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中国史6(著:陳舜臣)【陛下、読書紹介のお時間です「朕は働いたら負けだと思っている。お前がやれ」いや、その、これはお仕事ではございませんぞ(万歴42年)】

ロシア「最近、日本やドイツが我々の事を批判しているらしい」
中国 「まったくけしからん」
ロシア「そもそもあいつらが我々を批判する筋合いなどない」
中国 「まったくその通り」
ロシア「我々は連中の真似をしているだけだ」
中国 「え?いまなんて?」

というヘタリアも真っ青な国を擬人化するコントを思いついてしまいました。
日本の真似をした経済大国はすべからくバブル爆弾が破裂するのだ。
計算通り。
しかし思想犯として反省しています。
反省の意を込めて、今回は陳舜臣先生の中国史(6)を紹介します。

なんで6巻目を紹介するかというと、いちばん最初に読んだからです。

この巻は明王朝が無事成立して、四大暴君の建国者、洪武帝が死んだところからです。

ちな中国四大暴君は、始皇帝、煬帝、洪武帝、毛沢東です。
まあいろいろ言いたいことはお有りでしょうが。
しかしなまじこれらの人は有能な皇帝でもあり、
暴君とはいえ、阿呆とは程遠いです。
頭がいいということです。
頭が良くないと大暴君にはなれません。
悩ましいです。

さてと。
洪武帝は建国の功臣を後顧の憂いなきよう、あらかた粛清しました。
(これが暴君ぶりよ)
そこで万難を排して、彼は孫の建文帝を後継者としたのです。

しかし、建文帝即位後、叔父が反乱を起こします。
洪武帝の4男で最も父に似ている男です。
海帝でもこの人が出てきましたよね。

要するに猜疑心が強く残忍冷酷の暴君タイプ。
それでいて有能ではある。
中国史上まれにみる内戦を制したこの4男が永楽帝として、
明王朝の第3代皇帝になりました。
ただし先帝を記録抹殺刑に処したので、明王朝的には第2代皇帝です。

なんだかんだいっても有能な永楽帝、
彼の時代は北方に逃れたモンゴルの残党を滅ぼしたり、
南海に大艦隊を派遣したり、
大いに武威を轟かし、はやくも王朝の極盛期がやってきます。
この時代、ようやく帝都が北京になります。

この帝都の北はすぐモンゴルなので、
帝都を最前線に持ってきたことになります。
珍しいですね。これは攻める一択でしょう。

しかし彼の死後も・・・
第4代皇帝と第5代皇帝は名君であり、継承者として安定した実績を叩き出しましたが、
それ以降は働かない遊び人タイプの人ばかりが皇帝になります。

永楽帝の時代に、超独裁体制を築き上げた明王朝は、
秘密警察なども完備しており、
皇帝独裁体制は揺るぎません。
他の王朝と違って、宦官や外戚が専横を振るうことは少ないです。
(といっても宦官は制約が解かれ後に大活躍してしまいますが)

しかし皇帝にアポンタリンが即位してしまうと、
誰もフォローできるものがいなくなってしまう、という欠点があります。

しかも明王朝の場合、アポンタリンが圧倒的に多くて、
しかもそういう奴にかぎって在位期間も長いのです。
やはりストレスが無いから長生きするんでしょうかね。

逆に名君はやたら短命という。
名君枠である4代目と5代目もすぐに死んでしまいます。
制度的欠陥だ。

そういうわけで長続きする王朝ではあるもの、
歴代王朝の中で腐敗度ナンバーワンだったりします。
現在の「中国人」のイメージは、だいたい明王朝時代に固まったものだと思われます。
もうね、私欲に走る以外に生きる意味を見いだせないようになったのだ。

という訳で先例があって国益ナシみたいな状態が長く続くのですが、
まあその頃には官僚機構が整備されているので、どうにかこうにか、秩序は維持されています。

しかし腐敗した泰平が永遠に続くはずもなく、
だんだんと反乱や内戦の件数が多くなっていきます。
中国史のいつものやつです。

特に末期は失敗国家みたいな様相を呈してしまい、
豊臣秀吉の朝鮮出兵は跳ね返せたものの、
その20年後に満州との戦いが起こると、10倍の軍勢をもってしても、どうやったら負けるんだ、負け方を知りたい的な敗北を喫するようになります。
しかも帝都北京には反乱軍も迫る。

結果、李自成の反乱軍がタッチの差で北京入場。
数か月だけの順王朝が出現しますが、
機を見た満州軍は「好機!」と一斉に南下、
それに伴う決戦により、天下は満州の手に落ちます。
これが清王朝ですね。
李自成軍はあっというまに消滅し、
順王朝なる名称を知る人は今やいません。

誰か、パラレル世界史をご存じの方がおられたら、
「順史」をお書きください。

そんなこんなで清が出てきますが、
さすがに中国全土の平定には70年くらいかかります。
中華征服には70年間の間に、途中で邪魔が入らないことが肝要。
邪魔が入った、金や日本は、征服に失敗しております。
モンゴルは邪魔しそうな勢力の方を先に倒してしまいました。
とにかく中華征服は気長にやらないといけません。

最初のうちは、南方に裏切った明の将軍たちに王国を作らせて、間接統治をやっていたんですが、まあそろそろ頃合いということで、反乱が起きます。
これを名君、康熙帝が鎮圧して、ようやく清が中華全土を統治する時代が来ます。

アポンタリンが多い明王朝と違い、
清王朝はなぜか名君ばかり。
歴代王朝でもトップクラスに名君が多く、
あの最終帝溥儀ですら、そこそこまともだったという、
ため息がつくくらい学力に差があります。
なんでしょう、この差は。
満州人はみんな頭がいいのでしょうか?
満州にバカ殿なしと言われております。

明王朝との落差が大きすぎて、血反吐を吐きますが、王朝の存続年数的にはだいたい同じですね。理不尽な。

さて清の最盛期は3人の皇帝がみんな有能で、
中国史上もっとも繁栄した時代を迎えますが、
さすがに150年も経つと、おかしくなってきます。
そうです、イギリス人がやってくるのです。

まあ、6巻はこの辺りまでです。

歴オタにとってチョンクオ風雲録は避けて通れない道。
歴史は物語であり、下手な創作よりよほど面白いという、
喜んでいいのか?という展開になっております。

まあ、楽しい歴史をお楽しみください。
(唐突なトートロジー。トートロジーこそが歴史の真理なんだ。レキシントンだ)

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