CRMマガジン①CRM施策を実行する前に知っておきたかった・考えておきたかった3つのこと
どうもこんにちは。とある出版社でPdM、マーケティングディレクターをやっているマルキです。Twitterでみなさんと交流したくて、まずは自分からGiveしていかないとねってことでnote頑張ろうと思います。
※前提として、複数の「アプリサービス」を担当していることもあり、アプリの話に偏ってしまうことはご了承ください。ただ、考え方自体はどの商材でも応用できる汎用性のあるものだと考えています。
今回はCRM関連のお話第一弾。ポストcookie時代、1st party data取得してタゲーティング精度を上げよう!1to1のコミュニケーションを強化しよう!みたいな話は既知で、実際にどうやる?のところに試行錯誤しているマーケターも多いのではないでしょうか。
数多のサービスが世の中にある中、人々が触れるアプリは限定されてきます。気づいたらLINEやTwitterをみなさんいじっていませんか?
ユーザーが時間を使うサービスはまさに大海賊時代。弱肉強食の世界となっているのです。(使い方合ってるかはわからない。)
では、どうすれば自分達のサービスを選んで時間を使ってもらえるのか、再購入してもらえるのか、サブスク継続してもらえるのか。
先に結論を申し上げると、『顧客の習慣を見つけて寄り添うこと』が最も重要です。はい、何を当たり前なことを言っているんだ?と思いますよね。
でもこの原理原則から逆算して実際のアクションをとっている人って少ないと思っています。
一つのヒントとなれば幸いです。
① KPIのどこに注力するの問題。ユーザーステップを定義して紐付けることをまずやる
自社で運営しているアプリはサブスク型で有料会員だと機能を全て使えるという形式。新規ユーザーは自動でフリートライアルの属性になります。これを前提に、チームで追っている数字については以下のようになっています。
■ アプリInstallまで
- Store上でのプロダクトページ閲覧数
- 各広告媒体の指標
- Install数
- CPI
■ アプリinstall後
セグメント① フリートライアルユーザー
- フリートライアル中のユーザー数(install数)
- フリートライアルユーザーのログイン頻度(MAU)
- フリートライアルからの有料転換数(CVR)
- 特定の機能の使用率
セグメント② フリートライアル終了したがアプリ活用している既存ユーザー
- 既存ユーザーのログイン頻度(MAU)
- 既存ユーザーの有料転換数(CVR)
- 特定の機能の使用率
■ サブスクライブ後
- 継続率
細かくするとまだありますが話をわかりやすくするために上記に留めておきます。ここで最も重要な指標になるのはどこでしょう?
売上に直結する「有料転換率」が一番注力するポイントだと考えるのが定石ではないでしょうか。ただ、これはプロダクトの状態にも左右されるポイントかと思いますが。実際問題、有料転換率が伸び悩んでいたので、真っ先にこちらが課題に挙げられており、施策を実施していました。例えば以下です。
キャンペーンたくさんやろう!
値下げだ!
プッシュでユーザーに知ってもらおう!
IAMも張り巡らそう!
結末として、優良転換率もアクセス数も伸び悩んだまま。キャンペーンの値下げで一時的に有料課金数が増えるが、マーケティングの一つの大きな役割である恒常的に売れる仕組みを作ることができていませんでした。
さてどうしよう。。ってタイミングで入社したのですが、そこで問題提起したのが以下です。
ユーザーの解像度を上げていない状態で有料転換率を上げることに執着しているな
※ユーザー獲得はある程度成功しており、実際に価値を感じてもらっているファクトもあるので、プロダクトのPMFはできているという前提でいきます。
そもそも有料転換をしてもらうためには、サービスの価値を感じてもらう必要があるべきで、そのためにログイン頻度もあげる必要があると思いますが、「売上がやばい!」となった時わかりやすい指標に食いついてしまって短絡的な思考に陥ってしまいがちです。
そこで、以下のようにCRM施策を実施して、一つのKGIである優良転換数の向上を目指すための各ステップの定義をしました。
ユーザーがアプリを使う目的・課題・習慣を理解できている(ジャーニーマップの作成)
自社のプロダクトが提供できるユニークな価値を定義(バリューポジションの明確化)
ユーザーの習慣を作るのではなく、寄り添った形でコミュニケーションをとることができている
ユーザーのアプリ上の動きにそってコミュニケーションをよりパーソナライズできている
ユーザーの習慣、アプリ上の動き、プッシュ内容でインタラクションが良かった訴求を軸に仮説を持ってキャンペーンやプラン案内をすることができている
