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【2024/12/31】ミュージアムグッズ愛好家の頭の中「今年グッときた展覧会5選」

皆さんこんにちは、ミュージアムグッズ愛好家の大澤夏美です。もう大晦日だー!!年々、年末年始に対する実感が薄れていくんだけど、一生こんな感じなのかな。

さて、今回の記事では今年見た展覧会でグッときたものを5つ紹介します。これぽーとにはすでに3つ展覧会を選出したのですが、それ以外でグッときた展覧会を5つご紹介します。

これぽーとの記事はこちら↓

本当は買ってよかったミュージアムグッズとかも紹介したかったんだけど、ちょっと年内には間に合わなさそうだな…。


1.森美術館開館20周年記念展 私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために(森美術館)

今年の年明けに見た展示。現代美術を久しぶりに見て幸せだったのもあるし、出展されていた作品で好きなものが多かったんですよね。

エミリヤ・シュカルヌリーテの《時の矢》という映像作品がめっちゃ好きだったんだよね。

地中海の地震活動によって水没した古代ローマの都市バイア、リトアニアのイグナリナ原子力発電所、CGで合成された海底環境に設置されたクラウドサービスなどが映し出されています。

サイボーグとも解釈される人魚が泳ぐ姿が美しいなーと思ったのと、こうやって文明が滅んでそれらを渡るように泳ぐ姿ってまさに、手塚治虫の「火の鳥」ですよね。

ニナ・カネルによる《マッスル・メモリー(5トン)》は、北海道産の5トンの貝を床に敷き詰めたインスタレーション。私たちはこの貝の上を歩くことができ、それに伴って貝殻は踏みつぶされ細かい破片や粉になっていきます。

コンクリートの材料としてもつかわれる石灰石が作られるプロセスを体験でき、生物の一部だったものが次の生物が暮らす建物の素材になっていく…。

個人的な話なんですが、幼いころに住んでいた酪農関係の試験場の近くに、このようにホタテの貝殻が山積みになっている場所があったんですよ。今思えば石灰を作ってたんですね。

夏でも北風が沁みるホタテの貝殻の山の頂上から見下ろす景色、結構自分の原体験になっているなと再発見でした。

2.ハニワと土偶の近代(東京国立近代美術館)

これはもう!多くの人が選出するのでは?という、ここ最近ではかなり骨太で興味深い展覧会だったかなと思います。

個人的にすごく良かったなーと思ったのは、ミュージアムショップにたくさんPOPがあったことなんですよね。

手書きだよね?意外とこんなふうにしっかり手書きでPOPつけてるミュージアムショップって少なくて、見てほしいポイントを紹介したいという熱意が伝わったな。

展示作品では、猪熊弦一郎の《Haniwa 1》が好きだな!

3.青山悟 刺繍少年フォーエバー 永遠なんてあるのでしょうか(目黒区美術館)

春に見た展示。これも良かったですね。青山悟作品を久しぶりに見られて嬉しかったし、こうやってまとまってたくさん作品を見られる機会があるっていいすね。

「Everyday Art Market by Satoru Aoyama + ATMフェイス」の取り組みを過去に『ミュージアムグッズのチカラ』で紹介したことがあったので、ワンコーナーでしっかり紹介されていたのも良かったな。

《刺繍家たち(名もなき刺繍家たちに捧ぐ) #4》という作品のシリーズも良かったんですよね。

古い写真に作家の手で刺繡を施した連作。タイトルの通り、刺繍をする市井の人々のメタデータは残っていないことが示唆されます。ここに、この展覧会のサブタイトルである「永遠なんてあるのでしょうか」という言葉が効いてくるんですよね。

割と近いことを最近呟いたばかりで。もう過去だからって何をしていいわけでもないし、特に近現代はご存命の方もご家族の方もいらっしゃるしさ。

あと、「時代の手触り」ってどうしたって残らないものなのかな。私が若者として生きていた平成の手触り。記憶は記録としてでしか残せない。それが人間の悲しい定めなんだろうか。(これもまた「火の鳥」に近しいテーマ)

なのでまあ私としては、記録に頼らない形での私の「永遠」をどう留めて残していけるかが喫緊の課題。そんなことを考えさせられた展示でした。

4.かんさつのじかん(武蔵野市立吉祥寺美術館)

武蔵野市立吉祥寺美術館、お伺いするのは初めてだったんですー!

荒井真紀さんの美術館収蔵作品や絵本原画が展示されていました。

細部の描き込みの凄まじさはもちろんですが、一枚絵として見た時の構図の取り方が巧みすぎるんですよね…。

これはグッズとして欲しすぎるな…と思ったら、絵本ナビとのコラボグッズがやはり素敵だったんですよね。こちらからまだ買えます↓

私はコチラのトマトのハンカチは買いました。他にも色々ありましたが、このみずみずしさと構図に惹かれました。

5.アニメージュとジブリ展 札幌会場(サッポロファクトリー3条館特設会場)

ノーマークだったのですが、行くとかなり骨太の展示で見応えがありました。

ミュージアムグッズもジブリグッズだけでなく、アニメージュの表紙を使ったものがありました。そもそもこのショッパーが素敵だよね。

編集部デスクの再現展示もあり、「自分たちが新しい時代を作るんだ」というような強いエネルギーを受け取りました。

アニメという作品を文化として文脈に位置づけていくにあたり、このようにメタ的に紹介できるメディアの存在は重要で。私も「ミュージアムグッズパスポート」を大事に作っていきたいなと。

あとは上記の内容、昭和54年11月10日のアニメージュで宮崎駿が語っていたことなんだけど(峰不二子のあたりは私の感想)、本当に人間への解像度が高いよね?

宮崎駿のルパン作品はカッコいい怪盗というより、人間の情けなさと、その情けなさを共に分かち合える「連れ」との関係性を描いたものだったんだな…と見る目が変わりました。学びのあるいい展示でしたね。

おわりに

12月も終わりの更新になってしまいました。反省…新年会もあるし、楽しんで健康に行きたいものです。

2024年12月の振り返り月報はまた明日以降で書くか…なんか色々間に合わなかった…それではまた、次回(来年ですね)の更新をお楽しみに!

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