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【梅園魚品図正】(22) 鰻鱺(うなぎ)/泥鰌(どぢやう)/鷹羽泥鰌(たかのはどぢやう)/鰌魚(あかどぢやう)

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『梅園魚品図正 巻1


鰻鱺魚 ウナギ

河魚類

『多識扁(無鱗類)』出 鰻鱺魚 ウナギ
 ムナキ 古名『萬葉集』

『本草綱目』曰 『釋名』白セン、蛇魚、乾者 風鰻

輪の内、築地、両国川、及び 神田川筋にて釣る者を江戸前と云。又、本所、千住、高輪前にて釣る河魚の味、最上品とすべし。

『萬葉集』 第十六巻 大伴の家持、石麻呂にわれ物申す「夏やせによしと云物ぞ、ムナギとりめせ」

癆瘵伝尸の病の蟲を殺す妙薬と云。中華の書『稽神録』にも出せり。

※ 「癆瘵」は、肺病のこと。労瘵ろうさい
※ 「傳尺」は、 肺結核の古称。伝尸病でんしびょう

『夲綱』曰  鰻□魚
 ヲナキ    誤名
 ウナキ    今名
 ハジカミイヲ 『和名抄』
 クチボソ   彦根
 カニクヒ   同上 口中の赤者を云
 ヲチウナキ  秋に至り流に連落るもの

『通志略』 鰻■  [■は禾+勿+魚]
 鰻魚 同上
時珍『食物本草』曰 江鰻□
『異魚図費』及『海鹽縣図径』出  江鰻
『正字通』 □

※ 「異魚図費」は、『異魚図賛』と思われます。

元日
『和名鈔』以 鰻 □  ヲ  ズ 波之加美伊 ト 
 鱣魚  無奈 ト 
鱣魚 字、国俗 宇奈岐 云 誤也。
宇奈岐  鰻□ 也。
鱣魚 不加フカ 云 鮫之類也。
又『和名抄 ニ 鱓魚  衣比ヱヒ  
鱓魚   テ 鰻□  海中  
水蛇 云 湖中産物 詳也。

二種共乙未六月晦日
捕忍池清瀧落河 真寫


泥鰌 ドヂヤウ

梅雨廿日 真寫
河魚類

『多識扁(無鱗類)』出 イウ魚 トヂヤウ
 泥鰍 和俗

『尓雅』曰  鰼魚
『大和夲草』 泥鰌


鷹羽泥鰌 タカノハドヂヤウ

甲午三月廿二日 三河嶌邉捕 真寫

『本草』曰 鷹羽泥鰌 タカノハドヂヤウ
 シマドヂヤウ  京師

※ 「京師」は、京都のこと。


鰌魚 アカドヂヤウ



筆者注 『梅園魚品図正』は、江戸時代後期の博物家、毛利梅園による魚図鑑です。説明文書は漢文体が中心でのためパソコンで表示できない漢字が多く、漢文の返り点と送りがあります。読みやすさを考え、パソコンで表示できない漢字は □ とし、名称の場合はできるだけ [■は〇+〇] の形で示すようにしました。

また、漢文の返り点と送りはカタカナと漢数字、振り仮名と送り仮名はひらがなで記載しています。
この作品に引用されている文献については、こちらの note を参照してください。 → 【梅園魚品図正】文献まとめ

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