《気味のいい不気味さ!氷菓原作者のイヤミス!》『儚い羊たちの祝宴』米澤穂信【読書感想】
ちなみに「イヤミス」とは「読後、嫌な気持ちになるミステリー」らしいです。
著者
米澤穂信(よねざわ・ほのぶ)さん
あの有名なアニメ『氷菓』の原作を書いている方。
『氷菓』シリーズのアニメは見て、
『いまさら翼といわれても』と『ふたりの距離の概算』は読みました。
この二つの印象からは、爽やかで最後にスッキリするミステリを書かれる方だなっていう感じだったけど…これの作品は!
出版社(年)
新潮文庫(2011年7月1日)
端末
kindle
読了日
2021年9月6日
きっかけ
暇そうにしてたら大学の後輩に紹介されたのがきっかけで
作者の名前に見覚えもあったので読んでみようかなって!
あらすじ
夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。翌年も翌々年も同日に吹子の近親者が殺害され、四年目にはさらに凄惨な事件が。優雅な「バベルの会」をめぐる邪悪な五つの事件。甘美なまでの語り口が、ともすれば暗い微笑を誘い、最後に明かされる残酷なまでの真実が、脳髄を冷たく痺れさせる。米澤流暗黒ミステリの真骨頂。
amazonから引用しました。すみません。次から自分で書きます、たぶん。
感想
同一の世界線での出来事を描いた短編集。
まず読み切って頭にこびりついた言葉は
アミルスタン羊…
強烈なタイトルの回収。
私は初めて聞いた言葉だったんですけど読書家にはよく知られた言葉なんでしょうか。
この本を読む方は意味を調べずに読んでください。
登場人物が全員どこか歪んでいる。
その歪んでいる人物越しに描かれる世界。
途中で
狂ってない人間なんているのか
って思い始める。
各短編で起承転結をしっかり使ってラストにゾワっとさせてくれる。
それぞれの短編の不気味さも申し分ないけど、
やっぱり最後の話が一番好き。
すべての短編に登場するキーワード「バベルの会」。
これを軸に最終話で一気に全部が貫かれる。
こういう人にオススメ
後味のよろしくないミステリが読みたい方。
湊かなえ作品とか『向日葵の咲かない夏』が好きだった方。
上記に比べれば衝撃はちょっと物足りないかも。
昔の邦画ホラー映画のようにじわじわ来る不気味な感じが心地よい。
読みやすさ
時代背景が少し昔で、お手伝いさんとかが結構ありふれた時代のお話だけど
書いてある文章や表現時代は現代。
難しい比喩や専門用語も出てこないので読みやすいと思います!
次に読みたい本
何となく時代背景が読みかけだった太宰の『斜陽』っぽい。
積読本消化のチャンス。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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