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【イギリスのお菓子】自家製ルバーブでクランブルを作る。調理用りんごブラムリー。

8月下旬、ルバーブを収穫する

今年は二回目のルバーブ収穫。

ルバーブは好きですか?

フキが巨大化したような植物で、茎の部分を加熱調理します。強い酸味を活かして、砂糖を加えてお菓子にしたりジャムにする。

イングランドの気候に適しているようで、家庭栽培するのも簡単。

庭に植えておけば、ルバーブが初夏から夏までたくさん採れる。肥料無し、手入れ無しで、ぐんぐん成長する。

葉っぱが大きい!そろそろルバーブの季節も終了。

葉っぱにシュウ酸が含まれているので、あまり触らないように手袋をしてから、茎の根元の部分から引き抜くようにルバーブを収穫する。

茎の部分を洗って、食べやすい大きさに切り分けてから砂糖と合わせれば、クランブルのフィリングは完成。

旬のルバーブを使ったクランブルは、季節を感じるイギリスのお菓子。


イギリスの家庭菓子、クランブル

ルバーブとりんごをスライスしてオーブン皿に並べる。
ルバーブ400gとりんご100g。

クランブルの作り方は簡単で、材料もシンプル。ザクザクと切ったルバーブとりんごを耐熱皿にいれる。砂糖を混ぜ合わせてからクランブル生地をのせて焼くだけの簡単お菓子です。食後のデザートとして人気。

ソフトブラウンシュガーを合わせる。

シャープな甘みが欲しいときは、グラニュー糖かカスターシュガー。
優しい甘さが好みなら、ソフトブラウンシュガーがお勧め。

グラニュー糖よりも少し細かい粒。しっとりしている。


ガラスの密封容器に保存している。


180度のオーブンで35分~40分焼成。

今回は円形の深さのあるオーブン皿を使ったので、いつも使う楕円形の皿で焼くよりも火の通りが遅かった。やっぱり、クランブルは平たい皿で焼く方がいいかもしれない。

缶入りのカスタード。ジャグに注いでレンジで温める。簡単なのに美味しい!

温かいカスタードを添えて、いただきます!


グーズベリーと野イチゴも入れてみた。

自生しているワイルド・ストロベリー。甘酸っぱい。

数日後。久しぶりのクランブルが美味しかったので、今度は違う果物を入れて作ってみた。

材料は、摘んできたルバーブ200、りんご150、冷凍しておいたグーズベリー100g、野いちご(少し)。

火が通りやすいように、前日の夜にフィリングはすべて混ぜ合わせて置き、冷蔵庫で保存。翌日、室温に戻してから、クランブル生地をのせて180度のオーブンで35分焼成。

果汁がぐつぐつとしてきたら焼き上がり

【感想】
予め果物と砂糖と混ぜ合わせておいたせいか、前回よりもフィリングが柔らかく仕上がった。果肉が崩れにくいりんごやルバーブを使うときには、この方法が向いているかも。グーズベリーは風味が強いので、やっぱりルバーブとりんごだけの方が良さそう。あと、熱々よりも少し粗熱を取ってから食べた方が、フィリングの味が馴染んで美味しいと思う。


イギリスの調理用りんごが「ブラムリー」一択になった理由

9月後半からはローカルの果樹園で栽培されたブラムリーも並ぶ。

現在、イギリスの調理用りんごとして店頭に並ぶのはブラムリーのみ。

どうして、そういう状況なのか?


アップルフェスティバルの展示から

ブラムリーズ・シードリングは、苗木商ヘンリー・メリーウェザー氏によって市場に紹介された。1876年にはRHS(英国王立園芸協会)の品評会へ出展されて高評価を得る。国内でたちまち人気となり、イースト・アングリア地方で大々的に栽培されるようになった。そして、イギリスの調理用りんごとして現在まで親しまれている。

渡英以来、様々なりんごで、アップルパイとクランブルを作ってきた。品種は不明だが、ご近所からのおすそ分け。果樹園から摘んできたものなど多種多様。いろいろ試した結果、加熱調理した後でもブラムリーのような酸味があるりんごは、ほとんどない。

しかし、ブラムリーが調理用として最も特出しているのは、加熱した時にとろりとしたテクスチャーになるところ。この柔らかいリンゴのフィリングによって、アップルパイ、クランブルが美味しく仕上がる。これをイーティング・アップルで作ると、リンゴの形がそのままで、少々硬さも残る。好みの問題かもしれないが、私はトロッと柔らかく煮崩れている方が好き。
もちろん、酸味が強いことも利点の一つだが、こちらの方は、酸味の少ないリンゴでもレモン果汁やルバーブを加えて調整すれば、ある程度補える。


調理用りんごとしての利用法

アップルソース。とろりとした甘酸っぱい食感。

チャットニーやアップルソースを作る時は、酸味があり煮崩れる調理用りんごを使う。やはり、ブラムリーで作るととろりとした感じに仕上がり特に美味しい。英国には、古くより調理用のりんごが存在した。そのまま生食するのではなく、加熱調理して食べるりんごだ。その歴史は古く、ヴィクトリア朝には様々な品種が生まれたが、ブラムリーズ・シードリングは特別なりんごだと改めて思う。代用するにも、他に似たようなものがないと思う。見た目が同じようなりんごはたくさんある。しかし、加熱してブラムリーのようにとろりと煮崩れるりんごには出会ったことがない。(ご存じの方がいたら、ぜひ教えてください!)

現在の英国で調理用りんごがブラムリー一択なのは、育てやすい、美味しい、調理しやすい。と、利点が多いからなのだと思う。


ドーセット・アップルケーキ。

ちなみにリンゴをケーキに焼き込む場合は、たいていのリンゴは柔らかく焼き上がり美味しく仕上がる。酸味を重要視しないのも要因かもしれない。そのせいか、ケーキのレシピには様々なりんごが用いられる。ドーセット・アップルケーキをはじめ、イーティング・アップルを使って作るケーキのレシピは多い。

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