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#183 ビリー・ジョエル『素顔なままで』
#ビリー・ジョエル と #エルトン・ジョン は、同じピアノマンなので、よく比較される。
私は、断然、エルトン派なのだけれど、ビリー・ジョエルもまあ好き。
好きなんだけど、ちょっと、焦点の定まらなさ、というか、脇の甘さ、というか、そういうのが少し気になる。歌によって声もコロコロ変えるのも好きじゃない。多芸ということもできるけど、私は、二枚舌っぽく感じる。
代表曲はいくつもある中で「素顔のままで(Just The Way You Are)」は
、あまり好きじゃない曲の一つだった(ネガティブな言い回しばかりですまない)。
第一、編曲が好きじゃない。シンセのクワイアの音色のなんの工夫もなだらーーーーっとした伸ばしはひどい。ミックスもうまくいってない。たぶん、これは、気合を入れて作った曲じゃない。だけど、それがヒットした。意外だったのでは。
最近はこういった欠点も愛せるようになっている。というか欠点があるからこそ好きだ。気合を入れてないからこそ好きだ。こういった歌謡的な曲こそ、ビリー・ジョエルの「素顔のまま」なのではないかと思う。歌声の滑らかさも、彼のベストコンディションではないか。
大したリフじゃないサックス(有名だけれど #フィル・ウッズ )が効果的で悔しい。編曲が大したことないから、これが効いている。でもきっと、これも適当の産物。
シンガーソングライターなんて元来気ままなものだ。ビリー・ジョエルの初期の作品は「気ままのままで」のものが多く、大いに愛せる部分が多い。ただ、あまり売れない。そこからだんだんと作り物めいてくる。
『ナイロン・カーテン』や『イノセントマン』もいいと思うしよく聞くし、いつかレビューしたいけれど、世界に突きつける命題を無理やり引き出したような強引さが感じる。こういった強引さは、天性の天才にはなじまないものだ。
「ビリー・ザ・キッド」のように適当な口笛を吹きながら音楽を作っていればよいのだ。
あとは、もう「ガキか?」と思うような歌詞。でもこんな歌詞を持つ歌をアメリカ人は愛した。アメリカ人も捨てたもんじゃないな(なかったな)とふと思う。
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