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モンテッソーリ教育の”お仕事”

モンテッソーリ教育の独特な用語として”お仕事”がある。英語では"Work"と表現されいる。最初にモンテッソーリ教育に触れる際には、ほぼ必ず違和感を感じる部分だと思う…2歳の子どもが”お仕事?”と。
モンテッソーリ教育の目標は子どもが”自立すること”であり、モンテッソーリ教育の全てのプロセスは”自立した大人になる”ことに結びついている。この”お仕事”も実は自立することに深く結びついている。

なぜ人は”働く”のか?

先に述べたように、モンテッソーリ教育の”お仕事”は”自立した大人”への過程の一つである。そのため大人にとっての仕事について考えてみる。
”なぜ人は働くのか?”と一度くらいは考えたことがあるだろう。
答えは
”生きるために働かなければならない”
であろう。でも、
人は"働くために生きている"わけではない。
難しく考える必要は無いが、”生きる”ことは”働くこと”から切り離せないのである。
例えば、"呼吸するために生きている人"はいないが、”生きる”ことと”息をする”ことを切り離せないことと同じである。
”生きる”ことと”働く”ことは切り離せないので、”生きる目的が幸せになること"ならば"働くことの目的もまた幸せになること”だろう。

働くってどういうこと?

こうまとめると、お金持ちの人は働く必要が無いではないか!という意見もあるかもしれない。では、育児をしている人は働いていないのか?と言われれば、そうではない。人にとっての”働く”ことは必ずしも”金銭を稼ぐ労働”ではない。
”人が働くことは本質的には誰かの役に立つ(貢献する)”
ことである。人は一人では生きていけない。みんなが分業しながら支え合っているのである。

子どもにとって”お仕事”とは?

モンテッソーリ教育の有名な”お仕事”として、着衣枠と言う、衣服の着脱の難しい部分を繰り返し練習出来る”お仕事”がある。衣服の着脱の練習が働くこと?と思うかもしれないが、親目線から言えば、子どもが自分一人で着替えられることがどれほど助かる事か…他にも子どもが自分一人で、掃除が出来る事、手や顔を洗えること、うがい出来ること、トイレが出来る事は本当に助かる。
自分の事が自分一人で出来る様になることは、貢献へと繋がる”お仕事”である。
また、3-6歳の”お仕事”は、すぐには他の人の役に立たなくても将来的に社会の中で生きていくための大切な準備となっている。
注意が必要なのは、子どもがモンテッソーリ教育の”お仕事”をするのは、早く文字がかけたり、四則計算が出来たりして親の期待をかなえて喜ばせる類の貢献をするための活動ではない。子どもが自立していくプロセスなのである。

子どもは、お仕事よりノビノビ遊んだ方が…

”お仕事”よりも子どもの頃はノビノビ遊んだ方が…と思うこともまた親心である。
私も子どもが遊ぶ事は大切だと思うが、子どもは遊びを手段として、社会性や運動面、知性面を発達させているのである。”子どもの仕事は遊ぶことだ”という言葉があるが、その通りだと思う。
親がやっていることは”遊び”を手段として、子どもを公園などに連れていき環境を用意することで、子どもの発達を援助しているのである。
モンテッソーリ教育がやっているのは、教具や用具による”お仕事”を手段として、適切な環境を用意することで子どもの発達を援助しているのである。
”お仕事”か”遊び”の違いだけで、結局子どもは体験を通して発達しているのである。
親としては、子どもによく遊び、よくお仕事をしてほしい。

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