【クマの王子様と魔法使い】作・マイラ
「クマの王子様と魔法使い」
作・マイラ
僕はクマ!
名前はクマのクー王子!
そう、僕はクマの王国の王子なんだ
僕には可愛い妹がいる
とってもチャーミングな妹なんだ
そのお姫様の妹を守るのは兄である僕の役目なんだ
何故かって!
それは妹は目が離せない冒険家だからなのです。
妹は普段はいつもお庭や近くにある野原でお花摘みをしている
今日もいつもの野原でお花摘みをしていたら
「お兄さま、今日は少し遠出をしてみないかしら?」
と言い出した。
ほらほら、やっぱり目が離せないなぁ。
「帰りが遅くなるといけないから、
あんまり遠くには行けないよ
でも、少しだけなら大丈夫かな?」
と言って少し遠くまで行ってみた。
僕らは広い野原をてくてくと歩いて行った
少し行くと野いちごが沢山あるところに出た
「まぁ、お兄さま、野いちごが沢山あるわ。
お父様とお母様に持っていきましょう。」
お茶目な顔をして妹はにこにこしながら楽しそうに
野いちごを持ってきたかごに山盛りいっぱいにとりました。
野いちごをこぼれそうなくらい摘んで帰りました。
かごにいっぱいの野いちごをみると
「これはこれは野いちごがこんなにいっぱいある!」と
いつものお花ではなく野いちごをみて
王様も女王もそして大臣も喜んでくれたので、
妹と僕はとっても嬉しくて、
次の日も、その次の日も野いちごを摘みに行った
ある日、いつものように野いちごを摘みに出かけた。
すると妹は…にこりと笑みを浮かべて、
「お兄さま、今日はもうちょっと遠くまで行ってみませんか?」
と言いだした。
言い出したら中々きいてはくれないお姫様!
これは仕方がないです。
勿論、僕と妹は探検して遠くに行くことにしました。
僕達は野原から少し入った森の近くまできた
少し行くと大きな林檎の木があるところにでた
妹が思わず叫んだ!
「まぁ!お兄さまみてみて!美味しいそうな林檎があるわ。
今日はこの林檎を持って帰りましょうよ。」
と妹が林檎の木に近づくとそこには何と、
大きな林檎の木の下には犬がいるではありませんか!
「びっくりしたわ、犬さん、私は林檎が欲しいの、
そこをどいてくださらないかしら」と言って
少しでも林檎の木に近づくと「ゔ〜!」と犬は唸っている!
妹はとても怖くて林檎の木に近づくことはできないのでした
犬はまるで、林檎の木を守っているかのようです。
困った妹は
「お兄さま、どうしましょう。何かいい方法はないかしら?」
美味しいそうな林檎を少しでも持って帰りたい妹は
何とかして犬の気持ちをそらしてみたいと思いました
「う〜ん!困ったわ、何かいい方法はないかしら?
そうだわ、お兄さま、お兄さまが犬さんに話しかけてみたらどうかしら?
お兄さまなら、優しくてきっと犬さんも唸ることはないと思うの
その間に私が林檎をひとつだけ取るっていうのはどうかしら?」
妹はいつも良い案を言ってくれる。
僕は
「どうかなぁ?この犬さんはちょっと手強そうだけど、
よし、やってみよう!」
そう言っていると!
「それはやめてほしい」
「お願いだから、この林檎の木から林檎をとってはいけない」
と何処からか声が聞こえてきました
「え!え!」
2人ともびっくりしてしまいました。
だって!それは、りんごの木の方から聞こえてきたからです。
「誰かいるのか?」と王子は叫びました
すると静かに話し出しました。
「私はこの林檎の木の番人です。
この林檎の木は我が王国のお姫様なのです。
お姫様が林檎の木にされてしまったのです。
ですから、林檎を取るとお姫様の身体を痛めてしまいます。」
と、何と!犬が喋っているではありませんか!」
2人は又また、びっくりしてしまいました。
「え!お姫様が林檎の木にされてしまったの?
