読書感想文「BUTTERバター」柚木麻子著
昨日、夜中0時半くらいに読み終えました。
男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子。若くも美しくもない彼女がなぜ。
わかる人は、この文章だけでわかるかな?
あの、『木嶋佳苗』をモデルにした物語です。
今回もネタバレありになってますので、知りたくない方はスルーでお願いします。
まず、
表題の『BUTTERバター』のとおり、とにかく、胸焼けするくらい、バターが出てきます。
たぶんですけど、途中で読破できず挫折した人もいるんじゃないかな?
そのくらい、バターが出てきます。
これ。男性の感想も聞きたいですね。
面白かったかどうか。。。
ここまでバター推しして、ラストが七面鳥っていうのも、はしご外された気分だし、正直、自己満で書いてるなってシラけた印象があります。
ここまで、バターできたなら、最後までバターで終われよ!みたいな。
物語としては
週刊誌記者の主人公、町田里佳が、東京拘置所にいる梶井真奈子に接見するようになり、次第に里佳の内面も外見も変貌し、彼女を取り巻く友人や恋人の運命も変えていく。。
正直言って、私てきにはこれだけでも良かったくらいです。
まぁ、バターが物語の繋ぎとして、必要であった部分もありますが、ここまでの量は絶対いらない!
ちょっと、話が脱線しますが、
私は、昨今の読書離れの一因は、こうした、無駄なストーリーの記述、よく言えば丁寧に描かれてるってことになるんだろうけど、細かすぎる描写や説明は退屈だし、筆者の自己満にしかみえない。
そして、それを賞賛するかのような評論も。。。
だから、逆に、もったいないとも思う。
全体的に、面白かったか面白くなかったか?と言えば、
ギリ面白かった!です^^;
まぁ、私の場合、面白くなかったら最後まで読まないので、585ページ読破したってことは、それなりに面白かったからだと思います。
ただ、ほんと、150ページくらいまでは、ほぼ『苦痛』でした。
ほんとに、余分なもんをあちこちに装飾したせいで、一番読み応えの部分がきても盛り上がりにかける。
興奮度が低い。
魚は刺身で食べるのが一番おいしいのに、わざわざ炙ったり、妙な手を加えて、「これ、なんの魚?」っていうのと同じです。
途中で、主人公が梶井真奈子に最後裏切られるシーンがあるんだけど、そこも中途半端だった!
もっと、それまでの過程を振り切るくらいのストーリー展開をしていれば、あそこで興奮度はピークに達していたのに、先ほどから書いてるように、
まるで、バターというお題を与えられたから、無理くりバターのくだりを書かなきゃいけないかのごとく、バターを絡めたもんだから、興奮度もイマイチだった。
しかも、最初に書いたように、そこまでバター、バターときて最後が七面鳥ですからね。
これを最初に読んだ編集の人も、よく突っ込まなかったなぁと思う。
まぁ、私のような凡人には、この良さがわからんのだろうなぁと言われれば反論の余地なしですが。。。
585ページの長編ですからね。
そして、『木嶋佳苗』という、現実にあった事件を題材に使ってますから、それなりに取材し、それなりに重厚感のある部分はあります。
それだけに、本当にもったいない!
惜しい作品だと私は思ってます。
オススメかと聞かれれば、中古か図書館で借りて読むことをオススメします。
そして、読まれた方はぜひ、感想を聞かせてほしいです。