飯鮹(いひだこ)
飯鮹(いひだこ)
飯鮹 漢名 望潮魚
摂泉紀播州に多し。中にも、播州高砂を名産とす。是鮹の別種にして、大さ三四寸にすぎず。腹内白米飯の如き物充満す。食鑑に云、江東 未 此物を見ず。安房、上総などに 偶 是ありといへども、其真をしらずとぞ。
漁捕は、長 七八間のふとき縄に、細き縄の一尋 許 なるをいくらもならび付て、其端毎に赤螺の殻を括りつけて、水中に 投。潮のさしひきに波動く時は、海底に住みて穴を求るが故に、かの赤螺に隠る。これをひきあぐるに貝の動けば、尚底深く入て引取に用捨なし。
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