どうしてそんなことになってしまったの?」
と尋ねると犬は、又喋りました。
「実は、私は隣国の者です。
私はお姫様の家来なのです。
お姫様はこの森がとても好きで、
隣国から馬に乗ってよくお出かけになりました。
途中で一休みをして、ここで見つけた
林檎の木の林檎をとったばかりに、
この林檎の木の持ち主の魔法使いに林檎の木の中に
閉じ込められてしまったのです。
そして私は何と!犬の姿に変えられてしまいました。」
「トホホ!」
「ですから、私は何年もここでお姫様をお守りしています。
ですが、お姫様の姿を元に戻す方法がわかりません。
何とかして、お姫様を元の姿にしたいのですが…」
と呟くようにぽつりぽつりと話してくれました。
王子は訪ねた
「その魔法使いはどこにいるのか?」
犬は
「あの山の古い建物に住んでいるようです。
時々ここにやってきて林檎の木の周りをしばらくみて
何も言わずに立ち去っていきます。
きっと見回りに来ているのでしょう」
「あ!もしかしたら、今日あたりに又くるかもしれません。」
それを聞いた王子は両手をポンと合わせて、
「よし、僕がお話をしてみよう」
「僕は魔法使いなんて怖くないぞ!」
と言い出しました。
犬は
「王子様!そんな無謀な!無理です!
あなた様はわかっておいでですか?相手は魔法使いですよ。
こわ〜い、恐ろし〜い魔法使いですよ。
その魔法使いにお姫様は林檎の木に
私は犬にされてしまったのですよ。
下手なことをすると、あなた様も何にされるかわかりません!」
「そして、お側にいらっしゃる可愛いお姫様もです♪」
だが、僕はキッパリと言った、
「よ〜く聞いてくれ!僕には、お話をするという武器がある。
魔法使いだって心というものがあるのさ
きっと、話しをすればわかってくれるかもしれない」
犬は言った
「きっと、この林檎の木には魔法使いに関係のある
何かがあると思うのです。
だから、この林檎の木から林檎をとってしまったから、
お姫様は魔法をかけられてしまったのです。」
僕はそれでも言った
「魔法使いだって何もしなければ、きっとわかってくれると思う」
そんなことをお話していると…
青白い光がふわふわっと
向こうからやってきたんだ!
そして魔法使いがすう〜っと現れた!
「わぁ〜!」
妹はびっくりして立ちすくんでしまった!
そりゃ、一瞬のことで
僕もびっくりしたけど…
次の瞬間に、気を取り直して僕は息を飲み込んだ
「こんにちは、魔法使いさん」
「僕はこの国の王子です」
と言うと魔法使いは僕をじっと見つめて「あら、こんにちは、
可愛い王子様、私に話しかけてくるなんてあなた、珍しいわね」と言いました。
僕は
「あなたはいつも1人なんですか?
お友達はいますか?
もし、あなたが許してくださるのなら、
そして、もし…私があなたのお友達になりたいと言ったら
お友達になってくれますか?」
「バカな!何を!私のお友達ですって!
あなたは正気なの?
今まで、私を怖がる人はいても、
お友達になりたいなどという人はいなかったわ」
「ほほほ!」
「あなたは自分の言っていることがわかっているのかしら?」
「魔法使いとお友達だと言ったら、あなたはみんなから嫌われてしまうわよ。
それでも、お友達になりたいと思うのかしら?」
僕は魔法使いに優しい顔をして話した
「僕は誰でもお友達だと思っているのです。
ただ、お友達に聞かないと失礼になるので、
お友達になってくださいってお願いするのです。」
すると魔法使いはちょっと困った顔をして
「あ!ええ、あなたちょっと変わった可愛い王子様なのね
そうね、今までお話し相手なんて誰もいなかったわ。
あなたが本当にそう思うのなら、お友達になってもいいわよ」
僕は飛び上がって喜んだ。
「わぁ〜い!本当ですか?