これらに、ユーザーの具体的な動きや、定性的な目標と定量的なKPIを紐づけています。例えば、『ユーザーのアプリ上の動きにそってコミュニケーションをよりパーソナライズできている』のところには、プッシュメッセージのクリック数が紐づいています。
このステップと定義を共通認識として持っていると、チームとして優先度が高い指標が明確になってきます。どれも並行して進めますが、リソース分配を決める、チーム内で役割を分けるなどがしやすくなりました。
結果、そもそもアプリに帰ってきてもらうログイン頻度を上げなければ有料転換の可能性があるユーザープールが広がらないから、毎週50%50%でプッシュ通知の内容を変えてクリック数を追っていこう、というような会話が生まれ、施策内容の標準化ができるようになってきます。
これはCRM関わらず、強いマーケティングチームを作る上で初めからやっておくべきことだなと改めて考えております。
② カスタマージャーニーマップの罠には気を付ける
上記の過程で陥りやすいのは「カスタマージャーニーマップ」に沿って施策を実施することだと思っております。
カスタマージャーニーマップはチーム全体でユーザーを理解することや、各施策がどのフェーズのユーザーに対して実施しているのかなど共通認識を持つのに役立ちます。
しかし、自分達の主観や限定的なユーザーの動きがバイアスになるので、必ずしも正しいわけではないと考えています。
カスタマージャーニーマップをもとに、休眠しているユーザーをターゲットにプッシュ通知で復帰を促進しよう!購入数が少ない人に対して、メールで違う商品を紹介しよう!って誰しも考えると思います。
しかし、ジャーニーマップくらい抽象度を高くしたアウトプットをもとにしても思ったより効果がないっていうのが実情ではないでしょうか。
一回は使ったことがあるが、しばらく触れていないサービスから、「誕生日おめでとうございます!クーポンどうぞ!」と言われても何も感じない、みたいなコミュニケーションがあらゆるサービスで生じているといちユーザーとしても感じています。
ここに気づくまでに時間を要することも多いし、自分もそうだったのでここでシェアしておきます。
ここでブレイクスルーとなったのは、先述した通り『顧客の習慣を見つけて寄り添うこと』でした。
③ ユーザーの習慣に寄り添うってなんだ?
『習慣を作り出す』よりも、『習慣に寄り添う』方が難易度として低い上に、効果が出やすいと考えております。もっとアプリマーケに寄せると、適切なタイミングで適切なメッセージをプッシュ、IAMを使って届けることが重要です。
例えば、ダイエットアプリの「あすけん」をみなさんご存じでしょうか。
詳細はぜひ調べてみてほしいですが、ユーザーがアプリを使用するタイミングはある程度固定化されます。その一つが「食事を食べる前後」で食事を記録する時です。
だいぶ極端に書いていますが、このようにわかりやすい習慣があるのです。この習慣はどのサービスでも実は実在します。例えばポケモンでは、以下のような習慣・体験のサイクルが存在します。
ポケモン捕まえる → 戦って育てる → ジムで勝つ! → ポケモン捕まえる….
ユーザーの日常的な習慣、サービスを使うときの体験サイクルをトリガーとしてメッセージを送ってあげると摩訶不思議、わかりやすく数字が伸びやすくなります。
例えばあすけんの場合、「朝ご飯の記録をしているが、夜ごはんの記録があまりない人」をセグメントとした時、昼と夜ご飯にプッシュメッセージを送ることで、全体のユーザーアクセス数が伸びるといった具合です。
→ここの事例を参照した資料が見つけられず。。似たような話を見ことあるって方はご教示いただけますと幸いです。
私も運営しているアプリがユーザーの習慣に強く依存するものだったので、ユーザーが毎日のように体験するサイクルを定義した上で、コミュニケーション設計をしています。あとは、アプリ内で取得できるユーザーデータを使って、どこが一番インパクトが出る、ボリュームが多いのかを考えた上でパーソナライズ化したメッセージを試行錯誤しています。
結果的に、ユーザーのアプリへの再訪問数が向上し、優良転換率も少しずつ向上しています。
まとめ
若干長くなりましたが、まとめるとこんな感じです。
マーケティングチームの行動指針を作り、KPIもそこにうまく紐付ける
カスタマージャーニーマップは抽象度が高く、実際の施策単位で依存しない方が良い
顧客の習慣と体験サイクルを深ぼることが重要
ユーザーの習慣と体験サイクルをトリガーにしてメッセージのタイミングを見極める
アプリ内でのユーザーの動きを取得、セグメント化してメッセージをパーソナライズ化する
文章書くって難しいですね。。
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