの会、なるものが行われていた。
次の日の予定や持ち物を伝えたり、その日あった出来事を発表するような、あれ。
そこでひとりの男の子が手をあげて言い放った。
「はーい

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