掘ってトレジャー
宝石と呼ばれるのか、パワーストーンと呼ばれるのか、その基準はよくわからないけれど、石はなぜだか惹きつけられるような存在です。
河原に行けば、投げて水切りをする子どもや、黙々と積んでいる大人がいます。
京都に行けば、石の庭が有名なお寺の人気は言わずもがな。しかもその寺では、最後のひとつの石は庭には実在せず、心の眼で見よという教えが伝えられていたりして。
いま我が家には、ツヤツヤの石がたくさんあります。山梨県にある温泉に行った時に、立ち寄ったお店のお土産なのです。石ですが、色が鮮やかだったり、透明だったりすると、なんだかワクワクしてきます。
泊まっているホテルで子どもが見つけたチラシには「宝石探し」とありました。土に見立てたゴムチップ(細かいゴムの欠片)の中から、宝石を探して持ち帰ることができるとのこと。
たまたま、旅行支援のクーポンがもらえたこともあって、そのお店に行くことにしました。
4歳以上、ひとり1,100円
4歳未満は保護者と一緒、1組1,100円
発掘には制限時間30分と決められていました。4歳未満は、ゴムチップで満たされた大きなボウルを受け取って、テーブルで席について探せる仕組み。
発掘前の説明から驚かされました。
発掘した石を入れる容器は、一般的なプラカップなのですが、そこに“すり切り一杯”入れていい、なんて言っていたのです。
よくある詰め放題系のおもちゃとしては高額の部類に入るだろうけれど、にしても大盤振る舞いな気がしました。
30分という時間も良心的。ゴムチップの中には、それなりにたくさんの宝石(石)が入っていたようですが、上の子は綺麗な石だけを集めていました。
保護者によっては、子どもの近くまで寄って、熱心に場所やら掘り方やらを指導している方もいました。(発掘エリアには大人は入れないけれど、周辺から声掛けはできる)
僕はというと、なんとなくのんびりしたかったので、見るとはなしに子どもを見ながら、残り時間を伝える程度。
時間には余裕があったものの、石の選別をして器に入れていた子は、最終的にはカップの7分目くらいまでの量にとどまりました。とはいえ、透明だったり綺麗な色だったりして、とてもセンスよく選んでいました。
妻と下の子チームは、ボウルの中から、カップすり切り一杯分の石を見つけ出していました。・・おそらく、4歳未満用は初めからカップ一杯分の石が混ぜられていたのでしょう。
妻は「ほんとうに欲しい石、好きな石だけを選ぼう」として、石が見つかるたびに聞いていたらしいのです。
しかし、下の子は「たぶん好き」という言葉を駆使して、結局ほぼ全ての石をカップに入れたらしいのです。言葉の力・・!
大きな原石や、宝石が販売されている売り場を見ながら「これって、海外旅行で参加するツアーで、必ずと言っていいほど立ち寄る宝石店みたい」だと気がつきました。
中国、台湾、タイ、オーストラリア、グアム、どんな場所でも、ツアーに参加するとなぜか立ち寄った宝石店。まさに、その雰囲気でした。
安いか高いか分からないし、何より宝石などあまり興味のない夫婦。チラシについていた「プレゼント券」で、宝石くじと呼ばれるくじ引きをして、またもや家族で石を手に入れました。
石にはそれぞれ意味が込められていますが、僕は「優しさ」でした。
山梨県は、宝飾産業が盛んなのだとか。併設されている博物館も、いろんなところから集めました!という感じで、やや昭和の香りのようなものを感じました(笑)。宝石が好きな人、石が好きな人は、楽しい場所かも知れません。
帰宅して、ジャラジャラと石で遊ぶ子どもたちを見ていると、一人だけ宝石探しを体験できていなかったことに気がつき、ちょっと惜しいことをした・・と思うのでした。
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