あなたの好きな匂いは?―感情の75%は嗅覚に関連する?―
イタリア版ELLEの雑誌を読んでいたら、このように記されていて、意外だと思った。
それを知る人には、もしかして当然のことなのかもしれないが、たとえば、視覚や聴覚から受ける影響の方が分かりやすく、多いように思っていた。
味覚や触覚も、それなりに様々な感情を呼び起こし、わたしたちを刺激すると思われる。嗅覚もこの感覚に準じるもののように思っていたが、感情の75%が嗅覚に関連するとは驚きだ。それは、匂いフェチの人がいるのも自然なことか。
以前に、文章での嗅覚に関する描写は、視覚や聴覚的なものの描写よりも難しいという話を、小説仲間としたことがある。
というのも、バリエーションが少なく、ワンパターンに陥りやすい気がしたからだ。失礼ながら、その方の執筆されていた作品内での嗅覚の表現がパターン化しているように思えたので、そこをより改善するにはどうしたら良いかと、一緒に考えてみたのだ。自分でひねりだそうとすると、これがなかなか難しいことに気付く。そこで、読んでいる作家の本から嗅覚に関する表現を見つけたら抜粋して、勉強したものだ。
ところで、イタリアのTV番組で「100% Italia」という番組がある。
イタリア在住の100人の老若男女をスタジオに集め、色々な質問に答えた結果をクイズにして、2組のペアがクイズに答えて賞金を競うという形式の番組だ。
クイズ形式はいくつかあるが、そのひとつに「1%」というものがあり、選択肢の中に1人だけが答えたものがあるが、それを選んだら負けという形式。
先日の「1%」の出題の中に、「好きな匂い」というものがあり、選択肢は、
Caffè(コーヒー)
Benzina(ガソリン)
Pizza(ピッツァ/ピザ)
の3つ。
この中で1人だけの回答をした人は女性だ。
それ以外の選択肢を答えなければいけない。
さあ、みなさん、シンキングタイム………
1番多かった「好きな匂い」は、「Caffè(コーヒー)」。
これは、イタリア人のコーヒー好き、コーヒー文化を考えると納得で、わりと簡単。
「Benzina(ガソリン)」の匂いが好きな人なんて、マニアックじゃない?と思わないでもないのだが、この100人のイタリア人の中にはけっこういたらしい。クイズ挑戦者の人の中でも、ガソリンの匂いはけっこう好きと言っている人がいた。
日本の人でも、ガソリンの匂い好きの人はそこそこいるものなのか??
選んではいけない100分の1の選択肢は「Pizza(ピッツァ/ピザ)」だった。美味しそうな匂いだし、イタリア人だし……と思いきや、1人しか回答しておらず、驚きなのは、「ガソリンの匂い>ピッツァの匂い」というところだ。
これが、日本人の老若男女100人に「好きな匂い」と尋ねたら、どんな選択肢があがってくるのか興味深いところだ。
想像するに、花の匂いや食べ物の匂いが思い起こされるような気がする。みなさんだったら、何の匂いと答えるだろうか?