原作を読みたい性格でして
僕は、観たい映画やミュージカルがあると、原作を読みたくなるという性格です。以前、書もつシリーズで感想というか紹介を投稿にした「レ・ミゼラブル」という作品、言わずもがな日本でも有名なミュージカルになっています。
そして、数年前、ミュージカルの演出が大幅に変更され、映画化されたとき、映画の公開前に読みました。もともと気になっていた作品でしたが、原作はあまりのボリュームで、躊躇していたのです。
映画公開まで1週間。
伝統ある岩波文庫、600ページで4巻編成という強敵でした。当時読んだ作品は、やや古めの言い回しなどもありましたし、翻訳特有の文化的・歴史的背景の理解(ほとんど理解はしてなかったけども笑)にも時間が必要でした。
タイトル通り、どの登場人物にも影があり、また歴史がありました。生きていくことの苦しさを描くことで、だからこそ生きることは明日につながるという、そんな元気をもらえるような作品でした。
ちなみに、ハッピーエンド、という終わり方ではありませんでした。(だいぶ意訳しています。)
毎日毎日読んでいると、現実の街並みとパリの街並みが混在したり、近くの路地には登場人物たちが暮らしているような気持ちになりました。
仕事でミスしてももっと辛い境遇の幼いコゼットを思い、上司から詰められてもジャベールのように奮い立ち、お客さんから非難されてもジャンバルジャンのように強い気持ちで対峙しました。
いちいち登場人物が頭に浮かんでは消え、ストーリーは気になるし、映画どころではなく、小説にのめり込むこと数日。
そのおかげが、映画公開の前日に読み終わったのです。やったよ、ジャンバルジャン。
いよいよ映画を観てみると、小説の場面たちが思い浮かびました。そして何より感動したのは、音楽の素晴らしさ。普通ミュージカル映画って口パクというか、なんとなーく歌と声が合っていないこともあるのですが、これは違うようでした。ほんとうに歌っている感じだったのです。
のちのち、歌を先に歌ってから、伴奏を合わせているのだと知って、納得。ミュージカル映画としては、とても珍しい手法と聞いて、作品を大事にしてるんだなぁと感じ入ってしまったのです。
小説では、音がない緊張感というか静けさの中で場面を空想するのですが、映像化されて音楽が流れることで、物語に命が宿ったように見えました。
ただ、原作の長大さに比べて、映画はとても断片的で印象的なシーンばかりがつなぎ合わされたかのような物語になっていました。だから、登場人物の心の動きがなかなか掴みきれないうちに次の場面へと進んでいる感じでした。
文字で追いかけた場面に音楽がついて、役者が語り歌う。それは素晴らしいことでしたが、原作の文字数と対峙してきた者としては物足りなかったなと、ちょっと思いました。
とは言え、サントラを買い、せっせと聞いては原作と映画の場面を思い起こしたりていました
。
そんな時のクセが、未だに残っていて、ちょっとストレスがかかる場面があると、
「コゼットに比べたら・・僕の苦労なんて何だ!」
と奮い立たせています。
ありがとう、レミゼ。ありがとう、ユゴー。
(冒頭に出てきた投稿はこちら)
☆ ★ ☆
この話は、“noteの良心”と心の中で勝手に呼んでいる、ともきちさんの企画に乗っかりました。明日が締め切り!いやー、間に合った(合わせた笑)。
企画の紹介はこちらに!ほかの方の投稿のレベルが高いこと。
どなたでも参加できるというのをいいことに、締め切り前日になってしまいました・・。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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