番匠 鍛冶
※ 「子の日の松」は、正月の子の日の遊びに引く小松。
※ 「ほぞ」は、枘。木材と木材を接合するときの突起側のこと。これを他方に作った枘穴に差し込んでつなぎ合わせる。
鋳物師 刀拵師
※ 「つば」は、刀の鍔。
※ 「なんばんてつ」は、南蛮鉄。
※ 「めぬき」は、刀の目貫。
※ 「身」は、刀身。
※ 「正宗」は、岡崎五郎正宗。鎌倉時代末期の相模国の刀工。
※ 「みだれやき」は、乱れ焼。刃文を乱れうねるように表し出す日本刀の焼き入れ方。
※ 「つが」は、刀の柄。
※ 「アゝつがもね●」は、「嗚呼つがもねえ」でしょうか。市川団十郎が荒事のなかで見得をきる際の決まり文句で、江戸時代に流行ったそうです。ああくだらないという意味。
弓箭師 具足師
※ 「あたりはづさぬ」は、当たり外さぬ。
※ 「ゆみや八まん」は、弓矢八幡。弓矢の神 八幡大菩薩のこと。
※ 「金が敵」は、お金のために人は苦しんだり、災いにあったりするものであること。また、お金を得るのは難しいことの喩え。
施物師 大経師
※ 「施物師」は、指物師。指物は、釘などを使わずに、木と木を組み合わせて作った家具や建具のこと。
※ 「ゑりは」は、襟輪。指物で、木材を組み合わせて接合するときの、一方の木材の端につくる突起部分のこと。これを他方に作った襟輪穴に差し込んでつなぎ合わせる。
※ 「三まいほぞ」は、三枚枘。
※ 「大経師」は、ここでは、表具師のこと。経師屋。
※ 「家の風」は、家風の訓読み。代々家に伝えてきた流儀、伝統。または、家庭内に起こるもめごとのこと。
※ 「袋ばり」は、額や襖などを張るときに、紙の縁にだけのりをつけて張ること。
時計師 袋物屋
※ 「ときをたがへず」は、時を違えず。
※ 「くるはぬ」は、狂わぬ。
※ 「まふかる」は、儲かる。
扇折 職 篭細工
※ 「ひさぐ」は、鬻ぐ。売る、商いをすること。
※ 「にはかぐら」は、庭神楽。舞台を設けずに、庭に篝火をたいて奏する神楽。
※ 「てんがう」は、ふざけること、たわむれること。点合、転合、転業。
※ 「千早振」は神にかかる。
※ 「すぐ」は、直ぐ。ここでは、竹が直線的で曲がっていない様子。
※ 「いさほし」は、勤勉であること。勲し、功し。
錺師 挽物師
※ 「めつき」は、鍍金。
※ 「ふくさ」は、袱紗。
※ 「上ケき」は、上木でしょうか。鷹匠が用いる人の背たけぐらいの長さに切った竹の先に鉄をはめたもの。
※ 「なゝこ」は、魚子。金属彫刻法のひとつ、または、絹織物の魚子織の略称。
※ 「いろゑ」は、色絵。ここでは、金銀などの薄い板を他の金属の彫刻した部分に焼きつける技法のこと。
版木師 陶工
※ 「しゃほん」は、写本。
佛師 建具師
※ 「はいがしら」は、紐の結び方のひとつ「へいがしら」でしょうか。男結び。
※ 「きりこがしら」は、切子頭。四角の隅をそれぞれ斜めにカットした金物の頭部の形。調度類の金具の頭部に用いられる。
瓦師 仕立物師
※ 「高きやに登りて見れば煙たつ竈にぎをふ」は、仁徳天皇の御歌「高き屋に登りて見れば煙立つ民のかまどはにぎはひにけり」からきています。
※ 「今戸」は、東京台東区今戸。焼き物が盛んな地域で、日用雑器、茶道具、土人形(今戸人形)のほかに、瓦の生産もされていたそうです。
※ 「さゝづま」は、笹褄。着物の褄が、細長く笹の葉のような形をしているもの。
※ 「手とりもの」は、得意とすること。手取物、手取者。
縫箔師 石工
※ 「そうもやう」は、総模様。
※ 「いろ糸」は、色糸。
左宦 傘張
※ 「すなずり」は、砂摺り。砂を加えて土蔵などの壁を塗ること。
※ 「大なをし」は、大直し。荒壁塗りの後に、表面を平らにするための塗りのこと。荒壁塗り→大直し→中塗り→上塗り。
※ 「大黒がさ」は、大黒傘。番傘の総称。
※ 「春」は、大黒がさを「張る」と 掛詞 になっています。
※ 「かゞり」は、装飾と補強を兼ねた傘の内側の糸飾りのこと。
木履屋 塗師
※ 「利久げた」は、利久下駄。 日和下駄の一種で、薄く低い二枚歯をつけた下駄のこと。
※ 「こくそ」は、木屎漆。厚塗りができる漆で、塗り物などの割れ目、合わせ目を接着するのに用いられる。漆糊に木屎をねり合わせたもの。
※ 「さび」は、錆漆。下地に用いる漆のひとつ。水で練った砥粉に生漆をまぜたもの。
※ 「したてがかんじんじや」は、仕立てが肝心じゃ。
畳師 桶屋
※ 「たが」は、箍。竹などを編んで輪に作ったもので、桶や樽の外側を堅く締めるために用いられるもの。
※ 「たがなんといふとも」は、誰がなんと言うとも。箍と誰の 掛詞 になっています。
紙漉 筆師
※ 「福のかみすき」の「かみ」は、神と紙の掛詞になっています。
※ 「すぎはい」は、生業。(生業は草の種=暮らしを立てるための職業は、草の種のように多い)
※ 「命毛」は、筆の穂先の長い毛のこと。
※ 「はんじやう」は、繁昌。
※ 「もろてんふでをつくる」は、諸点筆を作る。
※ 「りよししゆんじう」は、『呂氏春秋』。秦の雑家書。
提灯屋 木挽
※ 「てうちんにつりがね」は、提灯に釣鐘。つり合いが取れていないことの喩え。
※ 「まふかる」は、儲かる。
※ 「めいた」は、切目板のことでしょうか。切り目縁に張る板のこと。
※ 「手とりもの」は、得意とすること。手取物、手取者。
足袋屋 人形屋
※ 「さしたび」は、刺足袋。細かく刺し縫いにした足袋のこと。
※ 「いやまし」は、弥増し。ますますもっと、さらにいっそう。
※ 「きめう」は、奇妙。
鏡磨 家根屋
※ 「富貴」は、板を「葺き」との掛詞になっています。
※ 「なまぞり」は、彫刻鑿の一種の生反りのことでしょうか。
櫛挽 造花屋
※ 「はんじやう」は、繁昌。
※ 「お六」は、お六櫛のことでしょうか。木曾街道藪原の宿の名物のすき櫛。
※ 「はをひくやうに」は、歯を引くように。人の往来や物事などがひっきりなしに絶え間なく続くことの喩え。櫛は、歯を次々とひくようにして削って作ることから。
筆者注 ●は解読できなかった文字を意味しています。
新しく解読できた文字や誤字・誤読に気づいたときは適宜更新します。詳しくは「自己紹介/免責事項」をお読みください。📖