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言語化力

三浦崇宏 著

購読後に見たamazonレビューには批判的なものもあったけれど、私にとっては魅力でいっぱいの書籍だった。

「言葉」が自分の目の前にある出来事に価値(変化と、その方向と距離)をもたらすことができる。相手を、世の中を動かすことができる。「言葉」の持つ力は無限大に活かすこともできるし、甚大なマイナスを生むことだってある。意識して、言葉に繊細になりたい。


「なぜ、言葉にする力が大切なのか」

「Life in Contents」という言葉が著者の大きな武器になっている。著者の家庭は元々裕福だったが、子供の目にも分かるほど経済状況が苦しくなり、一家でそれまでとは全く違った環境の団地に引っ越すこととなる。この状況を笑いに変えて周囲に伝えると覚悟を決めた。目の前の状況を、良くも悪くもするのは自分の言葉だ。そして現代では、ネットやSNSの発展によって一般の人も「伝える価値と力」を持つ時代だ。むしろ有名人の言葉やCMのコピーよりも、一般の人から自然に溢れ出た言葉の方が「共感と速度」を生んで拡散することだってある、そんな時代だ。


言葉にならない感覚的なことを言葉にする。スタンスを決め「なぜ?」を自分に問い続ける。

それは自分と同じでない他者に分かってもらうため。言葉にならない感覚的なことは、言葉よりも実は大切だが、それを表すためにもまた、言葉がある。どんなモノにだって価値はある。「その価値をどう伝え、理解できるか」で価値が変わる。無理にでも言葉にして、数をこなし質を上げていこうと思う。

スタンスを決めると(好きとか嫌いとか、そんなことで構わない)、そこから「なぜ?」の深堀りができる。そうすると、課題や問題の本質に近づける。なぜそう思うのか?を深堀り、深堀り、また深堀り。


交渉とは「鮮やかな妥協」である。

これって、仕事でなくても、家族、恋人、パートナーとの関係性の中で意識するとすごく良いんじゃないだろうか。相手がコーヒーメーカーが欲しいと言ったとする、でも、本当に欲しいのはコーヒーメーカーそのものなんだろうか。もしかすると「日常の中で、少しだけじっくりと、ものを一緒に作ったり、一緒に過ごす時間」なのかもしれない。「相手が本当に欲しいものは何か」を見つけ出す、そのために言葉で歩み寄る。



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