教室よりも、茶室が唯一の学校の居場所だった②
前回のお話の高校編を書きました。
中学では茶道部に所属していた私でしたが、高校では茶華道部に所属することになりました。
茶道は中学で習っていたので慣れていましたが、華道は初めてでした。
この部活の経験が、私の価値観を変えたきっかけになりました。
5日間の学校のうち週2部活があり、水曜日は華道、木曜日は茶道といった感じで活動していました。
こちらもゆったりとした環境で、優しい人たちがいっぱいいて有意義な部活動を送ることができました。
「ただ単に花を生けるのではなく、いかに花を美しくみせるかが重要。」
講師の先生がいつも言っていた言葉でした。
花を生けている時の時間はあっという間に感じられました。元々飽き性で長時間何かをやるのが苦手なのですが、花を生けている時だけはすごい集中力を使っていました。
たぶん、私はそういう独特な世界観のあるものが好きなのかもしれません。花を生ける才能があるかないか別にして、頭で考えなくても自然と自分の身体に身についているような感覚がありました。
茶道を習ってた影響もあるかと思います。自分のやってきたことは生かされているんだと当時の私は嬉しく感じました。
小学校まで場面緘黙症だった私は少しずつ話せるようになりましたが、高校生になっても教室の皆と馴染めませんでした。
特にグループで集まっている子たちを見ると、怖くなってしまい、通りがかる時は目立たないようにそっと離れていることが多かったです。
自分はあまり変われてないと苦い思いをしましたが、無理して思いきり変わろうとしなくてもいいな、と思えるようになりました。
教室ではうまく話せなくても、部活動で部員の皆と楽しく話せるようになり、小学校の自分と比べたら断然、大きく変われたからです。
大丈夫、少しずつ成長できるようになるよ。楽しいと思える場所に出会えるよ。
と小学生の頃の自分に言ってあげたいです。
この部活に入って本当に良かったと思います。
そして、華道を習ったことで花が好きになりました。今でも道端に咲いている花を見ると、心が癒されますし、花を生けたいなと思います。
茶道もやってたことで抹茶や和菓子が好きになり、おもてなしの大切さを学びました。
休みの日に家でお茶を点てたり、花を生けてのんびり過ごす、いつか、そんな自分の趣味を心から楽しむ生活を送りたいなあと思います。
自分の心から望む居場所は、意外と身近なところにあるかもしれませんね。
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