六月、七月の俳句など
スキしてもらった数が四百になったとのこと
400に跨る 0-400-不知火
前髪をつまむ男子や告天子
六勤に賭してごおんの夏の風邪
大階段ソフトクリームどですかでん
英雄は試練やソフトクリームに帽子
脇にかばん挟んでソフトクリーム来
紫陽花も錆びゆくもののひとつかな
国錆びて仙人掌のゆめひらく
茶道部にヤンキーひとり青嵐
ゆふつづに持ちあぐ冷やし中華かな
七夕のふたりに関係ない話
新旧の七夕の板ばさみかな
七夕のピンクのそーめん、おーれの(現仮名)
七夕のあのモブめっちゃよかったね(現仮名)
ステップのはなれ近づく天の川
天の川顔のほてりの隠れたる
耳ふたぐひびに洩れくる天の川
銀漢の音積みかさねてや毀つ
明易の沖をチベツトスナギツネ
不知火に足りない数のたぬきかな
信楽の狐火ことに太かりき
亀の来て亀にぶつかる止まりぬ
水面の散歩者あふぐ錦鯉
みづぐもの糸短かり掴まんと
水牛の歯の不揃ひや椿の実
かたつむり古墳に公園と団地
熾天使の如くへつぴり虫御座す
親不知抜けて雛の流れたる
マンゴーのぢごく頂く実家かな
母の手の血管ふゆる心太
母の手にトマト二つや収まらず
熱い茶と言うたに出てきたる麦茶
母を見るだけで涙や灼かれたし
握りたれば涼しと思ふ母の手よ
黒目高のみしかをらず隠れたる
水草の花のひかりに田螺透く
布袋葵こどもは立ち止まつて飲む
習ひ事辞めてきた日の天瓜粉
叱られたあとのお風呂と天瓜粉
てんくわふん身体以外もゆれてるね
天瓜粉幼なじみも一緒くた
スクーターの片足ぶらり夏つばめ
原付の足元にある西瓜かな
前かごの最後に乗せる西瓜なり
うつせみの焦点あはぬ見失ふ
空蝉の聴いてゐる蝉のこゑか
空蝉のスピーカーなりどこからも
空蝉に置いてゆきたるものぞ魔か
うつせみに透けたるものを何とよぶ
空蝉のしがみつく世を現し世と
うつせみの蝉と別れてより羅漢
空蝉のこゑに和したる蝉の声
せみ啼くや揺籃のひと失ひて
涼風を待ちたるやうに電車待つ
↓推敲
涼風を待ちたるやうに待つ電車
夏休み乗り間違えのままをゆく
↓推敲
誤乗のままをゆく夏休み
千里眼まことしやかに椿の実
椿の実天狗のまなぐ透きゐたる
天眼に密室あらず椿の実
ノートが笑ふソーダ水
頁をめくる天瓜粉
かみなりの筆圧
銀漢に人数ぶんの目玉焼き
冬の虹過ぎゆくひとの触れがたく
春の夢醒めても死後に変わりなし
夏草にぼんやり立ちてぼんやり消ゆ
いうれいは焼きましゆまろとほぼ同じ
誰がつけしわが名真珠麿旱星
昼寝覚カレーの香に埋もれて
あさがほの見えぬ朝より夏祭
朝顔を子供神輿の通りけり
お囃子のテープ団扇の止まりたり
夏祭地元のひとの大人しき
ヤンキーの揃つて祭衣かな
中退のクラスメイトの祭笛
同級生避けて帰るや夏祭
またてふの割れゐて冬の博物館
やちむんの鉢に盛りたる冬落暉
紅蜀葵祭りの酔に咲きにけり
ぺちゆにあや昨夜の祭に子ら眠り
山滴る黄金千貫祖にして
かく反りてポテトチップス秋の風 桑原三郎
台風来子らのスナツクボウル開け 目八