民主主義がアフリカ経済を殺す(著:ポール・コリヤー)【なんだこりゃー!読書紹介だコリャー】
コリヤー氏は90年代の論客で、ゼロ年代くらいに日本で翻訳され始め。
こりゃー!
当時はソ連崩壊後、民主主義万歳の時代でして、
アフリカの国とかも、圧力をかけてジャンジャカ民主化していこうという、
国際的熱気にあふれていたけど、
そういうのに水をかけた人。
まあ、日本、ドイツ、ロシアなど、
民主化された方の国々は、
この「民主主義」に宗教臭さを感じてしまい、
嫌味を言う論客が絶えなかったけど、
欧米の中枢からそういう人が出てくると、
「我が意を得たり!」と喜んじゃう。
そういうカテゴリではあるんだけど、
コリャー氏は、
「最底辺の10億人」
という本を書き、
貧しい国では先進民主国の常識が通用しないんだよ。
ということを、重ね重ねアピールしてきた。
貧しい国で「民主化」すると、
むしろ内戦になってしまい、
著しい人権侵害が行われてしまう。
まずは先に豊かにさせることが必要で、
平均年収1000ドルを超えると(ゼロ年代基準)落ち着いてくる。
(中国は2003年ごろに超えた)
コリャー氏の皮膚感覚だけど。
それ以下の場合は、独裁制の方が安定するし、
結果的に人権も尊重されやすいという逆転現象。
逆に豊かになると、独裁制は不安定になる。
中国は2000年ごろに端境期を超えたとか、うんぬん。
というわけで、最も貧しい国では、
先進民主国の普通は、まったく通用しないよ。
本当に貧しい国の人たちを考えるなら、
もっと現実を直視しないと。
ということを、訴えっていらした。
まあ、中国共産党に甘くしたら、
こんな時代になってしまったので、
最近はまた風向きが変わったかもしらんけど、
いずれにせよ、貧乏独裁国でジンケンミンシュ言っても、
どうしようもないという現実を、
ちょっとだけリアリスト目線で語った本です。
途上国支援では欠かせない視点なのかもしれない。
これを全肯定はせんとしても、
ちょっとヒヤッとしなければいけないんだ。
コリャー!
↑ 上は氏の代表作にして我が未読。
さてどこかで紹介したことあるような気がするんだけど、
とりあえずその場合は2度目ということで。
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