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【梅園魚品図正】(27) 金鎗魚(まぐろ)
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金鎗魚 ハツ マグロ
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『雜字簿』云 金鎗魚 ハツ マグロ 江都
『食療經』云 鮪 和名之比 一名 黄頬魚
『爾雅』云 大 為 鮪 小 為 叔鮪
寿桉叔鮪 即 古未久呂
※ 「南呂」は、陰暦八月の別名。
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小鮪 コマグロ
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小鮪 コマグロ 江戸
メシカカツヲと呼。鰹の名を得ること一决 難 仕。
『尓雅』の注、郭璞が説に鮪大小を分ち三等とす。
本邦の王鮪(シビ)、叔鮪、■子[■は魚+各](メジカ)等也。
西州 五嶋、平戸にて多く捕る。西土にては、マグロをシビと云。最中扁なるを鮪と云り。又、其小なるをメジカと云。漁人 ■ [■は魚+邑] として、遠に送る。■堅魚と云 [■は魚+邑]。
武江皆、ソウダカツヲと云。又、一種ソウダカツヲと云者有。一種形狀同而文理異れり。鮪と形不同。目バチ、ビン長●有。
※ 「郭璞」は、西晋・東晋の文学者で卜者(占師)。
※ 「五嶋」は、長崎の五島列島。
※ 「武江」は、江戸のこと。武蔵国江戸。
王鮪
マグロ 江戸
シビ 西国
ハヅ 大坂
王鮪、鱘魚 、同物。 鮪 同 名。
鱘魚は、江戸にて云カジキマグロ也。西国にてアシナミ、土州にてカジキ通シと云。舩を頭にて貫ぬくと云。
鮪、伊豆にて秋多く釣る者、三四尺の者肥、外、平戸にて漁する者五六尺。
支那南京にては丈余大毒ありと云。
此小鮪を塩漬にして、多く遠きより送商ふ。魚戸塩鰹と云て、賣る者也。生なるはキワダと云。第二帖小鮪の条に説。
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筆者注 『梅園魚品図正』は、江戸時代後期の博物家、毛利梅園による魚図鑑です。説明文書は漢文体が中心でのためパソコンで表示できない漢字が多く、漢文の返り点と送りがあります。読みやすさを考え、パソコンで表示できない漢字は □ とし、名称の場合はできるだけ [■は〇+〇] の形で示すようにしました。
また、漢文の返り点と送りはカタカナと漢数字、振り仮名と送り仮名はひらがなで記載しています。
この作品に引用されている文献については、こちらの note を参照してください。 → 【梅園魚品図正】文献まとめ
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