ステルス艦カニンガム出撃(ジェイムズHコッブ)【読書紹介も運命の選択を行う。面舵いっぱい前進強速、他の読書感想文を切り裂くぞ】
また絶版本をすいませそ。
海洋冒険小説のノリを、
近未来の軍事サスペンスとして仕上げた作品。
しかも女性艦長である。
しかも部下のヘリパイとイイ感じだけど、難しいっすよ。
場所は南極海。
敵はアルゼンチン。
新鋭ステルス駆逐艦とは言え、
わずか一隻で敵の巡洋艦隊と戦わなければならない。
(ちなカニンガムは米国艦なのだが)
確か、南極をどうのこうの、だったかな?
南極海での戦闘は史実ではほとんどない。
舞台は2000年ごろの世界であり、
執筆時点では未来だったので、いろいろと未来のテクノロジーを用いた海の戦争というのものを、考えつつ書いている。
ステルスヘリ「コマンチ」が実用化されてたり、
(実際は開発中止)
ステルス駆逐艦の形状もやはり、なんというか軍艦の形を逸脱しているような多面体デザインである。(当時はまだあんまり見なかった)
味方の空母機動部隊がやってくるまで、
海域で粘れる艦は「カニンガム」しかおらず、
当然ながらスポットライトが当たるのは、
「カニンガム」そのものでもある。
もうほとんどステルス駆逐艦「カニンガム」が主人公である。
もちろん、AIじゃないので、艦長たちが決断していくわけだが。
たびたびのことながら、ここで別の本も紹介したい。
いわゆる戦場で「運命の分かれ目」
「そのとき、歴史が動いた」みたいな分岐点について、
もっぱら取り上げた本なんだけど、
(関ヶ原の戦いだと、小早川動く!の場面とかがそうである)
この「カニンガム」の中でもそういう瞬間が出てくる。
技術とか、物量とかではなく、
決断ひとつでその後の流れが変わってしまう、
決定的なヒューマンポイントファクター。
そういうのが、はっきり描かれているので、
そこらへんがなんとなく「リアル」であった。
続編では「カニンガム」は、内戦状態になった中国に行き、
さらに謎の新興勢力に席巻された西アフリカに赴く。
現実の中国は、強大国化してるのでイメージがピンとこないが、
西アフリカについては、中東で謎の組織による世界征服計画が実際にあったので、まあそれをアフリカに視点移動させたものだけと思うこともできる。
どちらにせよ、艦隊戦というものは続編では出てこないのだ。
世紀の変わり目くらいのシーパワーは、そんな対陸上戦しかやってこなかったので、しょうがないのかもしれないけど、
海軍VS海軍、艦隊VS艦隊(といっても片方は一隻)
が出てくる最初の作品がやはりいちばんの推しです。
「沈黙の艦隊」とか、楽しめた人にはやはり楽しめるはず。
あれは政治スリラーの要素がプラスされてたけど。
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