
諦めて放棄できるようになった話
最近、「言っても無駄な人に対して諦めること」ができるようになりました。一見冷たく聞こえるかもしれませんが、これは自分を守るための重要なスキルであり、できるようになって良かった!と心の底から思っています。
私は昔から、人に何かを教えることが好きでした。大学時代には塾講師のアルバイトをしていて、わかりやすく伝える工夫をするのが楽しかったのを覚えています。仕事でも同じで、誰に対しても熱心に、責任感を持って教えていました。
しかし、ある時気づいたのです。「全員に対して同じ熱量を注ぐ必要はない」と。いくらこちらが真剣に教えても、全く響かない人間がいるのです。どれだけ時間を割いても、どれだけ丁寧に説明しても、まるで砂漠に水をまくような徒労に終わることがあるのです。
そのきっかけをくれたのが、同じチームの派遣社員Xでした。
4年間働いているのに、なぜ?
Xは、私の会社に派遣として4年間在籍していた人でした。部署の再編成があるため毎年チームは変わるものの、彼女はずっと営業事務を担当していました。私は営業事務の経験が2年しかなく、Xのほうが圧倒的に長くこの仕事に携わっているはずでした。にもかかわらず、基本的な業務の流れやルールを理解していないようで、まるで彼女だけパラレルワールドにいるかのようでした。
Xは、以下のような問題を引き起こしました。
こちらからの連絡に1時間以上返信がない(派遣でありながらコロナを機にテレワークを許可されていたので、基本的にXとのやりとりはチャットやメールだった)
メールを確認せず納期を無視
上司に連絡・相談せず自己判断で休む
基本的なことを知らない・自分で調べる気になれば調べられることを調べず、チームメンバーや営業へトンチンカンな質問をする
自己判断で仕事を進めてミスをする
あまりに問題児すぎるので週の半分は出社するよう命令されても無視
正直、ここまで仕事への姿勢がテキトーな人は初めてでした。ただ、彼女が自分で考えることを完全に放棄していることだけはよくわかりました。
私のエネルギーがオフになった瞬間
Xは何か分からないことがあると、いきなり関係者に質問を飛ばします。しかし、その質問の内容があまりにも意味不明で、関係者からクレームを受けるほどでした。
そこで、私と同僚のNが「Xの面倒を見る係」に任命されました。
具体的には、方々に投げられるXのトンチンカンな質問を一次受して解読し、適切な指示を彼女へ出すことが役目でした。
でも、これが本当に苦痛でした。
私は自分の仕事も山積みなのに、Xのトンチンカンな質問に答えなければならない。質問の意味が分からないので、こっちから質問をしても、返ってくるのは「承知しました」の一言であることがほとんど(何を承知してるんだ??)。
あげくの果てには急ぎの案件を割り振っていたのに返事がなく、結局私が巻き取ることに。
そのとき、ふと気づきました。
この人は、やる気がないし、教えたこともきっと理解していない。教える私のエネルギーが消耗するだけなんだ。
翌日、私は課長に直談判しました。
「Xの面倒を見るのをやめたい」と。
課長は驚いていましたが、最終的にOKが出ました。
その瞬間、私の中でXに対する興味がゼロになりました。 彼女の仕事がどうなろうと、もうどうでもいい。 それが、ものすごく清々しい感覚だったのです。
私は冷たい人間だろうか?
「同じ職場で働いている以上、協力するべきじゃないか?」 「見捨てるのは酷いのでは?」
そう思う人もいるかもしれません。
でも、やる気のない人の尻拭いを、真面目にやっている側が負担するほうが理不尽じゃないですか?
私がXに関わらなくなっても彼女は特に変わらず、勤務態度は相変わらずでした。
そして数ヶ月後、Xは契約解除となりました。理由は、勤務態度の問題(当たり前ですよね)。最終出社日も特に変化はなく、帰りに挨拶もなし。
彼女から学んだこと
この経験から、私は一つの大切なことを学びました。
「言っても無駄な人間は確かにいる」
そして、そういう人に対して期待せず、諦める能力を身につけました。
もし今後、また同じようなことがあったら、私は迷わず自分から切り離すでしょう。 なぜなら、それは「冷たい判断」ではなく、「自分を守る力」だからです。