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幸福のために、何を犠牲にするか〜「お金の減らし方」を読んで~

 
こんにちは、ちゃんももです!
 
今回はこの本、「お金の減らし方」です。
 
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余談ですが、森博嗣氏は私の中ではミステリィ作家(このィが大事)。
 
もう20年以上前のことですが、当時通っていた高校の図書室で「すべてがFになる」をたまたま発見してから、同氏の小説を手当たり次第に読み漁った記憶があるのですが…(「封印再度-WHO INSIDE-」なんか、タイトルのオシャレさに度肝を抜かれましたよ)
 
ここ数年あまり子育てやなんやらで本が読めない生活が続きまして、しばらくぶりにお名前を拝見したところ…
 
「なんか、いつのまにか小説以外の本もいっぱい出してる!!」
 
とびっくりしながら、今回はこの本を読んでみました。
 
 
 
さて、肝心の内容。

この本、一応テーマは「お金」となっていますが、

「お金」だけでなく、「時間」や「労力」といった自分のコスト全般をどのように使ったら人生が豊かになるのかという話のように思いました。 

内容を要約すると
 
「自分の人生において『コストをかけてまで行いたいと思える、好きなことや大事なこと』をしっかり自覚し、それが最大化されるように人生設計をする」

ということかな、と。
 

 
その中でも、今回は私が個人的に気になった部分を抜粋してお話します。
 
 

「お金」を言い訳にするときは、100%お金のせいではない


 ではさっそく抜粋から。


ではなぜ普通の人はポルシェを買わないのか。
(中略)
ポルシェを買ったら、ゲームが買えなくなる、友達と飲みに行く金がなくなる、家賃が払えなくなるなどの切実な問題が生じる可能性が高い、という判断をする場合もあるだろう。(中略)しかし、要約すると「それほどまでしてほしくない」という意味だ。
 
こう考えていくと「お金がないから」という理由は、ただ言葉として、当たり障りのない理由を(ある意味、遠回しに)述べただけであり、いわゆる「一身上の都合」と同じことと言ってもよいだろう。

結局は「ポルシェを買いたくない」から買わない、とほとんど違いはない。
 
 


いや、これですよ。


確かに、本当にやりたいと思った人は、他のことを我慢できないかとか、何とかしてお金を集められないかとか、お金がかからない方法はないかと言うことを、おのずから試行錯誤をするはずで…
 
「今、手元にお金がない」という理由だけで諦めてしまうのであれば、【それほどまでしてほしくない】、まさにそのとおりなんですよね。
 
 
ちなみにですが「○○だから出来ない」という理由に挙げられる1位がお金だとして、2位3位4位にくるのは多分

「家族(夫(妻)、親、子供)の事情で」
「時間がない」
「自信がない」

あたりかなーと。
 
(ちなみに、家族の事情は「家族が反対する」「家族が体調不良だったり大変な状況だったりするために、自分が好きなことをやっている場合じゃない」みたいな感じ)  


でもまあ、これも結局はお金と同じで、実体としては「この問題と向き合ったり、乗り越えたりする努力をしてまでやりたくない」…ということなんでしょうね。
 

みんなベストを選んで生きているってどういうこと?



さて、この抜粋部分にはまだ続きがありまして 


人は自分の欲望を常に満たす行動を選択する。(中略)
 
誰もが、自分の思った通りに生きている。一見、不満を抱え、不自由を強いられているようにも見えるし、本人もそう自覚している場合が多いのだが、傍から見ると、誰もが自分が一番したいことをしている。
 


 
実はこの本でいちばん大事なことなんじゃないかな、と私が感じたのはここ。
 

自覚的な部分では、みんな不満だったり、思い通りにならない、という部分を抱えているけれど、

制限がある中でも、なんやかんやみんな一番やりたいことを選んでいるわけです。


 
‥と言うと


「『お金がある』状態が望ましいのに、お金手元にないなら、その時点で思い通りになってない!制限の中でしかやりたいことができないんだから、全然思い通りになってない!」

と思う方が多分いると思うのですが…



正味な話、

『なんの痛みも制約もなく、欲しいものを得られる人っていない』

んですよね。 

何を犠牲にするかは、平等に選べる


例えば「お金持ちはお金の苦労がないから、欲しいものはなんでも買えるんだろうな」とか「うまくいっている人は、ラッキーで何の苦労もしていないんだろうな」

という誤解をしている人がよくいますが、

たとえばお金持ちだって「お金持ちじゃない状態から、お金持ちになるためにあれこれ苦労」していたり、

お金を持っているという状況だけでそれに伴う苦労(例えば税金対策とか、お金目当てによって来る人への対策とか)をしているわけで

必ず『痛み(言い換えると対価)』を引き換えに、今の状況を手に入れているわけです。
 

その痛みの部分って、人からは見えにくいのですが

要は、『何も犠牲にせず、何の対価もなしに、何かを得るということは基本的にありえない』のですね。



つまり⋯  

全てが潤沢に整っていて何かを選ぶという自由はないかもしれないけど、

「手持ちのカードの中で、今、何を犠牲にするか」ということは選ぶ自由は誰にでもある、というわけです。



つまり

「お金がないけどがんばってやる」「お金がないからしない」というのは

【欲しいもの】と【お金(あるいはそれを補填するための行動)】のうちどちらか一つ選んでと言われて

それぞれちゃんと好きな方を選んでいる状態

ということなんですね。


好きなことや大事なことを明確にしないと行けない理由



で、ここで冒頭の話に述べた

「『好きなことや大事なこと』をしっかり自覚し、それが最大化されるように人生設計をする」

という話に戻るのですが…



人は犠牲にするものを常に選んでいるという考えに立った場合、

ここの『好きなことや大事なことを自覚』しないとどうなるかというと…

漫然と、なんとなく怖いからやらない、めんどくさいことはしたくない、みんなからよく見られたい、皆から変だと思われたくない…等という目先の利益を追ってしまうため

結局、満足度の低い人生になるということでもあるんですね。


 
何が欲しいか明確でなければ、なにを我慢するべきか見えてこないので、結局人生の迷子になる、というわけなのです。



この本では

「お金持ちは、目先の贅沢を嫌い、長期的な利益を選んでいる」

「お金があるから好きなことができるのではなく、好きなことのためにお金を作ってそれをやる」

ということも書かれていまして…


『自分の中で目標や得たいものを明確にする』ってマジ大事

そして

それをベースに、優先順位の低いものから犠牲にできるようにならなければ、幸福度は上がりにくい

ということなんだなーと。


目的を明確にすることの大事さと、主体的な選択について、改めて考えさせてくれる良書でした。



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