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海溝要塞1996(著:佐藤道明)【読書紹介よ。この技術は100年早いな。削ろう「いやだ。出版はする」お前、やんのか?【仮想戦記のはじまり】】

男子たるもの武器や乗り物が大好き。
そんな男性たちが「む?なんだこれは?」
と二度見してしまう作品。

なんか架空戦記の種類ですが、
本当に架空の世界で戦っている感じ。

本作はそんな要塞シリーズの特別外伝みたいな本です。

要塞シリーズとは、荒巻義雄先生によるSF仮想戦記。
基本的には日本と旧ソ連が戦うような話ですが、

ソ連はスミノフ。
アメリカはIBM。
日本は列島防衛軍。

と名称変更されており、なぜか西側と東側で実戦をやっている。

どうも仮想ゲーム空間での戦争らしいのですが、
出てくるメカがどれもスタイリッシュなのです!
多くのSF的な架空兵器が採用されまくっています。

物語はチープなんですが、メカイラストが美麗なので、
男性が思わず振り返る作品シリーズとなっております。

特に本作は、画集として、
イラストがメインの外伝本でありまして、
美麗なSF戦闘機みたいなのが、これでもか。
と出てくる作品です。

さらにショートマンガもついてくる。
まあ物語は割と面白くないんですが、

絵がとにかくキレイ。
で発想が斬新。

潜水空母。
水空両用戦闘機。
亜宇宙戦闘機。
超巨大砲。
島くらいの大きさのある巨人爆撃機。
空中浮遊マイクロマシン。

完全にSFだ!
SFメカの美しさなんだ。

続編で、
「漂流要塞1996」

というのもあります。
人間が、最新戦闘機に適さなくなりつつある時代の話。

戦闘妖精雪風とかでも同じテーマがありましたね。

さらには、原作の荒巻先生の方は、
第二次大戦期を舞台にした、
「紺碧の艦隊」シリーズもあります。
(それはまったくの別シリーズですけど)

二次大戦期の架空メカがまたしても、
斬新な発想で描かれます。
こちらはアニメ化もされてますので、
もしかすると観る機会があるかもしれません。

物語についてはそこまで期待しないでください。

しかしやはり美麗なメカ図。
そう。メカは美しさがすべて。
美しい兵器を見たけりゃ、探してみてください。
男の人は高確率でピンと来ると思う。

ただし物語は原作を含めて意外とチープだ。
死ぬほどストーリーはイケてないと思う。

これはガンダム0083を観て、
やはりたいしたことなかったな、と思ったときと同じだ。
あれもセル画は美しいのに脚本がさっぱりだった。


ああ、でも、それでいいのだ。
それにこれは、どこかで読んだことがある。
そうだ、ハードSFだ。ロバート・L・フォワードだ。
SF設定に重点を置きすぎて、人間ドラマがすっかすかになってしまう。
でもそこがいいのだ。

こういうドラマから足を抜いて、
ひたすら設定にエネルギーを詰め込んだ作品に、
独特の感慨を感じるのだ。
でも、それが気に入らない人には、やっぱり気に入らないだろう。

私はアリだった。


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