放浪の天才数学者ポール・エルデシュ|アンドリュー・ワイルズの真逆の人生
尊敬する人の一人。
放浪の天才数学者『ポール・エルデシュ』
世界中の数学者に最も貢献したと呼ばれる人物です。
一般に数学者は研究のアイディアを盗用される可能性が高いため、少数で研究を行います。少人数で研究する方が成果を独占できる可能性があるということです。
例えば、問題の提案から300年以上をかかったフェルマーの最終定理に取り組んだアンドリュー・ワイルズは、この問題に専念した最終段階では、誰とも会わずに7年以上自宅の屋根裏部屋に引きこもって一人で問題に取り組んで、定理の証明に至った孤高の天才。
一方、エルデシュは生涯に約1500篇の論文を発表した数学者です。これ以上の論文を発表した数学者は、18世紀のレオンハルト・オイラーのみ。
その多くは共著でした。つまり、共同研究を数多く行い、若手研究者に必要としている適切な課題を与え、能力を向上させ、数学界全体の発展に寄与したということです。
しかも、鞄一つで世界中を放浪しながら、友人の家を転々としていたという放浪の数学者。旅行や必要最小限の物のための資金を捻出し、残ったお金は、「エルデシュの問題」(後述)を証明した人の賞金としていたという、本当に数学と数学に関わる人々のこと考え続けた人です。
アンドリュー・ワイルズは孤高の天才。
に対して
ポール・エルデシュは数学会の偉人。
どちらも素晴らしい人物ですが、私の様な凡人が見習うとしたら、ポール・エルデシュの与え続けるスタンス。
適切な課題を解かせるというのはその人が望む成長を促すものの、いわゆる方針が明確な会社の"指導"とは違う人の育て方ように思います。誰がどれだけの成果を出せるかわからない時点から、与えられるものを与え続けることで、多様な能力が開花したからこそ、数多くの共著論文が執筆され、数学会全体のレベルアップに貢献できた。
そして、その数学のために多くの人と会うべく、旅をして回った。
当時はスマホもネットもない。
突然、玄関先にポール・エルデシュが立って、「やぁ」と声を掛けられたら、今日はどんな面白い話が聞けるのかとワクワクしただろう。
やーー、凄い。。。全く足元にも及ばない。
ステキすぎる。いつか映画化されてほしい。
ポール・エルデシュ"お見知りおきを。
現代日本の2人の対談でも、
"個"の時代は終わり、"夢"を共有する時代へ
以下参考
■エルデシュ数
エルデシュに共著論文が非常に多いことからエルデシュ数を作った。エルデシュ数は、共著論文による結び付きにおいて、エルデシュとどれだけ近いかを表す。エルデシュ自身のエルデシュ数を 0 とし、彼と直接共同研究した研究者はエルデシュ数が 1 になり、エルデシュ数が n の研究者と共同研究した研究者は n + 1 のエルデシュ数を持つ。エルデシュ数 1 の数学者は、2007年2月28日の時点で511人いるとされる。