8歳のボクが考えた不思議な話【夜中に現れる地縛霊】
ある男の人が、真夜中に自分のマンションに帰ってきた。
エレベーターに乗って、自分が住む5階のボタンを押すと、とびらが閉まった。
5階のボタンしか押していないのに、なぜか2階に止まった。
すると、顔が青白くて雰囲気も暗い感じの男の人が乗ってきた。
男の人は「途中の階から乗ってくるのってヘンだなぁ」と思っていた。
しかも、2階から乗ってきた青白い男の人は、降りる階のボタンを押さない。
「あれ? なんで押さないんだろう?」
そう思って振り返ると、
青白い男の人が満面の笑みを浮かべてこっちを見ていた。
男の人はギョッとした。
怖くなって、とっさに次の階の3階のボタンを押した。
3階に着くのはすぐのはずなのに、とても長く感じた。
3階に着いた瞬間、あまりの怖さに男の人はエレベーターから飛び出した。
冷や汗をかきながら階段を駆け上って、4階に着いた男の人は少しホッとした。
息を整えながら、歩いて階段を上ってやっと5階にたどり着いた。
「うわーっ!!」
男の人は、思わず悲鳴をあげた。
なぜならそこには、青白い男の人がまた満面の笑みを浮かべて、通路の真ん中に立っていたからだ。
男の人は、生きてるここちもなく自分の部屋に駆け込んで、急いで部屋の鍵を閉めた。
「なんであの人5階にいたんだろう? ちょっと待ってよ。 そういえば5階に着いた時、エレベーターは5階に止まってなかったよな? だとしたら、どうやって5階に来たんだ?」
そんなことを考えていると、だんだん怖くなってきた。
けど、夜も遅かったし、その日はとにかく寝た。
その後も何度も青白い男の人を見るようになったから、男の人は引っ越した。
引っ越した後は、青白い男の人を見ることはなくなった。
後でわかったのは、そのマンションでエレベーター事故があって、男の人が亡くなっていたということだった。
あの青白い男の人は、エレベーター事故で亡くなった男の人だったのだろうか。
あなたのマンションのエレベーターは、大丈夫ですか?
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