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マチルダ、禁断の恋【ちょっと冷静に映画感想してみるんだ】(2017年:ロシア映画)
今どきロシア映画を推薦してしまっていいかどうか分かりませんが、
ロシア国粋主義とは何の関係もない映画であることは確かです。
それどころか物議をかもしていました。
皇帝ニコライ2世とその愛人マチルダ・クシェシンスカヤのお話です。
この映画が好きなのは、歴史衣装がたくさん出てくるから。
軍服がまだド派手だった雅な時代の最後。
こういうの非常に好きですね。
少なくとも私は考証のちゃんと入った衣装を見ているだけで
ほんわかできました。
じゃあネタバレもちょっとだけやります。
マチルダはバレリーナです。プリマです。
若い皇太子は、禁断の恋愛にめり込んでしまいました。
ロマノフ家たるもの、伴侶には最低でも王族の血を求めます。
折しも父帝が崩御し、自分が即位するのが見えてきた矢先。
だからこそ、王冠を取るか、恋人を取るか、で悩むという、
なんかこれだけ書いてたらどこにでもありそうな恋愛ドラマ。
しかしそこはロシア帝国。
19世紀ロシアの豪奢な方の世界が、映画でこれでもかと表現されます。
もっとも史実準拠なので、予定調和の作品ではあります。
予約された結末へと、過程はどうであれ進行していきます。
おとなしく道程を楽しみましょう。
一方で気に入らない点は、
輸出仕様なのかワチャワチャしすぎているような気が。
まあ皇太子ニッキーがことごとく優柔不断なのは仕方ない。
史実でもあるし。
なまじこの人に決断力があると映画はすぐ終わっちゃうしね。
ただ皇太子と恋のさや当てをするロシア士官(そんな人いるの~?)
しかもその人が独裁国家だからか、謎の研究所に送られちゃうし。
あのお、話を盛る方向がなんかずれてない?
なんだろう?ホームズものにスチームパンクやヴァンパイアが出てくるようになったのを意識しているのだろうか?
ロシア文学だと最初の100ページくらいは無駄話が延々と続いて、
読破力のない読者を淘汰する伝統があったのに、
そういうのはなくなってしまったのですかね。
まあ、あれは無くてもいいけど。
最後の戴冠式のシーンはいちばん印象に残りました。
ついに決断する皇太子いや皇帝。
すべてを投げ捨ててマチルダを追いかけていくが。
・・・ まあ、いいか。史実だし。
まあ、この映画は結末に驚かされるような作品ではないのです。
ロマノフ王朝の雅な世界を、スコーンをほおばりながら、
さくっと二時間で終わる映画を観て堪能する映画です。
世界の歴史がまた1ページ。
ネタバレを含む紹介は以下をどうぞ。
(タイトル画像はパリのオペラ座で、ロシア成分はないです)
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