
幾線の 流れ重ねて 水面草【美術鑑賞 モネ睡蓮のとき】
今週、午後に国立西洋美術館の企画展「モネ 睡蓮のとき」に行ってきました。
(以降は、専門性を全くもたないただの私の感想ですので、悪しからず)
国立西洋美術館は、まるで、某テーマパークのように、何重にも待ち行列が整備されていました(ちなみにこれは入場券購入待ちの列)。
私は人からいただいた予約券があったので、「入場券お持ちの方はこちらに」というビラに促されるまま建物の右手脇を通る迂回コースへ。
コースをずっと歩いたその先、入り口はすでに30人近くのまたまた別の待ち行列…
え?今日は平日だよね…
東京芸大に通う友人の話によると、西洋美術館は休日平日どの時間帯でも行列があり、もう平日の昼だからといって空いているわけではないようです。
7年前に一度行ったとき、そんなことなかったのに…
大袈裟ですが、世の中の常識がどんどん変わっているのでしょうか。
20分近く待たされて、ようやく入館(ちなみにコインロッカーもいっぱい…でかいリュックを引っ提げての入場でした)。

モネの作品のお出迎え(ここから先は撮影禁止)
まあ、人で溢れていました。
今回の作品は20世紀最初の頃(1907年くらい?)から、
モネが50歳を過ぎてからの作品が展示されていました。
せっかくなので、目の前でしっかりモネの作品を味わおうと最前列決め込み、前の人の後に続き、ゆっくりゆっくり一枚ずつ見ていきました。
次第に湧いてくる合理主義者の感情…
”うん?私は何を見さされているのだ?”
というのも、筆のタッチが比較的細い線を幾重にも重ねて描かれているだけ。
見えたままの色がおそらく何度も重ねて塗られている。
ところどろこは塗られていない箇所もあったりして…
”そうめん?”(食いしん坊にも程がある…)
この緑や青や黄色の濃淡の細い線しか追いかけることができず
題名と絵が結びつかない。
枝垂れ柳の絵なんて、本当にどれが柳の枝で、どれが葉っぱなのかわからない。
日本の橋を描いているときも橋が全くわからない…
モネさんは晩年目をやられて感覚だけで描いていないか?(白内障は患っていた様ですが…)
やっぱり絵心ない人間には芸術は理解できないのか…
とか邪念が入る中、すすめていきました。
最後の方になり、「バラ園から見た画家の家」では
何がバラでなのが家なのかさっぱりわからず、
いい加減疲れてきた私は、中央の椅子で一休み
そこからこの絵を眺めました
なんと!
見える。バラも家も。
引きで見るとしっかり情景が見える。
というか伝わる。
そうか、こう見るのか…
そう思い、展示場を人をかき分け引き返し、
柳も日本の橋も睡蓮の絵ももう一度見てきました
全部引で見ると、見える見える、橋も柳も睡蓮も水の深さも時間も季節感もくっきり見える。
そうか、そうか、本来絵って、カフェとかで飾ってあるものは
遠くで見て楽しむものだしな。こうやって楽しむのか…
ある意味、自分の中で納得。
いや、でも、待てよ。
モネは描く時は至近距離でこの線を幾絵にも重ねて描いている
でも遠くで引いてみてこの情景が伝わるのは、、
やっぱりここにモネの才能があるのか…
改めてモネの作品に敬意を表しました(「そうめん」とか言ってごめんなさい)。
私は水墨画を好んで見る方で、あまり油絵を見ないのですが、
好きな方の気持ちがわかってきました。
きっと油絵描く方のさまざまなタッチや技法があるはず
それを近くで見て、引いて全体をみて楽しむ…
絵の鑑賞の仕方がほんの少しですがわかってきました(そんなの絵を描く方なら当たり前でしょう。と思う方、申し訳ございません)。
以降は、撮影許可が出たエリア、睡蓮シリーズです







当たり前ですが、描く前、最初は平面の白いキャンバスなのですよね。
そこに水面に浮かぶ睡蓮と周りの柳をはじめとする情景、
池は池、柳は柳、睡蓮は睡蓮、しっかり描かれていながらも
全体の立体感というか融合が見える。
そして、ただ、それだけの一風景なのに
なんだかんだで、見ている人の心が癒される、魅了される。
絵画鑑賞っていいものですね。
と、小学生みたいな感想ですが改めて思いました。
この後、自分へのご褒美にと
記念にショップで本やT-シャツとかでもと思ったら、
ショップに入るのにも入場制限が。
入り待ちで、とうとう建物の外に待ち行列。
20人以上はいるような…
買い物するのにも、またテーマパークの入場待ちをさせられるのか…
一気に興醒めし、買い物は諦めました。
ーーーーー
初めての方、こちら私の西藍希 簡易サイトマップです🔻
毎日俳句を読みながら日記書いています(ほぼつぶやき)
甘野さんの共同運営マガジンにも参加しています
そして、一句集からKindle本を去年出しました
よかったら読んでください(Unlimitedの方はそのまま読めます)
お立ち寄りいただき、本当にありがとうございます