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「全国最中図鑑」27 天明最中(栃木県佐野市)
佐野の町には、1000年も前から作り続けてきた鋳物がある。
「天明鋳物」である。天明とは、江戸時代の佐野一帯を表した地名である。
天明鋳物の歴史は、「天慶の乱※」を鎮めるための武器を作ろうと、下野の豪族・藤原秀郷が河内国から鋳物師を招いたことに始まる。その後、風呂釜や鍋などの日用品から茶釜・花瓶・火鉢などの美術工芸品、燈籠や梵鐘など、数多くの鋳物製品が作られた。
「天明最中」は、その中でも名品と呼ばれるものを最中に型取った菓子。皮の模様には重要文化財の「六角釣燈籠」、惣宗寺の「天明の梵鐘」、一瓶塚の「唐獅子」「安三の湯釜」が選ばれている。
見かけはちょっと恐れ多いものばかりだが、味はいたって優しい。しっとりとした食感の皮に甘さ控えめのあんが詰まった、さわやかな甘味が特徴の最中だ。
※天慶の乱――承平・天慶年間(931〜947)に起きた、平将門と藤原純友の反乱の総称。
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大坂屋本店
栃木県佐野市万町2770
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日本を代表する和菓子の一つである「最中」。香ばしいパリパリの皮とともに餡を頬張れば、口の中にふわっと広がる品のよい甘さ。なんとも幸せな気分になるお菓子です。編集スタッフが取材の途中で出会った最中のなかで、ユニークで忘れることのできないご当地最中を紹介していきます。