竹炭に困ってパンプキンパイを焼いたはなし。
「アンタ、冷蔵庫に入ってるこの袋なんなの?」
「クッキー焼くときに使った竹炭……」
8月の企画用レシピはクッキー生地を灰色にする必要があったので買ったのです。いちばん少ないのは富澤の20g入りだったんですが、使用した量は合計で小さじ一杯程度。
真剣に困っていました。大量に余った竹炭粉末の処理に。
とにかく「黒くても不自然じゃない、竹炭を大量消費できるレシピ」が欲しい。
黒いお菓子が不自然じゃない、という条件で真っ先に思い出すのはハロウィンでしょうか。
ハロウィン当日にはだいぶ早いのですが、企画参加を兼ねて黒いパンプキンパイにチャレンジしてみます。
☀この記事はクロサキナオさんの企画参加記事です☀
そもそもパンプキンパイって?
パンプキンパイのレシピを考えるにあたって既存レシピに色々あたってみたのですが、どのレシピにもシナモン・ナツメグ・クローブの粉末が入ってる。
気になって調べてみたところ、パンプキンパイはイングランドの「茹でたフルーツの果肉にシナモンや生姜などのスパイスを混ぜたものを材料に使うパイ」が起源とのこと。最初からスパイス使う前提だったんですねぇ。
味付けには「パンプキンスパイス」なるものが使われるようで、これに入ってるのがシナモン・ナツメグ・クローブ・ジンジャー。
なるほど、ジンジャー入ると(日本人の場合)人を選ぶ味になるから抜いてるのかな? ジンジャーブレットクッキー、そんなに浸透してるイメージ無いもんなぁ。
できれば妹と姪っ子たちに食べさせたいので、私もジンジャーは抜くことにします。
パイ生地はウィキに「一層」って書いてあるんで、ミルフィーユとかに使う折りパイではなく、型に敷き込んで焼く練りパイが妥当でしょう。
練りパイ生地を作る
材料の計量
パイ生地の材料は作業開始の数時間前に計量し、すべて冷蔵庫に入れておきました。作業中にバターが溶けるのを少しでも防ぐためです。
無塩バターは先に細かく切ってから冷蔵庫行き。
粉とバターを混ぜる
昼食後に作業開始。グラニュー糖とひとつまみの塩を入れた薄力粉をふるう代わりにホイッパーでかき混ぜます。もちろんちゃんとふるった方が良いんですけどね。
粉にバターを入れ、バター全体に粉をまぶします。当然ですがくっつかなかった粉が余りまくるので不安になってくる。
ボウルに冷水を少しずつ入れながら、カードを駆使して無理やりひとかたまりにします。寄せて盛り上げただけなんで更に不安がつのっていく……。
この山をカードで2分割し、2つを重ねてギュッと押さえつけます。最初はまとまってないカタマリを重ねるのに苦労しますが、4〜5回も繰り返せば多少は見られたものになり、ようやく不安から解放されました。
この状態で冷蔵庫に入れ、1時間以上休ませます。
生地を延ばして折る
まな板の上に打ち粉(強力粉)を振り、冷蔵庫でカチカチになった練りパイ生地を載せます。
麺棒で四方八方叩いてなんとか麺棒で延ばせる固さになったパイ生地を大きな正方形にしました。
まずパイ生地を横に三つ折りにし、麺棒で叩いて平らに。
更に縦に三つ折りにしたらラップに包んで再び冷蔵庫で冷やします。今度は30分。
もう一度「正方形に延ばして横・縦に三つ折り」を繰り返したら、焼き型に敷く直前まで冷蔵庫で寝かせます。
真っ黒パンプキンフィリングを作る
カボチャは正味500グラム欲しいので、900グラムぐらい買いました。
他の材料も計量。卵黄は1個なので入れる直前でいいや。
カボチャは一口大に切って柔らかくなるまでレンチン。皮を取ってから重量を量ったら500グラムに全然足りなかったので、裏ごし器を駆使してなんとか皮から実を剥がしました。
9月のチャレンジで裏ごしに苦労したので、今回は先にマッシャーで潰してから更に裏ごし。紛れ込んだ小さな皮を可能な限り除去します。
ここに無塩バター・グラニュー糖・卵黄・生クリームを入れて混ぜるんですが、正直泡立て器を使ったのは大失敗。
あまりに途中経過写真の見栄えが悪かったので掲載は差し控えます。最初からシリコンベラにしときゃよかった。
カボチャのペーストにパンプキンパイたらしめるスパイスを混ぜ込みます。味見したらかなり強めのシナモン風味。母にも意見を聞きましたが同意見でした。
ここまできてようやく今回の主役・竹炭のご登場。
半端な量だと食欲減退するくすんだ黄色になってしまうため、色を見ながら竹炭粉末をガンガン投入。おそらく小さじ6〜7杯ぶんはぶち込んだと思います。
パイを焼く
パイ生地と真っ黒フィリングが揃いましたので、いよいよ焼きの工程へ。
まずは冷蔵庫からパイ生地を出し、打ち粉を振って麺棒で薄く大きく延ばします。
延ばした生地をタルト型に敷き込んでフォークで穴を開けます。
タルトストーンの導入は(置き場所の関係で)母に反対されそうだったので、今回はパイとフィリングを同時に焼くレシピ。
最後の工程を考慮し、表面は平らに均しましょう。
真っ黒フィリングを詰めたパイを規程の温度と時間で焼きます。
粉砂糖でデコレーションする
このままだとただの真っ黒パイなので、ハロウィンらしくデコレーションしましょうか。
Canva proの素材に良い感じのオバケのグラフィックがあったんで実物大の下絵を作りました。
下絵にクッキングシートを載せてオバケをカッターで切り抜き型紙を作ります。なんかサイズ合ってないけど誤差だよ誤差。
型紙の上から粉砂糖をふるい、慎重に型紙を退けたら全工程の終了です!
完成!
真っ黒フィリングに粉砂糖の白が映え、思い描いていた通りの見栄えに。
味見のときは先述のとおりシナモンを強く感じたんですが、良い感じにカドが取れてカボチャの風味とのバランスがよくなりました。
母はもっと甘味が欲しいと言ってましたが、姪達を連れて家に来てた妹はこれぐらいの甘さがちょうどいいとのこと。私は妹と同意見ですが、子供たちに饗するならあと少しグラニュー糖足しても良かったかも。
「なんとも形容しがたい味ですね、不味くはないけど」
……父にはウケがよろしくなかったようです。