僕はとっても嬉しいです。
では…魔法使いさん、お友達になった印に、
あなたの頬にキスをしましょう」
魔法使いはびっくりしました。
「まぁ!王子様、あなたはなんて可愛い、
そして綺麗な心の持ち主なんでしょう」
「でも、本当に変わった王子様だわ」
そう言って王子様の前に顔を出しました。
王子様も嬉しそうです。
2人は友達になった印にお互いの頬にキスをしました。
すると!
どうしたことでしょう!
いきなり魔女はクルクルっと舞い上がり
出しました。
キラキラ、ふわふわと回って!上まで行って
地上に降りてきました。
すると、何ということでしょう!
そこにはなんと綺麗なお姫様が立っているのです。
周りには白い煙が漂っています。
そして不思議なことに、林檎の木に閉じ込められていた、
隣国のお姫様も犬にされていた家来も
み〜んな元の姿に戻っているのではありませんか?
魔女にされていたお姫様は言いました。
「魔法は全て溶けました。ありがとう。心の綺麗な王子様」
「あなたは本当に心が純粋で綺麗な心の持ち主だわ
あなたの綺麗な優しい心がこの全ての魔法を解いたのです」
「私は東の国の姫です。
私はいつも1人ぼっちで寂しがり屋さん、
お城にいる時には、誰も本当のお友達になってはくれませんでした。
私に近づく人達は皆私の地位を利用しようとする人ばかり、
心の濁った悪巧みを考える人々ばかりです。
私はそんな人々を見て悲しくなりました
ある日、私は悲しみのあまりに耐えきれず
馬に乗って遠出をしました。
疲れて途中でひと休みをしていると、
目の前に洞窟がありました。
私は引き込まれるように
その洞窟に入って行ったのです。
洞窟の奥深く入っていくと周りに沢山の小人達が居ました
小人さんは私の悲しみをほぐすようにして
忘れさせてくれていたの…
ところがいつの間にか気がつくと何と
泉に映った私の姿は魔法使いの姿になっていたのです。
私の心は悲しみのあまりに魔法使いの姿になっていたのでしょうか?
それとも、私の悲しみの心で何か違う力が働いたのでしょうか?
私はそれからは誰にも会わないようにして
何故かしら、自分でも不思議なことに、
いつの間にかこの場所を大切にしているのです。
この場所は何か不思議な力が働いているような気がするわ
決して他の人達がこの場所には近寄ってはいけないのです。
だからこの場所に林檎の木を置いたのです。
林檎の木から異様な光が時々出ることがあるの
そして林檎の木を触ってはいけない。
だから、この林檎の木から林檎を勝手に取ろうとした
お姫様をこの林檎の木に封じ込めてしまったのです。
そして、家来を番犬にしたのです。
でも不思議だわ。
こうして私も又、元の姿に戻ったわ。
きっと、王子様!あなたの優しい心で魔法が解けたのでしょうね
王子様、ありがとうあなたは英雄だわ」
と言って喜んだ。
僕達は何がなんだかわからずにぽかぁ〜んと立ちすくんでいた
なんだかわからないけど、みんな元の姿に戻ったみたいって大喜び!
歌って踊ってクルクル楽しい様子
「なんだかわからないけど、魔法が解けたよ、みんな良かった」
と大喜び!
そして又、不思議なことに大きな林檎の木はなくなり
林檎の木のあったところには大きな洞窟の入り口になっていました。
僕と妹は興味深く洞窟の奥を覗いてみた
すると…洞窟の奥にはキラリと光ものが見えたような!
「はは〜ん!」
勿論、探検が好きな妹と僕は目と目を合わせてウィンクをした。
じつは、この森の洞窟の奥には悲しみを食べてしまう
「魔物」が潜んでいたのです。
魔物は小人の姿になってお姫様の悲しみの心を
バクバクと食べてしまったのです。
そして残った身体を魔法使いに変えていたのでした。
魔物の威力は綺麗な心や優しい心には通じません
王子様の綺麗な心で解けてしまった魔物の力でした。
魔物は又、洞窟の奥深く潜り込んで行きました。
魔物は又、深い眠りにつくのでしょうか?
それとも…悲しみの心を求めて起きて来るのでしょうか?
おしまい
作・マイラ
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