「もしあと1年で人生が終わるとしたら?」を読んでみた
作者:小澤竹俊さんについて
この本の著者である小澤竹俊さんは1963年に生まれ救命救急センターでの勤務を経て、農村医療に従事したあとホスピス病棟に務め、その後在宅クリニックを開設。
これまで3500人以上の方を看取って来られ、2015年に一般社団法人エンドオブライフ・ケア協会を設立。
著書「今日が人生最後の日だと思って生きなさい」がベストセラーになる。
心に残った部分
本を読んで特に印象的だったことを、自分の考えや経験と共に記す。
自分の人生に意味があるかを考える
上記の言葉はとても納得できた。
誰でも皆、自分の人生について考えたことがあると思う。
その際、功績や結果、もしくは関わった人たちからの評価、また人や動物、物でもなんでも何か対象のために自分が存在していると「何か」と結びつけてしまいがちだ。
今現在に存在しないもの・ことでも、将来のためとかまだ見ぬ未来のために
自分は今生きていると考える人も多いだろう。
かくいう私もその中の1人。
家族や友人のため、仕事のため、お金のため、旅行のため、より良い社会のため、プロジェクトのため。
辛い時やうまくいかない時、
寂しい時や泣きたい時、心も体も拒否反応を起こしている時でも、
これは「何か」のためなんだ、
これは将来の「何か」のためになるんだと。
努力は裏切るかもしれないが、経験は裏切らないと信じて。
しかし、その「何か」がなくなった時、
自分がいても意味がないと思った時、
自分が「何か」にとって影響を与える存在ではないと悟った時、
私は「自分が生きる意味はなんだろう」と考えるようになってしまった。
小澤さんと同じように思ってしまうのもおこがましいが、
私もそう思った時があった。
しかし小澤さんは散々悩み苦しんだ結果、考えが変わったそうだ。
小澤さんが散々悩み苦しんだ内容をこんな簡単に教えてくれていいのかとも思ったが、この結論が私にとっても心を軽くしてくれた。
傷の舐め合いは良いこと
共感されることが1番心を救ってくれるのではないかと思う。
しかし、同じような経験をしても感じ方、捉え方は違う。
なので本当の意味での共感、自分に寄り添い理解してくれた時、もしくは代弁してくれた人はずっと覚えているものだ。
なぜなら心が満たされたからだ。
この本では後悔していることはないか?という問いかけの中で、傷の舐め合いの話が出てくる。
後悔を分かち合い、後悔から何を学べるか。
また後悔を少なくするにはどうすれば良いかなど
後悔についての向き合い方が書かれているが、私が心に残ったのは下記の一節だ。
誰かに相談することが難しいと思ったり、相談しても意味ないとか、結局最後は直感で決めるしなとか、はたまた自分の情報が別の他人に伝わってしまうからとか
相談しない理由はたくさんあるが、
後悔しないために、まずは人以外に話してみようかなと思った。
心に残った文まとめ
確かに、過程がわからなくなったときは、最後・ゴールを考えてみれば良いのかと思った。
やるべきことで苦しむのなら、それは整理して誰かに託す。
自分一人で全て「やらなければいけない」ことなんてことはない。
誰かに頼ることも大事。
また自分ができなかったことや羨ましいと思うこととかも、一旦そういう気持ちを受け入れることで、消えていく。
この言葉は結構はっとさせられた。
「自分らしさ」を追求していった時、自分が調子良い時や好きなことしている時などポジティブな面に焦点を当てすぎだが、気分が落ち込んでいる時や自分の嫌な面、見た目から性格、健康、またいろんな状況に置かれた時の自分の判断など
今までの人生の過程全てが「自分らしさ」なんだなあって思った。
納得しすぎる。
「今」を地に足つけて生きるためには、「未来」に夢や希望を持てないと
なんだかフラフラ生きているような感覚になる。
全体の感想
引用というか、記録として残しておきたい部分はたくさんあって、
他にも考えさせられる部分はたくさんあった。
自分の人生を考える瞬間は人それぞれだが、考える必要があるときに考えるものだと思う。
その時に、この本は読んでみて欲しい。
疑問文を投げかけてくれ、小澤さんの経験からまとめまで読みやすく書かれている。
きっと「答え」を知るきっかけになると思う。
なぜこの本を読もうと思ったか
題名から惹かれるものがあった。
またこのタイミングで、「あと1年」を考えることが多かったからだ。
昔から私は、30歳以降のことを全く考えれなかった。
全ての経験、やるべきことややりたいことはなぜか29歳までで完結していたからだ。
だからあと1年で来る全く想像できない「時」が怖い反面、悔いなく生きようとも思うようになった。
別に死が近いわけではないが、自然と「もしあと1年で人生が終わるとしたら?」を考えるようになった。
また仕事でお看取りを見る機会が何度かあり、最後はこんな感じかと直接見ることもあったせいか、題名がより惹かれた。
このタイミングで出会わせてくれたことに本当に感謝だし、
考えるきっかけを与えてくれたこの本に感謝。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?