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未経験シングルマザーがキャリアアップを目指す。Webデザイン習得への道のり

2021年4月に始動した、沖縄のシングルマザーのためのWebデザイン就業・協働プロジェクト MOM FoR STAR。2年目の今年は、2期生6名が参加。約4か月の研修期間を経て、少しずつ実際のWebデザイン業務に加わっています。

このプロジェクトの目的は、シングルマザーが未経験からスキルを習得し、Web業界で活躍できるまでをサポートすること。キャリアアップを目標に頑張る2期生の姿をご紹介します。

Webデザインに挑戦したい!それぞれの想い

メンバーは子育てをしながらスキルアップ・キャリアアップを目指すお母さんたち。さまざまな経歴を持つメンバーがそれぞれの目標を胸に、今年4月、MOM FoR STAR に参加しました。

わたしは契約社員として働いていて、更新のたびに怯えていました。専門的な技術を身に着けて正社員になりたいけど、Webデザインの仕事はシングルマザーが飛び込むにはハードルが高い。それをこのプロジェクトではゼロから教えてもらえる。チャンスだと思いました!

MOM FoR STAR 2年目キックオフのようす

コロナをきっかけにWebの仕事に興味を持ちました。技術さえあれば場所を選ばずに働けて、娘との時間が増える。それに海外でも通じる仕事です。参考書や学習サービスなどを活用していましたが、挫折しそうになっていた頃に MOM FoR STAR の募集を見かけ、ここで頑張ってみようと応募しました。

Webデザインの仕事にはもともと興味がありました。独学で勉強していたものの、未経験からの就職は厳しい...。だけどそれを叶えて、子どもたちの目標になりたかったんです。ただ生活のためにやるんじゃない。私が好きな仕事を楽しんでいる姿を見て、お仕事は楽しんでやるものだと知ってもらいたいです。

基礎からみっちり叩き込む研修期間

Webの知識や各種ツールの使用経験があるメンバーもいれば、全くの初心者もいます。ですが「Webデザインが初めて」というのは共通していました。研修では、パソコンの基本操作から、PhotoshopやIllustratorなどデザインツールの使い方、HTMLやCSSといったWeb業務の基礎から学んでいきました。

Web用語に不慣れなメンバーは「HTMLって何?」「CSSとは?」と戸惑うことばかり。専門用語を理解するところからスタートしました。ある程度の知識があったメンバーも、実際に手を動かしてみるとギャップがあったようです。

1人だと勉強方法が合っているのか、学んでいる技術が新しいのか古いのかさえわかりません。でも、ここではわからないことは質問して、丁寧に教えてもらえる。新しい知識がいっぱいで、頭のキャパはオーバーしそうですが...(笑)。

ツールの使い方は職業訓練で習っていたにもかかわらず、業務になぞらえた研修課題に挑むと全然違いました。画像の書き出しルールなんてわからない...とつまずくことばかりでした。

難しいとは聞いていましたが、実際難しかった!座学的な知識はもちろん必要だけど、研修で実際に取り組んでみてスピート感も大事なんだと思いました。そのためにもショートカットキーを覚えたり、作業フローに慣れなければと感じています。

講義や学習サービスによって基礎を学ぶところから、実際の業務を模した演習課題へと段階的に発展していきました。自分で指示書を読み取り、テキスト変更やバナーの設置、デザイン修正などを実践。作業を終えたら研修担当者に報告し、フィードバックをもらいます。実際の業務を想定したフローを繰り返し、単純な作業から複雑な対応が必要なものへと課題のレベルが上がっていきました。

研修は難しい...けど楽しい!とメンバーは口をそろえます。どんなところに「面白さ」を感じているのか聞いてみました。

自分でコーディングしたものがすぐに出来上がる。完成形を見ることができるのが面白いです。マージンをこうしたいとか、それが上手くできてる・できてないとか。イメージを形にできることが面白いです。

Webデザインと聞いて、いわゆる見た目をデザインするものだと思っていました。コードを書いたりすることは想像していなくて。コーディングでも装飾ができるんだ、動きもJavaScriptで表現できるんだと日々新しい知識が増えていきます!

時には、東京のフォーデジットのメンバーが沖縄のオフィスまでレクチャーに来ることも。フォーデジットのエンジニアによる研修では、2期生が将来的に取り組む業務のイメージを育むため、応用的な視点からのレクチャーも行われました。

研修で学んだ技術が、実際のプロジェクトでは「こんな考え方で使われる」「こんなふうに応用もできる」と実践で示されると、2期生は実務のレベルに驚いたそう。

それまでの研修で少しWebデザインのことがわかった気がしていたのに、何を言っているのかすらわからなかった。レベルが全然違って、ゴールが遠く感じました...。

Webデザインって幅広いんだと驚きました。いまはGitの機能を教えてもらっていますが、新しいことを知るたびに広い世界だなと。わたしがまだ知らない技術を使ってできることもたくさんある。まだ本当に基本を理解したところなんだなと思います。

