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チキン・マンチュリアン【2】 インド中華のルーツ探し

インド食器屋「アジアハンター」の店主・小林真樹さんが、食器買い付けの旅や国内の専門店巡りで出会った美味しい料理、お店、そしてインドの食文化をご紹介します。



一口にインド中華といっても実にさまざまな料理が存在する。そしてその出どころを探っていくと、主に二つのパターンがあることがみえてくる。

まず一つ目は、「チキン・マンチュリアン」に代表される、在インド華僑の手によって創作された中華料理、つまりインド発祥の中華料理である。チキン・マンチュリアンのほかに「ゴビ・マンチュリアン(カリフラワーのマンチュリアン)」といったベジ・バージョンのほか、「シェズワン・チキン」、「マンチョウ・スープ」などが挙げられる。ちなみにマンチョウ・スープとは後述のチョプスィーで用いられる揚げ麺をスープに浸したもので、コルカタを中心に広く食べられているインド中華料理である。そしてこのマンチョウもマンチュリアン同様「満州」を意味する。戦前の満州国と利害関係のある日本でならまだわかるが、なぜ満州とは縁もゆかりもないインドの華僑が料理名としてその地名を多用するのかはわからない。果たして地名の持つ謎めいた響きにインスパイアされただけなのだろうか……。




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2024年12月13日(金)発売
深遠なるインド料理の世界』小林真樹/著


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