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死にたい日に思い出すあの日のこと。

数え切れないほど自ら命を絶とうとした。

目を覚ますと病院のベットで、いろんな管に繋がれた自分の体をどこか夢心地に見る。

あー、また死ねなかった。
また生き返らされた。
またこっちの世界に引っ張っられた。

「この点滴終わったら帰っていいからねー」


呆れたように言う先生の言葉を憎んだ。

だったらほっといてくれ。


生きられない人もいるのに。
病気に甘えるな。
命をなんだと思ってるんだ。

そんなお説教、ごめん。
あなたの一言がわたしを死に向かわせるんだ。

怒りと一緒に死への衝動を強めるんだ。


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今でも思い出す。
あの日、一歩踏み出していたら。と。


わたしは学校の帰り道死のうとした。
特急電車が通るその駅は、わたしを毎回死へと導いた。

その時ばかりは本気だった。
一歩踏み出す気だった。

「お願いだから電車だけは止めないで」

そんな時にも嫌いな親の顔が浮かんだ。
鮮明に言葉が浮かんできた。

嫌いな親に死んでも恨まれるのだけは嫌だった


----- 死ねなかった。-----

特急電車の風がいつもより強く私の体に吹きつけた。

黄色い線の内側にいたからだ。
その風が、不思議とわたしに涙を流させた。

死ねたのに。

あの日確実に死ねたと思った。
今でも死にたくなるとあの日の情景が頭に浮かぶ。
あそこまで死に近づけた日はあれで最後。
またあの日に戻りたい。

だって、もう十分すぎるほど生きたんだもん。

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