研修でWebデザインの奥深さ・幅広さを知りながら、自分たちが目指すゴールまでの道のりが簡単ではないことも知ったそう。ですが、メンバーたちは「トライ&エラーを繰り返すことが大事」と前向きです。「習う」というスタンスではなく、「自分でやってみる」を大切に、着実に経験を積み重ねています。

一緒にがんばる仲間の存在がエールに

それぞれの事情に合わせながらも、2期生は基本的に MOM FoR STAR のオフィスで一緒に働いています。未経験からキャリアに通じるスキルを習得する、という大きな挑戦。大変な日もがんばれる理由のひとつは仲間がいることです。

「みんなそれぞれ目標があって、毎日刺激を受けてます」「休み時間にメンバーから将来の夢の話を聞くのが楽しいです」と、目標を共有し合うことが良い刺激になっているそう。お互いが働く姿もエールになっています。

課題の進捗はスプレッドシートで管理しているのですが、他のメンバーの作業状況も見ることができるんです。みんなががんばっているのが見えるから刺激になる。良い意味でライバルですね。

同じ方向を向いてがんばる2期生たちは、子育てをしながら働くお母さんという共通点もあります。子育て情報をシェアしたり、子どもの教育について相談し合ったりしています。

家庭の話って普通の職場では気を使うけど、ここではみんな知ってるから気楽です。子育てしながら働いている状況もみんな理解しているし。月1の給料日にみんなでランチに行って、お話するのが日々の楽しみです!

研修担当がふり返る

ここで、2期生の研修担当の視点からもこれまでをふり返りたいです。研修を担当しているのは、MOM FoR STAR オフィスのメンバーと、東京からオンラインや現地でレクチャーするフォーデジットのメンバーです。

東京の研修担当が沖縄のオフィスで行った研修のようす

4月からWebデザイン業務への挑戦をはじめた2期生たち。研修担当の目にはどう映ったのでしょうか。

メンバーは皆、真っ直ぐやる気に満ちあふれていて、教えるこちらが刺激を受けるくらいです。自習も当たり前にやるし、わからないことはちゃんと「わかりません」と聞いてくれる。「ここでスキルをものにしてキャリアアップするんだ」という本気度を感じました。

人によって経験差はあるし、成長速度の差もあるけれど、着実にみんなステップアップしているのを見てきました。半年ほどの研修で実務に入っている、というのはすごい成長速度です。家庭や子育てもありながら実務をこなし、自主学習をしてさらなる成長につなげている。教える側も自ずと熱が入ります。

2期生は研修をしながら少しずつ実際の業務に入っています。Webサイトの運用・更新業務や、新規Webサイトの制作チームでテックリードの指示を受けてコンポーネントを作る業務などを、研修と並行していきます。

実務では、研修で会得したスキルの活かし方がわからなかったり、新しい技術が必要になったりすることもあり、まだまだ勉強することだらけ。ですが、実務に取り組む「責任」が成長速度につながっています。そして、Webデザインの仕事に対する「プロ」の取り組みを肌で掴んでもらいたい、という意図もあります。

最初はもちろん難しいと思います。だけど、わからないことへの対処法も仕事の取り組み方も、とにかく慣れが必要です。研修で学ぶのと、実際の業務で実践しながら身につけていくのとでは成長速度が違う。今は難しくても、それが成長につながっていきます。

研修担当によると、今後のステップアップとして必要なのは「自走するための下地づくり」。不慣れな部分をなくし、業務上のあらゆる場面での対応力を身につける。それには、自分の得意・苦手を理解することが重要です。必要なスキルセットのうち、自分に足りない部分を自覚して取り組んでいける仕組みも検討中です。

地道な努力を続けながら、将来のキャリアアップを目指す2期生たち。「さらに先」を見据え、研修担当は次のように語ります。

プロとして第一線で働くためには、一定の技術を身につけて終わりではありません。そこから、縦にも横にも自ら学んでいく力が必要。MOM FoR STAR のメンバーにはその力があると思っています。Webの世界では新しい技術や応用テクニックも次々と生まれ、僕も「今やっていることが、明日には通用しなくなるかもしれない」という気持ちでやっています。そういうスタンスで学び続ければ、どんなプロジェクトでも通用するスキルが身についていくと思います。

実践して初めて見えたWebデザインの奥深さ

2期生たちは、プロジェクト参加当初から大きな目標を胸に抱いていました。研修や業務を通じて実際にWebデザインの仕事に触れたからこそ、見えてきたことは...。

新しい技術がどんどん出てきて目まぐるしい世界。果てしないなと感じています。自分が今後どうなりたいのか、はっきりしないと流されてしまいそう。業務をやりながら自分の向き不向きを知って、もう1回改めて目標を固めていきたいです。

Webデザインを扱う企業の仕事をするというのは、最先端の技術に触れられる環境だということ。独学で身につける技術でできるようになることとはレベルが違うと思いました。想定の1000倍くらい奥行きのある世界だと実感しています!

2期生は実務経験を重ねてできることの幅を広げ、それぞれの夢に向かって今後も少しずつスキルアップしていきます。

ご紹介した2期生はもちろん、同じように未経験からスタートした1期生はプロジェクト2年目に突入しています。1期生・2期生ともに、上を目指してがんばっていきます。

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