8歳のボクが考えた不思議な話【決定コイン】
ある公園で、双子の兄弟が遊んでいた。
その公園の近くにはコンビニがあった。
双子の兄弟は、コンビニにいつも通りおやつを買いに行く人を、決定コインで決めることにした。
表が出たら兄で、裏が出たら弟が買いに行くというルールにした。
コインを地面に投げると裏が出て、昨日買いに行った弟が行くことに決まった。
だけど、弟は「昨日行ったから行きたくない!」と言って行きたがらない。
二人はしばらく話し合っていた。
「決定コインに従わないと、イヤなことが起きちゃうから行ってよ!」
「昨日行ったから絶対行きたくない!」
こんなやり取りを何回も繰り返していた。
兄は根負けして、「イヤなことが起きちゃうな~」と思いつつも、おやつを買いに行った。
コンビニに着いて、おやつを選んでからレジに向かった。
前に男の人がお会計を済ませていた。
男の人の順番が終わって、いよいよ自分の順番というときに、なぜかレジが壊れてしまった。
お店の人がレジを見てみると、
「お! これは、すぐに直りそうだ。 ちょっと待っててね」
そう言うが早いか、お店の人はレジを直し始めた。
五分くらい経ってから、直ったと思ってお会計をしようとしたら、レジが全く動かない。
「あれ? おかしいなぁ。 ごめんね、ちょっと待ってちょうだい」
別のレジに行こうと思ったけど、そのレジ以外休み中の看板が出ている。
しょうがないから、レジが直るのを待った。
直った?やっぱ直ってない?を一時間も繰り返して、やっとレジが直った。
お会計を済ませて、兄はすごい急いで弟が待っている公園に戻った。
「なんでこんなに時間がかかったの?」と弟は心配そうに聞いてきた。
「それがさ~、レジが壊れちゃってなかなか直らなくて、お会計ができなかったんだよ~」と兄が残念そうに答えた。
そしたら、「やっぱり、決定コインの決定に従わないと、こういうことが起きちゃうんだね~。 アハハハハ~!」
弟の笑い声につられて、兄もつい笑ってしまった。
決定コインに従わなかったからイヤなことが起きちゃったけど、弟の笑い声で一気に兄のモヤモヤは吹き飛んで、気持ちがスッキリした。
双子の兄弟の笑い声が、夕暮れの空に響いていた。
あなただったら、決定コインを使う?
使わない?
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