女王陛下のお気に入り(2019年)【今回の映画感想は悪役令嬢ものだ。「まあた、実は良い人だったというパターンかよ」おや?どうやら誤解があるようだな「え?」】
1704年頃。
イギリスはスペイン継承戦争で、
フランスのルイ14世との戦争の真っ最中です。
当時のイギリス女王はスチュアート朝最後のアン女王。
アン女王には子どもがいません。
アン女王も自己免疫疾患で病気がち。
(王朝の最後は血族結婚のやりすぎでこんな感じですが、アン女王の血脈はそれほどでもないので、やはり病気の影響が強いようです)
そんなわけで、彼女の死後、
王朝はドイツから来たハノーヴァー家に移ります。
これが現在まで続くウィンザー王朝です。
平たく言うと、
女王陛下はお子様をすべて亡くされ、
代わりにペットのウサギを可愛がっています。
(女王とウサギといえば・・・)
話を戻しまして、これは宮廷で出世する女性のお話です。
主人公は、女王付きの女官として宮廷に入りますが、
宮廷はマールバラ公爵夫人がお局様として絶対支配権を掌握していました。
ちな夫のマールバラ公爵は、初代マールバラ公爵で、戦争の天才のひとり。
子孫にWW2のウインストン・チャーチルがいます。
夫の栄光は、夫人が宮廷をがっちり固めていることにもあったのです。
しかし。
そこへ主人公が乗り込んできます。
没落した実家を再興する機会を与えられた主人公は、がんばります!
結果、女同士の激しい権力闘争の末に、
マールバラ公爵夫人は追放されます。
公爵夫人に暇を出されるということは、
戦争の天才たる夫も失脚したということ。
これによりスペイン継承戦争は終わりに近づくことになります。
最初のうちは主人公が少女マンガのヒロインみたいな可憐な存在で、
お局様は、悪悪しい悪役令嬢 ・・夫人なんですが、
そしてどっちにしろ女王陛下はまだまだ専制君主であり、
気に入られなければ生きていけないぐらいに、
怖い存在だという印象だったのです。
ところが話が進むうちに、主人公も強く成長して、
それは喜ばしいんですけど、
結局、夫人も主人公も、
権力者という意味ではもっとも恐ろしい人たちだったことが、
話が進むうちにわかってきます。
エグイ成長をする主人公。もはや主人公が悪役令嬢です。
さて、結末は・・・っと。
☆★☆☆★★☆☆☆☆☆★☆
おっと、お星さまが流れてしまいました。ここまで。
でも、一行で省略したけど、権力闘争のところがこの映画の本質です。
そこが見どころなんですね。何も説明してないけど。
さらに複雑なんで、観た後に忘れますけど。
とんだ悪役令嬢ものだった。
いや本来の悪役令嬢ものって、悪役じゃない女の子の話なんだけど。
こっちゃガチで腹黒い女の子たちの物語。
女の世界は、男の世界以上に、バイオレントだ。
まあ、そういうキレイゴトじゃない世界が観たい人にオススメ。
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