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ファンタジックチルドレン(全26話:なかむらさとし:2004年頃)【もう僕はダメなんだ!アニメ感想を思い出せないんだ!「とつぜん何を言い出すんだ!いったい何の話をしてるんだ?」】
流行りのアニメ「推しの子」には生まれ変わりの方が出てきますね。
ということは、誰が誰の生まれ変わりか、後から当てる展開も出てくるのでしょうか?
今回紹介する作品は、たぶんその昔に食品会社が提供していたアニメシリーズみたいに、ヨーロッパの古典をお茶の間にお届けスタイルの作品、を作っていたクリエーターさんだと思います。
パルムの僧院(パルムの樹でした)とかそんなの。
パルムの僧院はスタンダールでした。
なかむらたかし先生。だいぶ古強者の方ですね。
なので全体的に欧州的というか、古めかしいというか、そんな感じです。
そして哲学的テーマを扱っています。
***
ネタバレをすれば、もっと面白く紹介できるのですが、
とりあえずできる限り抑えていきましょう。
ベフォールの子どもたちと呼ばれる謎の子ども集団がいます。
彼らは幼いころ8歳から10歳くらいのタイミングで髪の毛が白くなり、何かを思い出して、謎の失踪を遂げます。
常人ならざる知性を持ち、同じような髪の白い子どもたちとともにしばらく旅をしたあと、集団で謎の自殺を遂げます。
彼らは何十年かおきに現れては、何かを探しているようです。
しばしばエンマと呼ばれる謎の存在に襲われては、それを撃ち払って旅を続けているようです。なぜかエンマは周期的に襲ってきます。
そして。
ベフォールの子どもたちの中には、旅をあきらめ、元の家族に戻ってしまう者が現れます。
「僕はもうダメなんだ。先の見えない旅はもう無理なんだ」
旅は彼らにとっても過酷な試練のようです。
そこへ家族が現れて・・・
元の家族との関係に戻ると、思い出した記憶は永遠に失われ、そのべフォールは再び現れることはありません。
(面倒くさいのでもはやベフォールを名詞化した)
ちなみにこの脱落したお子さんは、後に高名な科学者になったそうです。
もちろん本人は何も覚えてないのですが。
しかし本筋はなんとこちらではなく、
南の島パパン島(インドネシア辺り?)に父と暮らしている少年トーマ。
そして児童施設から脱走して旅をしているヘルガという少女とその弟。
ヘルガは、子ども時代から何度も思い出す光景をどうしても見たい一念でここまで旅をしてきたようです。
トーマ少年が主人公、ヘルガがヒロイン役ですね。
しばらくはこの2人と、
ベフォールの子どもたちのエピソードが入れ違いに出てきます。
なかなかふたつのストーリーラインは接近の気配を見せません。
*****
(艦長、充分距離を取りました)
(よし、ネタバレ光線発射!)
さて、話が進展すると。
宇宙のどこかに惑星ギリシアと呼ばれる(この安直なネーミングやめれ)科学の発展した星があります。
(本当にネタバレか?)
その科学力は、死後の世界を観察しそこに干渉できるレベルまで発展していましたが、人間の尊厳を傷つける可能性があるので、国王は研究を中断させます。
そのレベルの科学力を持っているということです。
さてその星のお姫様、ティナは
(ま、顔をみれば誰なのかすぐ分かるのですが、ヘルガです)
恋をするんですね。
幼いティナを助けてくれたお兄ちゃん。こちらは奴隷出身。
そして自分を兄のように守ってくれる親戚のお兄ちゃん。こちら王族です。
どっちも似たような顔をしているので(特に幼少期は同じ顔)
・・・要はどちらもトーマの顔なんですね。
どっちだよ。とモヤってください。
しかし平和な日々は反乱によって打ち壊されます。
ティナ姫はなんとテロで重傷を負い、危篤状態となります。
この星の科学力をもってしても蘇生は無理だったようで。
乱心した国王は科学者たちを呼び出し「あれを使え」
死後の世界から姫を連れ帰るよう命じます。
もはや尊厳はどうでもよいです。
ただ科学者たちは成功し、姫を無事蘇生させることに成功はするのですが、新しい姫の体には問題があったようで、惑星ギリシアに置いておくことはできなくなりました。
仕方ないので、ここから数万光年離れた惑星に姫を転生させ、しかるべく時間を置いて対処したのちに、連れて戻れと科学者たちは命じられます。
そして科学者たちも、その「輪廻転生装置」を使って、その惑星に旅立ちます。いずれ帰還できる日を夢みて。
問題なのは、姫がどこに転生したのかわからないので、現地で探さなくてはいけないことです。
なんという泥縄!
エンマは、自然な現象だ。僕たちのやっていることは自然の摂理に反している。
科学者たち(ベフォール)のリーダー、アギは自分たちの転生装置が、宇宙の原理に受け入れられない不安定なものだということを認めざるを得ません。
エンマは不自然なベフォールを元の子どもたちに帰すための、
自然の時空検閲官的な何かなのですね。
一方、21世紀の人類も、
転生者たちの存在に遅まきながら気がつき(別に転生者が存在する?)
謎の組織が暗躍し始めます。やべーよ。やべーよ。
と、ようやくこっちに話が戻ってきたところであらすじ紹介はおしまいにしておきましょう。
クライマックスは泣ける展開となります。
ただバウムクーヘンが・・・
バウムクーヘンって美味しいですよね。
まあ王子様役がふたりいることでなんとなく察してください。
***
このお話には喪失感や罪悪感が繰り返し繰り返し出てきます。
失ってしまって取り戻せないものを想う悲しみ。
過ちを犯したことを悔やみ罪の償いを求める罪悪感。
そして罪を犯しつつ任務を遂行しなければならない苦悩。
そうした原初的な悲しみや悲哀が繰り返し丁寧に出てくるので、安直なネーミングセンスであっても、充分以上に感情移入することができます。
そして、それらを克服する物語でもあります。
悲しみも罪悪感も苦悩も、乗り越えられます。
試練を乗り越えた先で、人は生きる強さを手に入れるのです。
名作です。疑いの余地なしです。
課金したアニメサイトとかで観たのですが、
評価は他の作品と比べて、頭ひとつ抜けて高かったです。
もうひとつノエインという作品が高かったのですが、
こちらは私の部屋で詰みDVDになっています。
いつになったら観れるのでしょうか。たぶん来世で。
ちなみにベフォールの中で、ハスモダイがなんとなくお気に入りでした。
名前がいい。なんかやらかしそう。名前呼びやすい。
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