8歳のボクが考えた不思議な話【案内フクロウ】
ある二人の旅人が、旅を続けていた。
その旅人たちが山をのぼりきったとき、一人が体調を崩してしまった。
山をおりて病院に行こうと思ったけど、もう暗い。
でも、そのままそこにいるのも無理そうだから、灯りを照らしながら山をおりた。
しばらく行くと、方角を見失って道に迷ってしまった。
すると、木の上に何かが見えた。
何だろうと思って灯りで照らすと、フクロウがこっちを見ていた。
フクロウは、音を利用して位置を正確に知ることができることをふと思い出して、なんとなく話しかけてみた。
「フクロウー、帰り道教えてー」
その言葉に答えるように、目をクリンと動かした。
でも、飛び立ってしまった。
「あーあ、いっちゃった」
そう思っていたら、ちょっと先の木に止まった。
こっちに振り返って、「ホー」とひと鳴きして、まるで自分たちを待っているようだった。
フクロウについて行ってみると、なんか山道をおりてるような感じがした。
振り返ってまた飛ぶを繰り返すフクロウについて行くうちに、気づいたら山をおりていた。
「はー、着いたー」
そう言っているうちにフクロウは、どこかに飛んでいってしまった。
また別のある日、見つけた鳥を次々と撃って捕まえる男の人が山に入っていった。
三羽のすずめを見つけて、銃をかまえてドーンドーンドーンと撃ちおとした。
銃の音にビックリした鳥たちは、一斉に飛び去った。
しばらく行くと、一羽のフクロウを見つけた。
フクロウに銃を向けて撃とうとしたら、それに気づいて逃げていった。
逃げたフクロウを捕まえようと男の人は追いかけたけど、なかなか捕まえることができなかった。
意地になった男の人は無我夢中で追いかけてたら、石につまずいてそのまま転げ落ちてしまった。
全身傷だらけになった男の人は、起 き上がりながら辺りを見渡すと、そこにはさっきとは違う見たこともない不気味な空間が広がっていた。
「ここはどこだ?」
男の人は体を引きずりながら歩きまわってみたけど、結局出口は見つからなかった。
その時、さっきのフクロウが「ホーホー」と鳴き続けながら、空を飛び回っていた。
あなただったら、案内フクロウに出会いたい?
出会いたくない?
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