肥後国 田植之図 刈場之図
肥後国 田植之図
皇国の米産地球中第一等とす。就中、美濃、肥後、伊勢、尾張、遠江、肥前、日向、山城、大和、駿河、伊豆、近江、三河を上等とす。米は、粳、糯の二称にして、八十八夜前後に種子を俵に包み、池泥に十五、六日浸し、水より揚て、湯を灌ぎ、むしろをおほひ、芽 二分ほどいづるを度として、苗代に散布し、のち、五十日ほど経て、苗三、四寸のびたるを玉苗といひて、これをうゑつけの期とす。
同 刈場之図
農家の婦女子、笠を併へ、袖をつらねて、唄をうたふて、苗をうゑる。是を、早乙女という。扨、うゑ付の後、度々手入れをして、秋に至り、花も散り、穂もそろひて、用水を抜、日光に田を干て、鎌を以て刈とり、竿にかけて、五日ほど干し、把把にてこきおとし、●扇にとほし、節にかけ、また、と●みにて、精粗を区分し、木臼にかけてすりたて、万斛簁にて●籾を●●、升に斗りて俵にをさむ。
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筆者注 ●は解読できなかった文字を意味しています。
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